神戸ボードゲームの会へようこそ!

平日昼休み 放課後 見学自由
毎月第4日曜に定例会やってます

二つ名ってやっぱり重要  by k

2008年02月20日 16時19分14秒 | TRPG会の連絡・報告
春季TRPG会第一回の、ダブルクロス卓の方の報告です。

ダブルクロスはまだ二回目なので不安を抱えつつのスタートでしたが、ココロアタタカナPLの皆さんには多いにタスケラレマシタヨ…。


というわけで、ダブルクロス2nd Edition 単発シナリオ
『帰るべき場所』
…これは、ある北の街で起こった、不器用な2人のオーヴァードの悲しい物語。


今回はキャラメイクに関して、ダブルクロスのPCにとって重要な“二つ名”を「二つ名メーカー」で作ってみよう、という企画でした。最初に名前だけ決めてもらい、その名前から「二つ名メーカー」を使用して二つ名を決定。そこからキャラ像を膨らましていく、という方法でキャラメイクしてもらいました。
…皆さん二つ名とハンドアウトの板ばさみで苦しんでいましたよ。


≪登場人物≫
“青の六花(モノクロームワルツ)”三枝 明日碼 PL:朱雀
シンドローム:サラマンダー / ブラックドッグ
N市立第一高校に通う高校2年生。ガーデニング部所属。
人と接するのがあまり得意ではない様子だが、友達はそれなりに多い。しかし、あくまで表面上の付き合いで、深くは立ち入らせない。それはおそらく、常人には無い力を持った所為か、達観し物事を客観的に見る嫌いがあるからである。だから、それゆえに相手の気持ちを推し量ることは出来ても、踏み込めないのである。
8年前にレネゲイドウイルスが覚醒し、その時に双子の妹を失っている。しかし、まだ誰にもオーヴァードである事を明かしておらず、知る者はいない。
6枚の氷の花弁を自在に操って戦う。

“鏡面監獄(シンメトリープリズン)”熊谷 ゆかり PL:mono
シンドローム:ノイマン / ノイマン
UGNにイリーガルとして協力する若き傭兵の女性。
若いながらに深みを見せるのは、過去にいろいろな事を経験しているが故であろう。親とは死別しているが、妹が1人いる。職業柄会いには行けないようだが、普段の言動からかなり気にかけている事がわかる。
数いる傭兵の中でもその戦闘能力は非常に高く、正確無比な銃撃は相手に一歩も動く事を許さず完全制圧する。故に付いた二つ名が“鏡面監獄”。彼女に狙われたが最後、待っているのは冷たい監獄か冷たい死だけである。
だが、あくまで戦闘屋なので情報収集は不得手。その所為か後手後手に回らざるを得なくなる事もしばしば。
実は婚約者がいるらしい。

“幽閉中毒(ノイローゼプリズン)”黒宮 括里 PL:GHETTA
シンドローム:エグザイル / キュマイラ
UGNのN市支部に所属するUGNチルドレン。
前の任務の名残か、一応N市立第一高校に籍がある。が、今は行っていない様子。
ゴスロリ服を着用したチビ童顔無口無表情っ娘で、緊縛大好きっ娘。すぐ首を絞めたがる。口癖は上目使いでしばらく見つめた後の「縛るよ…?」と、冷たい視線での「…帰れ」。ジャンクフードが好物らしいが、ドナ○ドは嫌いらしい。商店街のファーストフード店(ウェン○ィーズ)に居る姿が目撃された。
あまり他人とコミュニケーションを取らないが、それは苦手なのではなく嫌いなだけ。必要な情報はしっかりと聞いており、大事な事は話す。普段の言動からはそうは見えないが、結構考えている子。



K市支部長に呼び出された熊谷ゆかりは任務を言い渡される。
なんでも、つい先週まで、N市でUGNとFHとの大規模な戦闘が行われていたらしい。事の発端は1ヶ月前。それは、「この市にFHの実験場があり、そこで強力なオーヴァードを作り出す為の実験が行われている」という情報がUGNに持ち込まれた事から始まった。UGNはすぐさま調査を開始したものの、もともと人員の多くない支部であるためかなり難航した。それでもエージェントをフル動員し、幾人ものイリーガルの手を借りてようやくFHの本拠地を割り出したのが丁度一週間程前。すぐさま襲撃をかけるべく本部に増援要請をしたものの、どこも手が足りていないらしく受理はされず、仕方なく、現行の人員でFHの支部を強襲したのである。
結果、支部の人員の大半を失いながらもFHの支部を壊滅状態に追い込めたものの、肝心の実験場は発見されず、捕らえたFHエージェントも知らぬ存ぜぬの一点張り。逆に、自ら陣頭指揮を執っていた支部長がFHエージェントに殺されてしまい、加えて、生き残ったエージェントもそのほとんどがかなりの傷を負ってしまってしばらく戦線に復帰できそうもない者ばかり。一応支部長の代理を立てたものの、その能力には不安が残る。というのが現状である。
という訳で、N市支部と協力してFHの実験場を壊滅させて欲しい、また、同事件中に目撃された強力なオーヴァード、通称“赤色(クリムゾン)”を討伐して欲しいと頼まれN市に向かうゆかり。

一方、葬儀会場。
三枝明日碼は幼馴染の少女、弐村千春の両親の葬儀に参列していた。彼女の両親は先週、事故で亡くなったのである。
家が近所の事もあり、明日碼と千春は幼少の頃は兄弟のように育ったものだが、性別の違いの所為か、歳を取るにつれてだんだんと疎遠になっていった。明日碼には男の友人も多く出来た。しかし、彼女はあまり多くの子とつるむ事は無かった様だ。明日碼はそんな千春が気にはかかっていたが、結局何もしなかったのは正直、年頃の少女との接し方がわからなかったからなのかもしれない。
葬儀後、弐村家の縁側で物思いにふけっている千春に話しかける明日碼。叔父が後見人になってくれるという事で今まで通りの生活が送れるらしい彼女だが、それを断って学校を辞めて働こうかと思っていると言う。
私の居場所はどこだろう、と呟く彼女に明日碼は何も言えなかった。

UGNのN市支部はおおわらわであった。
なにせこの支部には満足に動ける者は3人しかいなのである。1人目は真面目なのか不真面目なのか分かりにくいが、とにかくやる気は感じられない黒宮括里。2人目はいまいち頼りにならない枕木奏介。そして3人目は、事務員からいきなり支部長代理に担ぎ上げられてしまった可哀想な藤宮灯子である。
括里はある程度は戦えるが1人で場を制圧出来るほどの実力は無い、というかそもそも自分から動く気が無い。奏介は情報は集められるがそれ以上の事、つまりいざ襲撃をかけるときの戦力にはならない。灯子はそもそもオーヴァードですらない、というひどい状況である。
頼みの綱は、K市支部から派遣されてくるというイリーガルの人だけだった。

翌日から、明日碼は千春の事が気がかりで、彼女の学校生活等を注意して見るように。どうやら彼女も周りのクラスメイトから距離を置いているように見えた。
テスト期間なので早い学校帰り、適当に張りまくっていた奏介の≪ワーディング≫に反応してしまい、オーヴァードとばれてしまう明日碼。半ば拉致のような形で強引に支部に連れて行かれる。

支部では丁度到着したゆかりが現状について灯子から説明を受けているところであった。
戦力になりそうな人材連れて来たっす~、と明日碼を紹介する奏介と、訳が分からない明日碼。括里に顔を見るなり「…帰れ」と言われて更に訳が分からない。結局何故かゆかりがレネゲイドやオーヴァードについて説明する羽目に。
説明を受け何とか理解はしたものの、自分には関係無いので、と言って帰る明日碼。

夕刻、明日碼が商店街を歩いていると、ファーストフード店に先ほど会ったゴスロリ少女を見かける。声をかけかどうか躊躇っていると、括里も明日碼に気付いたらしくじっと見詰めてくる。その視線に耐えきれなくなった明日碼は入店し括里と同席するが、今度は周囲からの視線が嫌な感じに。さらに話題も無く沈黙。
いい加減空気が苦しくて帰ろうかな、と明日碼が思い始めた頃声をかけてきたのは奏介。早速色々と情報を集めてきたようだった。

その次の日。
登校時、明日碼は防波堤に腰掛けている千春を見かける。
声をかけて話すが、両親が亡くなってから千春が前にも増して距離を置きたがっているように感じた。
放課後、テストが終わったし、皆でパーっと打ち上げに行こう、と盛り上がるクラス全体。当然明日碼も誘われる。千春と話がしたいと思っていた明日碼は断ろうとしたが、結局断れず皆に付き合う事に。まぁ、千春も断りきれず参加する様なので折を見て2人になればいいか、と思う明日碼であったが、ボーリング、カラオケ、海辺で花火と盛り上がっているうちに気付けば千春は居ない。クラスの女子に尋ねてみると、用事があるからといって先に抜けたらしかった。

と、その時明日碼の携帯に着信が。見知らぬ番号に出てみると、奏介であった。
何で番号を知っているのかと問い質す明日碼を無視して、FHの残党の居場所が分かったから襲撃する、至急現場に行って欲しいと一方的に伝えられる。まだ協力するとも何も言っていないのに、と反論する明日碼であったが、千春も帰ってしまったし、街の危機だと言われて放っておくのも寝覚めが悪いので結局なし崩し的に向かう事に。

現場の廃ビルには既にゆかりと括里が到着している。
FHの残党の中に“赤色(クリムゾン)”と思しき人物が居ると言う奏介の情報に、やる気を出しているゆかり。括里の感情は読めない。戦った事など無い明日碼は及び腰だったが、奏介に「それつけてれば死ぬ事は無いっす~」と≪黒曜の鎧≫を付けられて無理やり行かされる。
3人が内部に侵入すると、奥から人の声が。
「ここは任せてリーダーは行って下さい」「すまねぇ、お前ら。死ぬんじゃないぞ」みたいな会話が聞こえてくる。そして戦闘に。敵は全員が布を巻いて顔を隠した、3人×2個のトループとキュマイラらしきオーヴァード。
しかし、明日碼の氷の花とゆかりの精密な射撃がトループを一掃し、キュマイラらしきオーヴァードは括里の手によって締め上げられてしまう。が、しかし完全獣化から≪突破≫を使用して逃げるオーヴァード。
その時、布の隙間から見えた顔が千春に似ている気がした明日碼。

翌日、千春は学校を休んだ。
しかし、学校帰り商店街で千春を見かける明日碼。声をかけ、公園で話すことに。
なぜ学校を休んだかという問いに風邪を引いたから、今病院に行ってきたところと答える千春。しかし明日碼はその腕に包帯が巻かれており、他にも体中に傷があるのに気付く。が結局何も言えず、千春は去る。去り際、彼女は「貴方に幸せはある?」「あるなら、それを大切にした方が良いよ、戻れなくなる前に」と言い残す。

一方病院。
意識不明だったエージェントの意識が回復したと言う報告を受けて事情聴取に向かったゆかり。そこで興味深い話を聞く。なんでも、襲撃の前、支部長の様子がおかしかったと言うのだ。いくら前線に立ちたがる支部長だったとはいえ、普通ならあんな無謀な位置には行かないし、なにより“赤色(クリムゾン)”が支部長を殺したというより、支部長が“赤色(クリムゾン)”に殺されにいったように見えた、と。

奏介からの連絡を受けたゆかり、明日碼は支部へ向かう。括里は既にいる。
幼馴染が関わっている可能性が高そうだと思う、自分も協力したい、とここへきてついに自ら申し出る明日碼に対し、いきなり首を絞める括里。
「……貴方は、殺せるの…? ……こんな風に、…そいつを…」
「…!! …でも、僕は、…殺す、殺すよ」
「………………そう」
答えた明日碼に括里は一瞬その絞める力を強くするも、明日碼の目を見て手を離す。

奏介の情報でやってきたのは工場横の倉庫街。
FHの残党はそのうちの一つに潜伏しているらしい。
この人数では下手に分散させた方が危険だと判断した一同は一緒に正面から突入。しかし、人の気配が無い。おかしいと思って奥に進むと、奥には幾人もの倒れている人影が。皆、既に絶命しているようである。よく見るとそれはこの前廃ビルで対峙した者達と同じ様な服装をした者達であった。と、背後に気配を感じ振り向くと、そこに居たのは千春。
「…どうして、UGNはこんなむごい事をするの? …どうしてあっちゃんが私の居場所を奪うの?」
「ちーちゃん、どういう事なんだ? 僕たちは何もしていない!」
思わず反論する明日碼だったが、続く千春の言葉は3人に衝撃を与えた。
「…だって、これはUGNがした事だって奏介が言ってた! ………だガ、モうイイ。…とりアえズ、オ前タちハ殺ス」
言葉の途中で急に人が変わったようになる千春。そして戦闘開始。
因みにここの衝動判定後の時点で、既に明日碼の侵食率が100%をはるかに越えて立派にジャームの仲間入りをしていたのは秘密です。

戦闘用人格に切り替わった千春は押さえ込んでいたサラマンダーの力が解放され、紅蓮に燃える獣に。
千春はダメージがでかい上に命中すれば【転倒】させ更に対象が消火するまでダメージを与え続ける攻撃をセカンドアクションと合わせて毎ターン2回行ってくる。加えて、戦闘用人格と≪完全獣化≫と≪陽炎≫と≪ブレインコントロール≫を合わせてダイス30個、クリティカル7の回避を行ってくる。

初撃で狙われた明日碼を庇って括里が倒れる。すぐさま≪リザレクト≫を行うも、着火ダメージで再び倒れる。精密なゆかりの射撃も高速で移動する千春を捕らえきれず、なかなか攻撃を当てる事が出来ず苦戦。しかし、ついに明日碼の放った電磁加速された氷の花弁が千春を捕らえ、倒す。

≪燃える魂≫で意識を取り戻した千春だったが、もう戦う力は残っていない。
「…結局、最初から私に居場所なんて無かったのかなぁ…」
「そんなことは…」
「…ねぇ、あっちゃん、殺して。…私が私であるうちに。…もう、抑えきれないよ…」
「…うん」

これは、ある北の街で起こった、不器用な2人のオーヴァードの悲しい物語。




その後。
結局、この事件はFHの工作員だった枕木奏介が、オーヴァードの相互扶助グループをFHだと思わせてUGNと戦わせ共倒れを狙ったものであり、研究所の存在自体枕木奏介の虚言だった事が判明。彼は≪アニマルテイマー≫≪ハンドリング≫≪ナーブジャック≫を用いてUGNの支部長と相互扶助グループのリーダーを操りつつ、どちらにも所属して情報を与えていたのである。枕木奏介は直ちに拘束されたが、彼は末端の人材らしくFHのセルまでは辿り着けなかった。

というお話でした。

因にPCに情報収集担当が居なかった所為で後手後手に回る結果になってしまっていましたね。PCが情報収集判定に成功していれば奏助についても情報は出るはずだったり、最終ボスが千春ではなく奏助になったりする事も想定していたんですが。

それと、本当は奏介に辿り着いてうんたらかんたらのところまでやりたかったんですが、時間切れで演出のみに。残念です。GMとして時間配分が甘かった事は大いに反省すべきことですね。皆さんも最後のほうあわただしくさせてしまって申し訳ありませんでした。

お疲れ様でした。

ねこねこファンディスク4

当サークルはねこねこソフト様を応援しています。