この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ある意味完璧な漫画、筒井哲也著『予告犯』。

2013-09-18 21:46:45 | 漫画・アニメ
 第一話の時点ですでに作者の頭の中に最終話までの構想がきっちりと練られている漫画が個人的に好きです。
 爆発的な人気を得て、やたら最終回が先に先に引き伸ばされる作品や、主人公が第一部、第二部、第三部、、、と代替わりをして、それこそサーガと化す作品も悪くはないんでしょうけれど、自分の好みではないんです。

 第一話の時点で最終話までの構想がきっちりと練られている漫画、長編で完結している作品では『鋼の錬金術師』が挙げられます。現在連載中の作品では『極黒のブリュンヒルデ』がそうですね。
 そしてこのたび完結した筒井哲也著『予告犯』(全三巻)もそれに該当します。

 構想が練られている作品の何が良いかといって、それは伏線の妙を存分に味わえることに尽きるでしょう。
 だらだらとキャラの人気だけで連載が続いている作品では味わえぬ、え?実はそういうことだったの?という驚き。読み返すたびに身震いします。

 『予告犯』の最終巻において、なぜ主人公たちがサイバーテロを仕掛けていたのか、その理由が明かされます。
 それは本当に、え?マジで?そんな理由で?と思わされるんですけど、一巻から読み返すときっちりとそのための伏線が張られてるんですよね。
 やられたなぁと心地よい敗北感に包まれます。

 重い作品ではあるので必ずしもお薦めではないのですが、たった三巻で完結しますし、たまには作者の手によって完璧にコントロールされた作品に触れてみるのも悪くはないんじゃないでしょうか。

このレビューだけではこの作品に手を出すべきかどうか決めかねるという方はまずこちらを読んでみるといいでしょう。『ダズハント』、史上最強のウェブコミックだと思っています。

この作品が面白ければ『マンホール』もお薦めです。やはり完璧にコントロールされた作品です。
コメント
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