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新刊の小説を読むのは久しぶり。
少女マンガ風の帯(カバーをはずすと本体も)でちょっと心配だったが、週刊ブックレビューでの書評を信じ手に取った。
「大渡海」という辞書の編纂に関わる人々を綴った『舟を編む』(三浦しをん著 光文社刊 1500円+税)である。
おもしろかった。自分にとって女性作家の作品はどこか物足りないことが多いのだが、これは作家の性をも忘れ存分に楽しませてもらった。
読書のとき気になる言葉や内容が出てくると、その場所を忘れないように付箋をつけておくことがある。でも、この本ではそれがあまりにも多すぎて数ページで止めてしまった。辞書がテーマだけに意識的にちょっと気になる言葉が散りばめてあるようなのだ。物語の魅力に引き込まれていくと同時に、言葉そのものの面白さにもどんどんハマッていくところも、この作品の特徴だろう。
そして、最後には誰もが完成した「大渡海」を手に入れたくなってしまうはず。読み終えて書店のカバーをはずしてみると、装丁が「大渡海」風であることでその欲求は少しだけ和らぐ。いや、かえって強まっちゃうかな(笑)
何でもパソコンやケータイで検索できてしまう世の中。文学部に在籍するウチの息子も専ら電子辞書を愛用している。でも、そうした形態では20数万語、ページにすれば3000ページというボリュームがまとまって目に見えないので、どれだけスゴイものなのか実感がなく、ありがたみもないのだ。 そもそも最近は「広辞苑」や「大辞林」といった分厚い辞書の存在を知らない人が多いかもしれない。
実家にある(はずの)若いころ買った「広辞苑」を、もう一度ペラペラやってみようか。
プレゼント、当たるといいですね。
あいかわらず、ラジオをお聴きになっているところが
うれしいです。
当たらなかったら、図書館で借りてくださいな。