goo blog サービス終了のお知らせ 

この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

果たして核シェルターは必要か?

2015-03-27 21:51:25 | 戯言
 こちらの記事によると世界の核シェルター普及率はスイスとイスラエルが100%であるのに対し、我が日本はというとわずかに0.02%だそうです。
 この絶望的ともいえる数字の差に、もっと日本でも核シェルター普及率を高めるべし!と声高に叫ぶ人もいるようです。
 自分はというと、核シェルター?そんなもの本当に必要なの?って懐疑的に思ってしまいますけどね。

 自分がなぜ核シェルターに対して懐疑的なのか、理由はもちろんあります。
 まず、、、そうですね、核シェルターの普及率がスイスとイスラエルでは“100%”だということです。
 えっと、何でもいいんですけど、我が国で100%普及しているものって何がありますか?
 携帯電話?自動車?パソコン?
 どれも高い普及率ではありますが、どれも100%には届きません。
 というのは嘘で携帯電話の普及率は平成25年度末で101.7%になり、すでに100%を超えています。
 いやぁ知らぬ間に携帯電話ってここまで普及していたのですね。
 しかしここに普及率のトリックがあります。
 あなたの周りにも携帯電話を持っていないという人は必ずいるはずです。主に子供や老人に、ですが。
 もちろん七十歳を過ぎた老人が携帯電話を使いこなしていたとしても決して珍しくはないでしょうが、同時に持っていないという人もよく見かけるはずです。
 にもかかわらず普及率が100%を超えているのはどういうことなのかというと単純に若い世代で二台、三台、もしくはそれ以上の携帯電話を所有する者がいるということです。
 携帯電話の普及率が100%(以上)であるということは、決して国民全員が携帯電話を所有しているという意味ではなく、普及台数(契約数)を総人口で割った割合にしかすぎません。
 同じことがスイスの核シェルター普及率についても言えます。
 スイスの核シェルター普及率とは、核シェルターの収容人数を総人口で割った割合のことです。ですから、スイスの核シェルター普及率は日本の携帯電話同様100%をはるかに越えます。

 だからどうしたっていうんだ、核シェルターの普及率が核シェルターの収容人数を総人口で割った割合だからどうしたっていうんだ、って言う人もいるかもしれませんが、慌てずに。
 ここでスイスの核シェルターがどういうものなのかに着目しましょう。
 私たち日本人がイメージする核シェルターってどんなものでしょうか?
 たぶん、残留放射線への対応が可能な、地下に設置された施設、こんなところじゃないでしょうか。
 言っておきますが、スイスの核シェルターはこんな立派なものじゃないですよ。
 こちらの記事を読む限りでは、実際スイスに住んでいた方の話によると、公共アパートの核シェルターは普段は物置きであり、地下倉庫なのだそうです。普段物置きとして使用しているスペースが非常時に核シェルターになるとは思えません。
 スイスの核シェルター普及率100%という割合はこうした核シェルターとして不適合な施設を核シェルターとして含めた上ではじき出した数字なのです。
 イスラエルの地下シェルター普及率も推して知るべし、と自分は考えます。

 スイスやイスラエルなど関係ない、現実に核戦争の危機が迫っているのだから、核シェルターは作られるべきなのだ!という意見の人もいるかもしれませんね。
 だが、これもどうなのだろうと自分は思わずにはいられません。
 言うまでもなく、核シェルターを充分に活用するためには必要なことがあります。
 それはいつ核ミサイルが飛んでくるか、という情報です。
 例え大金をはたいて高機能な核シェルターを設置したとしてもいつ核ミサイルが飛んでくるかを知らなければ、豚に真珠、猫に小判、とにかく無用の長物です。
 事前に核ミサイルをいつ飛ばすのか、知らせてくれるような親切な国ではない限り、その情報は必須です。
 しかし、、、某国から打ち上げられたとして、日本に届くまでどれぐらいかかるでしょう?たぶん五分もかからないですよね(実際はもっと短いはず)。
 五分後に核ミサイルが着弾すると思われます、それまでに安全なシェルターに退避してください、というアナウンスを聞いて、果たして核シェルターに逃げ込めるかどうかってことですよ。
 そりゃ自宅に立派な核シェルターを構えていて、着弾予測時に自宅にいれば逃げ込めるでしょう。でも自宅警備員でもない限り、二十四時間常に自宅にいるってわけではないわけなんですよ。仕事に行ってて、もしくは遊び、旅行、とにかく家から五分以上離れた場所にいたとしたら?
 大金を費やして核シェルターを作ったことを後悔するでしょうね、核ミサイルの熱波に吹き飛ばされながら。

 核シェルターなんていらないだろうと思う理由はまだまだありますが、最後に一つ。
 核シェルターよりも先に普及させるべきものがあると思うのです。
 例えば、自動車にアルコールチェッカーを装備する、とかね。
 核戦争は確実に起きるかどうかわかりません。そして実際起きたとしても核シェルターが役に立つかどうかもわかりません。たぶん役に立ちません。
 しかしすべての自動車にアルコールチェッカーを装備すれば飲酒運転は100%なくなります。当然飲酒運転による事故もなくなります。飲酒運転による事故で亡くなる人の数もゼロになります。
 自分の目にはどちらを優先すべきか明らかなんですけど、そうじゃないという人が多いから普及しないんでしょうね。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする