湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

雨ニハマケル

2011-05-28 18:56:00 | あんな話こんな話


「今日は天気で良かったですね」
ふくらはぎの筋肉に力強いコブを浮かべてペダルをこぎ、息を弾ませながら彼は言う。

ベロタクシーの…運転手というのかな?それとも漕ぎ手?
都心や観光地などで見かける人力車の自転車版のような、地球にやさしい乗り物を動かす人である。
僕を運んでくれた青年は大学生のアルバイト。NPO法人に雇われ、いつもは赤レンガ倉庫あたりに待機しているという。この日は、僕が参加したツアーの移動手段に組み込まれていて、つまりチャーター便として海岸通りを往復していた。

乗り心地は決して良いわけではない(笑)。屋根付きの客席は狭いし、歩くよりも視点が低いし、地面の凹凸が直接お尻に伝わってくるほどの振動でガタピシと騒々しい。
ただそれ以上に、通りの鮮やかな緑や海からの風をダイレクトに感じることができて、とても気持ちがいい。
さらに、道行く人からの注目度はけっこう高くて驚く。修学旅行生たちには、手を振って応えなければいけないほどである(笑)。

「体力さえあれば誰でもこげるの?」
と尋ねると、
「はい、以前は女性もいましたよ」
と答えが返ってきたが、すぐ目の前でペダルをこぐ足の円運動は力強くなかなかの迫力。かなり脚力がつくバイトだろう。

「こうやってこいでいるときは使ってませんけど、実はスタート時と坂道用に充電式のアシストが付いているんです」とのこと。
なるほど!だったら女性はもちろん、僕だってイケそうじゃん(笑)。

ただし、その最新式のメカは雨に弱いのが玉にキズ。週末にシフトが入っていると言っていた彼は、今日明日の空を恨めしく見上げていることだろう。