ブログ 「ごまめの歯軋り」

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環境問題 丸山茂徳著 「科学者の9割は地球温暖化炭酸ガス犯人説はウソだと知っている」  宝島社新書

2008年09月05日 | 書評
地球は寒冷期を迎え、人口爆発で石油は枯渇する事態こそ文明の最大危機だ 第12回

第1章「地球温暖化」炭酸ガス犯人説のウソと「寒冷化」の予兆 (8)

さらに③火山活動である。雲が太陽光を反射して気温に影響するなら、火山活動によるエアロゾルの変化も考慮すべきだ。しかし中国の大気汚染による黒い粒子は太陽熱を吸収するので、どっちに転がるかは難しい予測になる。1991年のピナツボ火山噴火で硫酸200エアロゾルが増加して気温が4年間低下したことは記憶に新しい。しかし火山エアロゾルが成層圏まで達する事が必要で、こんな大きな火山爆発の予測は出来ない。

④のミランコビッチの周期も予測は難しい。公転軌道の揺らぎによって太陽との距離が増減して、10万年周期と40万年周期の周期的な日射量の変化が生じる。これをミランコビッチの周期という。また歳差運動(独楽運動の自転軸の変動)によって陸の多い北半球と海の多い南半球への日射量の比率が4万年周期で変化する。こんな長い周期の変化はICPPの予測計算に組み入れる事は不可能である。ティーデマンらは1990年に、過去40万年間の深海堆積物の有孔虫化石の酸素同位体比分析から予測される気温変化を報告した。10万年周期で現在の気温をゼロとすると+4℃から-8℃まで変化していた。21世紀は最高の気温状態から既に気温低下期に入っているようだ。


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