こちらの記事に久しぶりにコメントを頂きました。
相変わらずの否定的なコメントでした。
映画のテーマが理解できてないだの、頭の中リセットしてから何度も鑑賞することをお勧めしますだの、散々な言われようでした。
ここまで言われて反論をしないという選択肢は自分にはないので、久しぶりに『ガタカ』についての考察をしてみたいと思います。
ただ、内容はこれまでに書いたものです。
なので、これまでの考察文をすべて読んだ、という方は読む必要はありません。
まぁそんな人はいないとは思いますが。
ジェロームはなぜ死んだのか?
という疑問の前にジェロームの死体を見つけるのは誰なのか?という疑問について考えてみたいと思います。
ジェロームの死体を見つけるのは誰なのか、だって?
作中示されてないんだからわかるはずないじゃないか、そう仰る方もいるかもしれませんが、可能性の問題として、想像力を働かせて考えてみます。
近所の住人が異臭に気づいて通報し、警察官が見つけるという可能性は十分考えられますよね。
その場合どうなるのか?
遺体からDNAが検出されればヴィンセントがジェロームに成りすましていたことがバレます。
地球に帰還したヴィンセントはDNA詐称の罪人として逮捕されることでしょう。
ジェロームは焼身自殺をしたのだからDNAが検出されるはずない!と主張する方もいるかもしれませんが、その認識は間違っています。
火葬場のようなところで長時間にわたって高温で焼くならともかく、単に焼却炉で焼いただけなら内臓などが生焼けのままの状態で残ることは十分あり得るので、DNAの採取は可能です。
しかしこれは可能性の問題なので、DNAの採取は出来なかったとします。
その場合は成りすましの件まではわかりませんが、住んでいたアパートメントの焼却炉から焼死体が見つかるのですから、地球に帰還したヴィンセントは第一級の殺人事件の容疑者としてやはり逮捕されます。
何を言っている、ジェロームは自殺だろう、そう仰る方もいるかもしれませんが、ジェロームの死が自殺だと知っているのは我々が観客だからです。
通常焼却炉の中に死体があって、それが自殺だと見抜ける人間はいません。
DNA詐称の罪人か、殺人事件の容疑者か、いずれにしろ、地球に帰還したヴィンセントを待ち受けるのは最悪の結末なのです。
いやいや、ジェロームの死体を見つけるのが第三者とは限らないだろう、ヴィンセントが見つけることになるかもしれないじゃないか、そう仰る方もいるでしょうが、それはより最悪な結末です。
焼却炉で変わり果てた友人の姿を見つけて、ヴィンセントが何を思うか、自分は想像したくありません。
このようにジェロームがアパートメントの焼却炉で焼身自殺することはヴィンセントに対して、多大なる迷惑をかける(可能性のある)行為なのです。
続きます。