食品安全委員会の石井克枝委員は、以前、他の研究者と一緒に、高校生を対象とした
食べ物に対する健康認識調査(2005年)を実施したそうです。
この調査結果を踏まえ、石井委員から食べものに対する健康認識についての解説です。
〇体に良いもの、悪いものとは
高校生聞いた
体に良いもの・・・栄養素(カルシウム、ビタミン、たんぱく質、食物繊維、ビタミンC、ミネラル、鉄⇒牛乳、ヨーグルト、魚、果物、野菜)
体に悪いもの・・・脂質、カロリー(肉類、揚げ物、スナック菓子、ラーメン、カップめんなど)
〇体に良い成分とは
必要な栄養素は5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、無機質(ミネラル))です。
調査では、体に良いものにはビタミン、無機質があげられ、無機質の中でもカルシウム、鉄に注目していることが分かりました。
実は、ビタミンや無機質は微量栄養素で、科学の発達とともに明らかにされてきたものも多くあります。
また、炭水化物、たんぱく質、脂質は体内での必要量も多く、いずれもエネルギー源になるものですが、
現在の食生活では、ダイエットの関係で悪いものと意識されているのかもしれません。
〇一つの成分に注目することの意味
最近は、様々な物質で、体内での働きが明らかになると、その物質だけが注目される傾向があります。
例えば、ポリフェノールは抗酸化作用があることで注目されました。
ポリフェノールは、5大栄養素には入らず、食べ物の第3の機能(生体の整理機能の変調を修復する働き)としてあげられるものです。
しかし、体への生理作用が注目された結果、ポリフェノールがチョコレートに入っているとわかるとチョコレートに注目が集中しました。
ただ、その際、チョコレートには脂質が25~40%程度、糖質が50~60%含まれていることは忘れがちになります。
食べ物では、一つの成分でできているものはほとんどありません。
一つの成分の働きに注目することと、食べ物に含まれている成分は一つではないということを合わせて考えてほしいです。
それぞれの食べ物には、それぞれの良さがあり、その食べ物は多くの成分で成り立っています。
※食べ物の第1機能 生命維持のための栄養面での働き(栄養機能)
※ 第2機能 食事を楽しもうという味覚・感覚面での働き(感覚機能)
※ 第3機能 生体の生理機能の変調を修復する働き(体調調整機能)
〇食べるときに大切なことは
食事をすることは、食品に含まれる成分を体内に取り込むことだけではなく、食事を私たちの嗜好にあるものに整え
楽しく食卓を囲み、食べることにより、食品に含まれている栄養素や様々な成分は、体内で機能していきます。
私たちが食する食品は、穀類、肉類、魚介類、野菜、果物、大豆・卵、乳製品、海藻と多岐にわたり
これらを組み合わせて食べることで、私たちは栄養のバランスをとろうとしています。
食事の特徴を大切にしつつ、健康を維持するために何をどう選び食するかは、最終的には一人ひとりの選択にゆだねられます。
〇バランスのいい食事とは何ですか
体に必要なすべての栄養素を必要なだけとれる食事のことです。
いろいろな食品を組み合わせることです。
1食でいろいろな食品をとることが難しいときは、一日あるいは数日単位でバランスを考えてみてください。
また、いろいろな調理方法(焼く、炒める、揚げる、煮る、蒸す、ゆでる、炊く、あえる)を組み合わせるなどして
バランスがとれるように工夫することが大切です。
〇子どもの食事で気をつけた方がいいことはありますか。
体に良い食習慣を身に着けるには、小さいころからの積み重ねが大切です。
3食しっかり食べる。いろいろな食品を使った料理を食べるなどを心がけ、バランスのいい食事がとれるよう気を配ってください。 嫌いな食品は調理方法を工夫してみると食べられることがあります。
〇栄養素の主な働きを教えてください。
栄養素は、体をつくる、体の調子を整える、エネルギーになるという主な働きがあり
6つの基礎食品群として分類できます。
・第1群 体をつくる(タンパク質が多く、おもに筋肉や血液になる) 魚、肉、卵、大豆・大豆製品
・第2群 体をつくる(カルシウムが多く、骨や歯をつくる) 乳・乳製品、海藻、小魚
・第3群 体の調子を整える(色の濃い野菜で、ビタミン、ミネラルが多い)緑黄色野菜
・第4群 体の調子を整える(色の薄い野菜や果物で、ビタミン、ミネラルが多い)淡色野菜、果物
・第5群 エネルギーになる(穀類やイモ類で、糖質が多い) 穀類、イモ類、砂糖類
・第6群 エネルギーになる(油脂製品で、脂質が多い) 油脂類、脂肪の多い食品
また、主な栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、無機質(ミネラル)があり「5大栄養素」として分類できます。
・炭水化物 エネルギーになる ごはん、パン、めん、いも、砂糖など
・脂質 エネルギーになる バター、マーガリン、植物油、肉の脂身など
・タンパク質 体をつくる 肉、魚、卵、大豆製品など
・ビタミン 体の調子を整える 緑黄色野菜、果物、レバーなど
・無機質(ミネラル)骨や歯などをつくる
体の調子を整える 海藻、牛乳、乳製品、小魚など
************************************************
高校生の意識調査の結果より、
私たちは何となく体に良いもの、悪いものを決めて
体の良い作用がみつかると、その作用だけに注目する傾向があることがわかります。
食べ物は多くの成分で成り立っており、バランスよく食べることが大切で、
調理方法を組み合わせることも大切だと石井先生の解説でした。
「これだけ食べれば・・・健康になれる!」との番組は
参考にする程度にとどめ
いろいろな食品を食すことが大切なんですね!
その選択は一人ひとりにゆだねられているからこそ、学びが必要ですね!
健康になることはとてもシンプルなんです。
バランスのいい食事、適度な運動、質のよい睡眠。
わかっているんだけど、実践するのが難しいのが現実ですね(笑)
*************************************************
食べ物に対する健康認識調査(2005年)を実施したそうです。
この調査結果を踏まえ、石井委員から食べものに対する健康認識についての解説です。
〇体に良いもの、悪いものとは
高校生聞いた
体に良いもの・・・栄養素(カルシウム、ビタミン、たんぱく質、食物繊維、ビタミンC、ミネラル、鉄⇒牛乳、ヨーグルト、魚、果物、野菜)
体に悪いもの・・・脂質、カロリー(肉類、揚げ物、スナック菓子、ラーメン、カップめんなど)
〇体に良い成分とは
必要な栄養素は5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、無機質(ミネラル))です。
調査では、体に良いものにはビタミン、無機質があげられ、無機質の中でもカルシウム、鉄に注目していることが分かりました。
実は、ビタミンや無機質は微量栄養素で、科学の発達とともに明らかにされてきたものも多くあります。
また、炭水化物、たんぱく質、脂質は体内での必要量も多く、いずれもエネルギー源になるものですが、
現在の食生活では、ダイエットの関係で悪いものと意識されているのかもしれません。
〇一つの成分に注目することの意味
最近は、様々な物質で、体内での働きが明らかになると、その物質だけが注目される傾向があります。
例えば、ポリフェノールは抗酸化作用があることで注目されました。
ポリフェノールは、5大栄養素には入らず、食べ物の第3の機能(生体の整理機能の変調を修復する働き)としてあげられるものです。
しかし、体への生理作用が注目された結果、ポリフェノールがチョコレートに入っているとわかるとチョコレートに注目が集中しました。
ただ、その際、チョコレートには脂質が25~40%程度、糖質が50~60%含まれていることは忘れがちになります。
食べ物では、一つの成分でできているものはほとんどありません。
一つの成分の働きに注目することと、食べ物に含まれている成分は一つではないということを合わせて考えてほしいです。
それぞれの食べ物には、それぞれの良さがあり、その食べ物は多くの成分で成り立っています。
※食べ物の第1機能 生命維持のための栄養面での働き(栄養機能)
※ 第2機能 食事を楽しもうという味覚・感覚面での働き(感覚機能)
※ 第3機能 生体の生理機能の変調を修復する働き(体調調整機能)
〇食べるときに大切なことは
食事をすることは、食品に含まれる成分を体内に取り込むことだけではなく、食事を私たちの嗜好にあるものに整え
楽しく食卓を囲み、食べることにより、食品に含まれている栄養素や様々な成分は、体内で機能していきます。
私たちが食する食品は、穀類、肉類、魚介類、野菜、果物、大豆・卵、乳製品、海藻と多岐にわたり
これらを組み合わせて食べることで、私たちは栄養のバランスをとろうとしています。
食事の特徴を大切にしつつ、健康を維持するために何をどう選び食するかは、最終的には一人ひとりの選択にゆだねられます。
〇バランスのいい食事とは何ですか
体に必要なすべての栄養素を必要なだけとれる食事のことです。
いろいろな食品を組み合わせることです。
1食でいろいろな食品をとることが難しいときは、一日あるいは数日単位でバランスを考えてみてください。
また、いろいろな調理方法(焼く、炒める、揚げる、煮る、蒸す、ゆでる、炊く、あえる)を組み合わせるなどして
バランスがとれるように工夫することが大切です。
〇子どもの食事で気をつけた方がいいことはありますか。
体に良い食習慣を身に着けるには、小さいころからの積み重ねが大切です。
3食しっかり食べる。いろいろな食品を使った料理を食べるなどを心がけ、バランスのいい食事がとれるよう気を配ってください。 嫌いな食品は調理方法を工夫してみると食べられることがあります。
〇栄養素の主な働きを教えてください。
栄養素は、体をつくる、体の調子を整える、エネルギーになるという主な働きがあり
6つの基礎食品群として分類できます。
・第1群 体をつくる(タンパク質が多く、おもに筋肉や血液になる) 魚、肉、卵、大豆・大豆製品
・第2群 体をつくる(カルシウムが多く、骨や歯をつくる) 乳・乳製品、海藻、小魚
・第3群 体の調子を整える(色の濃い野菜で、ビタミン、ミネラルが多い)緑黄色野菜
・第4群 体の調子を整える(色の薄い野菜や果物で、ビタミン、ミネラルが多い)淡色野菜、果物
・第5群 エネルギーになる(穀類やイモ類で、糖質が多い) 穀類、イモ類、砂糖類
・第6群 エネルギーになる(油脂製品で、脂質が多い) 油脂類、脂肪の多い食品
また、主な栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、無機質(ミネラル)があり「5大栄養素」として分類できます。
・炭水化物 エネルギーになる ごはん、パン、めん、いも、砂糖など
・脂質 エネルギーになる バター、マーガリン、植物油、肉の脂身など
・タンパク質 体をつくる 肉、魚、卵、大豆製品など
・ビタミン 体の調子を整える 緑黄色野菜、果物、レバーなど
・無機質(ミネラル)骨や歯などをつくる
体の調子を整える 海藻、牛乳、乳製品、小魚など
************************************************
高校生の意識調査の結果より、
私たちは何となく体に良いもの、悪いものを決めて
体の良い作用がみつかると、その作用だけに注目する傾向があることがわかります。
食べ物は多くの成分で成り立っており、バランスよく食べることが大切で、
調理方法を組み合わせることも大切だと石井先生の解説でした。
「これだけ食べれば・・・健康になれる!」との番組は
参考にする程度にとどめ
いろいろな食品を食すことが大切なんですね!
その選択は一人ひとりにゆだねられているからこそ、学びが必要ですね!
健康になることはとてもシンプルなんです。
バランスのいい食事、適度な運動、質のよい睡眠。
わかっているんだけど、実践するのが難しいのが現実ですね(笑)
*************************************************