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湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

本の本音トーク

2012-05-25 23:52:30 | 湘南ライナーで読む


この本の著者と、この本の著者を招いて、この出版社の社長とトーク。
取材の現場の様子やエピソード、そして本音までご本人たちの生の声で聞くことができ、楽しい時間をいただいた。
『よこはま村の100人』に登場している方も何人かいらっしゃっていて、その方たちからも取材を受けた時の話が聞けた。この手法がすばらしい。当時の温度感まで伝わってくるようだった。
しかも、最初に取材したお店のお父さんが亡くなり、今日は奥様が駆けつけた。佐藤記者が感極まるシーンには、こちらもホロリ。

お二方ともタイプは異なるものの、同じ匂いがする。ついでに自分とも同じ匂いがして、笑ってしまう場面も多かった。
ただ、悲しいことに実はどちらの本も書評では読んでいるが、手にしていないのだ。ん~、もう読まずにはいられなくなったぞ。でも『東京都北区赤羽』は、見つかるかなぁ。赤羽の本屋さんでは『ワンピース』より売れているらしいけど。

写真は、その赤羽に行った時に。

神奈川B食家必携本

2012-04-05 20:39:30 | 湘南ライナーで読む


『神奈川庶民食堂2』(湘南海童社刊 1100円)が出た。
に続き、B食家にとって垂涎の大衆食堂がズラリ。よくもまぁ見つけてきたもんだなぁと感心する。しかもメジャーな本と違って、行く気になればヒョイと行けるご近所のお店ばかりだから嬉しい。
ずっと前から気になっていた追分にある「成吉思汗」と書かれた「不二家食堂」も載っている。行かねば!

掲載されていて訪問したことのあるお店
かどや(武蔵小杉)
黒船食堂(久里浜)
加納食堂(茅ヶ崎)
魚市場食堂(早川)
がじゅまる童(片瀬)
日記に書きませんでしたが、あと2軒いただいてました。エントリーしなかったということはどういうことかお察しください(笑)。

B食家おやじのおやつ

2012-01-23 21:26:00 | 湘南ライナーで読む


神奈川新聞年末恒例「かながわ定食紀行」の番外特別座談会。その昨年末(12/18付け)のテーマは、なぜか「大人のおやつ」だった(笑)。
そこで冒頭から登場した本のタイトルに見覚えあり。しかも、座談会にはその筆者であり「B級グルメ」というフレーズの生みの親でもある田沢竜次氏が招かれていたのだ。

『おやじのおやつ』(朝日新聞社 朝日文庫800円+税)である。

2008年の発売当時に購入し、時々取り出してはパラパラとやっていた本。
3ページの文章の最後に1ページ全面の写真がついて1くくりとなっている仕立てだ。「アップルパイ」「シベリアケーキ」「どら焼き」「草だんご」「大学芋」があるかと思うと、ウエストの「リーフパイ」や泉屋の「クッキー」、さらには日本橋錦豊琳の「かりんとう」、シベール麦工房の「ラスクフランス」、モンシュシュの「堂島ロール」まで新旧入り混じって登場する。
つまり、ありがちな「おやじが懐かしがって昔のおやつを求めている」のではなく、「いま食べることができるおやじゴコロをくすぐるおやつ」が満載なのである。もちろん、おやじが嬉しくなるような文章で綴られている。

そして、あとがきはこんな一文で結ばれていた。
「あとは、各自で、自分のおやつマップ、おやつガイドをつくるなどして、人生後半を楽しむ一助になればよし。さあ、おやじたちよ、おやつの真髄をきわめに街へ出よう!」
おぉ、そうだ。誰かが買ってくるおやつを待っていてはダメ。自分からアクションを起こすのだ!攻めていこうではないか!そう勇気づけてくれる本でもある(そうでもないか)。

近代建築珈琲店

2012-01-10 19:42:51 | 湘南ライナーで読む


「B級グランプリ」とか「ご当地どんぶり選手権」とか「ラーメングランプリ」といったイベントを否定するつもりは全くない。
むしろ地域や経済の活性化、街づくりのために有効であることも理解しているつもりだ。なにより居ながらにして一度に複数のおいしいものを体験できるのは嬉しい。

でも僕が外食でおいしいと思う瞬間は、その場所や提供してくれる人、お店の雰囲気などが大いに関係してくる。だから、こうしたイベントに出かけ、行列して、屋外やテントで、発泡スチロールの器で食べたいと思ったことはないのだ。
つまり、たとえそれがありきたりの「野菜炒め定食」だったとしても、小さな駅の古い商店街にある「大衆食堂」なんて暖簾がかかっているお店で気のいいご夫婦が手際よくサービスしてくれる店だったら、間違いなく僕の中ではナンバー1になるということである。

前置きが長くなったが、今日は『珈琲時間』2月号(大誠社刊 933円+税)の話。
「建築の美しい喫茶店」という特集だ。僕が大好きな近代建築と呼ばれる建物の中にある各地の喫茶店が紹介されていて、片っ端から訪れてみたくなる。こんな風に見せられると、東京に勤めていた頃にもっと行っておくんだったと悔やむばかりだ。

こういう建物の中で飲むコーヒーは、たぶん豆がどうのだとか、ドリップの方式だとか、酸味や苦みがどうなんて問題ではなく、やっぱりそこの雰囲気が味になるのだと思う。
他の料理よりも、コーヒーはその影響度が大きいのではないか。

東京ドームで「全国のおいしい喫茶店のコーヒー選手権」を開催して紙コップで飲み比べても、優劣をつけるどころかイベントにもならないはずだ(笑)。


こちらは東京勤めしていたころに撮った丸の内の三菱1号館。ここの美術館にある『CAFE1894』も本に掲載されている。実はこの建物は100年以上前のものを忠実に再現した新しいビル(三菱地所のテレビCMにも登場)。でも、天井が高く重厚で雰囲気のいい空間だ。コーヒーがうまいだろうなぁ。

ブックレビューのレビュー

2011-12-19 20:55:07 | 湘南ライナーで読む


今年もよく見たテレビ番組のひとつである『週刊ブックレビュー』。その『20周年記念ブックガイド』(NHKサービスセンター刊 933円+税)が出ている。
もちろん、番組にはホームページもあるのだが、「先週の合評で面白そうだったあの本、やっぱりちょっと読んでみたいなぁ」というとき、作者や出版社名を知るためにのぞいてみる程度。
でも、それが本になっているのを見たら、買わないわけにはいかないよねぇ(笑)。
もう中身はどうでもよくって、手元にあれば時々開いてみる、そういうタイプの本である。
ただ、インタビュー記事、座談会、プレイバック…どこをどう読んでも、どうしたって故・児玉清氏のダンディーな姿、そして優しく、しかし毅然とした語り口が思い浮かんでしまうのだ。
そう思っていると、巻末にはちゃんと「追悼“ミスター・ブックレビュー”児玉清」というページが組まれていて泣かせる。来週土曜日の朝6時半。児玉清さんが画面に登場して、この本について語ってくれそうな気がしてならない(笑)。

237ページの一番下に置かれた写真がいい。児玉さん、中江さん、梯さん、藤沢さんといった当時の司会者陣が胸の前で握り拳を構えているぞ(笑)。

言葉の海をいく

2011-12-05 22:52:50 | 湘南ライナーで読む


新刊の小説を読むのは久しぶり。
少女マンガ風の帯(カバーをはずすと本体も)でちょっと心配だったが、週刊ブックレビューでの書評を信じ手に取った。

「大渡海」という辞書の編纂に関わる人々を綴った『舟を編む』(三浦しをん著 光文社刊 1500円+税)である。

おもしろかった。自分にとって女性作家の作品はどこか物足りないことが多いのだが、これは作家の性をも忘れ存分に楽しませてもらった。
読書のとき気になる言葉や内容が出てくると、その場所を忘れないように付箋をつけておくことがある。でも、この本ではそれがあまりにも多すぎて数ページで止めてしまった。辞書がテーマだけに意識的にちょっと気になる言葉が散りばめてあるようなのだ。物語の魅力に引き込まれていくと同時に、言葉そのものの面白さにもどんどんハマッていくところも、この作品の特徴だろう。
そして、最後には誰もが完成した「大渡海」を手に入れたくなってしまうはず。読み終えて書店のカバーをはずしてみると、装丁が「大渡海」風であることでその欲求は少しだけ和らぐ。いや、かえって強まっちゃうかな(笑)

何でもパソコンやケータイで検索できてしまう世の中。文学部に在籍するウチの息子も専ら電子辞書を愛用している。でも、そうした形態では20数万語、ページにすれば3000ページというボリュームがまとまって目に見えないので、どれだけスゴイものなのか実感がなく、ありがたみもないのだ。 そもそも最近は「広辞苑」や「大辞林」といった分厚い辞書の存在を知らない人が多いかもしれない。
実家にある(はずの)若いころ買った「広辞苑」を、もう一度ペラペラやってみようか。

それでも読みたい

2011-11-23 21:49:14 | 湘南ライナーで読む


1.「最寄り駅」と呼べる駅がない
2.「唯一無二」の味わい
3.「お取り寄せ」不可

これが辺境グルメの定義だという。
『それでも食べに行きたい 辺境絶品グルメ 関東エリア版』(マガジンハウス刊 1300円+税)に、そう記されている。
書店で見つけてパラパラめくってみたが、そこまでして食べたくなるメニューがなかなか現れなかった(個人の感想です)。
ただし、巻頭を飾っているマンガを見たら買わざるを得なくなった。
あの「孤独のグルメ」の原作者である久住昌之氏による「辺境めし」という短編が掲載されていたのである。作画者こそ違うが、独特のリズム感で展開される中身は変わらない。つまり、そう盛り上がるでもなく、もちろんオチもなく淡々と進んでいく。しかも、たった5枚。
ただ存在感は抜群で、本題の調査や報告なんてもうどうでもよくなるくらい。そう、全部持っていっちゃっているのである。まぁ、だから僕も買ったわけなんだけどね(笑)。
ちなみに、マンガに登場する辺境は鶴見線の寛政町。最寄り駅はある。

裏表紙(表4)にあるフレーズを借りれば「この一作のためだけに、買う価値あり!」といったところか。

空が暮れていくカフェ

2011-10-03 22:51:22 | 湘南ライナーで読む


「屋上や庭、テラス、山だったり、海だったり、高層ビルだったり、どこか空を感じる店。それが…」『空カフェ』(交通新聞社刊 散歩の達人MOOK 880円)だという。

もうちょっと詳しい定義が2~3ページに記されているが、まあそんなものどうでもいい。レトロな喫茶店も好きだけど、『空カフェ』的なお店はもっと好き。なんかその~他にはないこの店だけの魅力が、そのままハンデにもなってしまうようなところにひかれる。
いや、でもそれはハンデではないだろう。

自分でお店をやるんだったら、照明器具のないお店にしたい。ずっとそう思っている。
つまり、明るいうちだけ営業しているお店だ。季節によって営業時間が違う。
もっといえば、毎日異なる。夕暮れとともに閉店である。
自然を相手にするのではなく、自然とともにあるカフェがいいと思っている。

おっとそうだ、この本的にはこちらが出ていなかったのは残念だなぁ。

蛇腹列島を旅する

2011-09-05 22:36:00 | 湘南ライナーで読む


今日の本は『全国鉄道旅行』(昭文社 800円+税)。最近、鉄分多め(笑)。
本とは書いたが実は地図で、32枚にわたる蛇腹を伸ばしていくと日本列島がどんどん伸びて、僕の背丈よりもずっと高く(長く)なる。とにかくやたらタテに長~い日本列島なのだ。
そして、そこには日本中の鉄道路線が網羅されていて、もちろん伸ばさずとも本のページをめくるようにして線路を北海道から九州までたどることもできる。
これが、なかなか楽しい。飽きることがない。発見がある。「南阿蘇水の生まれる里白水高原」なんて、びっくりするほど長い名前の駅も見つけた。
ホントはこの本、読みたくて買ったわけではなかったが(というか、ある必要に迫られて買ったのだが)、すっかりハマッてしまい、毎日持ち歩いては経典のように開いて見ている(笑)。

湘南電車スタイル

2011-09-03 21:03:53 | 湘南ライナーで読む


まさかの命名である。
「湘南電車」はなじみがあったが、「鉄道湘南スタイル」とは!
先頭がいわゆる2枚窓の車両。今では懐かしい顔も、初登場した昭和25年当時はかなり斬新だったらしい。 流線型のイメージからスピード感を受けたのだろうか。確かに湘南電車として定着した後は、国鉄・私鉄問わず全国的にスタンダードとなっていったのだ。
僕が大好きだった相鉄の5000系も、まさにこのタイプ。この他の車両は全部3枚窓だったので、子供心にも何か特別な存在に見えたに違いない。

2枚窓のデザインを「湘南スタイル」と名づけたのは、やっぱりエイ出版だった。
『鉄道湘南スタイル』(監修石塚純一 1200円+税)は、その発想も編集も目を見張る素晴らしい本。手に持っているだけで嬉しくなる(笑)。

昨年清水に行ったときに、途中の吉原駅で見かけた岳南鉄道の短いホームに停まっていた元・京王3000系。地方の私鉄も大好きなので、いつか出かけてみたいと思っている。