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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ミレニアム2 火と戯れる女。

2010-01-20 22:48:11 | 読書
 スティーグ・ラーソン著、『ミレニアム2 火と戯れる女』、読了。市立図書館蔵書。


 面白かったです。
 前作『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』よりも自分の好みの作品でした。
 実在の、しかも存命の人物が、登場人物の一人として本来フィクションである物語の中で活躍する、というのは作者の新機軸のように思えました。
 ただ、残念ながら、完璧!!とまではいかなかったかな。

 本作でヒロインであるリスベットは殺人事件の重要参考人として指名手配されるのですが、その根拠は現場に残されていた拳銃から彼女の指紋が検出されたためです。
 自分は真犯人はどうやって拳銃に彼女の指紋を付着させたのだろう?そのトリックは?と興味津々読んでいったのですが、何のことはない、指紋は彼女がある人物の部屋を物色した際偶然付着したものでした(ですよね?)。
 自分の中のリスベット像は、誰かの部屋に侵入することがあっても、意図的なものを除いて、決して痕跡を残さないんだけどなぁ。もちろん指紋も含めて。
 そういったリスベット像を描いたのは自分だけですかね?
 それとも拳銃を素手で触れなければならない、何かしら特別な理由とか事情がありましたっけ?(一応読み返してみたんだけど、わからなかった)

 また、クライマックスにおいてリスベットは敵のアジトに単身乗り込むのですが、その際の装備があまりに軽少すぎるんですよね。
 怒りに燃え狂っていたのはわかるんだけど、例えば黒幕が国外逃亡を図ろうとして、復讐を遂げるための時間的な猶予が残されていなかった、という状況ならともかく、そうではないんだから、じっくり腰をすえて、綿密な計画を練って復讐を果たせばいいのに、と思いました。
 その気になれば最新鋭の武器をいくらでも購入出来るだけの資金があるんだしね。
 少なくとも、敵のアジトのセキュリティーを事前にろくにチェックしないというのは、コンピューターの天才たるリスベットらしくありません。

 拳銃に指紋が付着しているのも、装備が軽少すぎるのも、リスベットというキャラクターを半ば強引に危地に陥れようという書き手の演出が見て取れて、あんまり感心しませんでした。

 というふうに、重箱の隅を突付いてはいますが、「そんじょそこらのミステリ小説と比べたら遥かに面白い」(by小夏さん)のは間違いないんですけどね。笑。

 今から続く第三部『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』を読むのが楽しみです。
コメント (2)
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