
卒業式で思い出すのは、中学校のとき。
校長先生の笑顔と大きな手だ。
横浜の郊外はちょうど宅地開発が進んでいる頃で、僕が通う中学は1学年11クラスもあった。しかも、その1クラスは50名前後という多さ。
だから卒業式も時間がかかる。
名前を呼ばれると一人一人壇上に昇り、校長先生から卒業証書を受け取る。受け取るとステージを横切り階段を下りる。
僕は8組だったので、そのオートメーション工場のような流れ作業を眠気と戦いながら眺め、順番を待っていた。
俺たちもたいへんだけど、校長先生も一人でたいへんだよなあ…
と、その時ちょっとしたことを思いついき、自分の番がきたときに実行してみた。
証書を受け取ってから、校長先生に握手を求めたのだ。
たいしたことではないかもしれない。だが、厳粛な雰囲気で進行していた式だけに、けっこう勇気をふりしぼってのパフォーマンスではあった。
壇上で、一人ドキドキしていた。
次の瞬間、校長は相好をくずし、大きくぶ厚い両手で僕の手をしっかり包み込んだ。
実はそれが、3年間通った中学校で、校長先生との最初で最後のコミュニケーション。それほど、マンモス校では校長先生は遠い存在だったのだ。
今日は息子が卒業式。
出席した妻によれば、式の間中アクビばかりしていたらしいが。
写真は、お昼に食べた『ヘルシーぎょうざロール』。真砂市場内の食料品店で購入。揚げ餃子ですよ。