湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

悲しきお喜楽ランチ

2013-02-14 23:58:08 | B食の道


Aランチは「回鍋肉、ワンタン、小ライス」と表の看板に書いてある。
「小ライス」の「小」だけが気になったが、あまり出会ったことのない魅力的な組み合わせにひかれて頼んでみた。

今週のおっさん二人飯も山手のトンネルを抜け、古い銘店が点在する魅惑の本牧へ向かう。
店の名は『喜楽』。扉を開ければ昭和のセットと役者が迎えてくれる素敵な空間だ。赤いシートのパイプ椅子が泣かせる。そして一つだけある丸テーブルが、単なる食堂ではなく中華料理店であることを主張していた。



まず、お母さんがワンタンを運んできてくれる。今日のお昼はもうこれだけでもいいじゃんと思わせるほどの存在感を放っていた。ホントは全部揃ってから写真を撮るつもりだったが、待ちきれずにレンゲでスープをすすってしまう(笑)。あっさりと懐かしい味が口の中に広がった。
よーし、本格的に具に取り掛かっちゃおうと割り箸をパチンとやったら、小ライスとお新香が到着。
ん~、今日のお昼はもうこのワンタンと小ライスでお腹いっぱいになるはず。こりゃいいぞ。いいランチだ。

と思ったら、「ハイ、お待たせ」と言いながらやってきたお母さんの手には回鍋肉のお皿が。
おぉ、そうだ、メインは回鍋肉だったのだ!
この回鍋肉がまたすごい。大量のキャベツに隠れて見えなかったけど、角煮のような分厚い豚肉がたくさん埋れていた。



この色、厚さ、脂身の具合、素晴らしい。豚肉ファンには応えられない。
しかも、キャベツと豚肉、合うなぁ。
でも、困ったのは、見た目の通り味が濃いことだ。いや、回鍋肉だから濃くてもいいんだよ。ただ、ただね、こうなると「小ライス」が問題なんだ。ご飯をしっかり食べたくなるじゃないですか~。大好きな白いご飯がぜんぜん足りないよ。

回鍋肉をガバッとつかんで口に入れては、ご飯をちょっとだけパクリ。ん~やっぱりだめだ、ご飯が足りない。
この作業を繰り返せば繰り返すほど悲しくなってくる(笑)。でも、ウマイんだよね。悲しい、でもウマイ、でも悲しい・・・

あぁ、おいしかった!
でも、悲しかった!
でも、もう腹いっぱい!

結果から言うと、バランスが悪い、ご飯が足りない、といっても若い頃の勢いのある胃袋ではない今、これ以上ご飯を食べること(普通ライスまたは大ライス)は無理だったのである。そう、これくらいがお似合いなんですよ。
ということで、『喜楽』のAランチは、悲しいかな実は僕らの胃袋にはぴったりの素敵なメニューだったのである。



食べログでは「暖簾がいつもドアに挟まっている」と書いてあったが、本当に挟まっていた。でも、よく考えたら、これオレがドアを閉めたんだった(笑)。