ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

群馬高齢者施設火災事故  現代姥捨て山の悲劇 

2009年03月22日 | 時事問題
朝日新聞 2009年3月22日3時1分
進まぬ身元確認、入所者の孤独浮き彫り 高齢者施設火災
 群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」で19日夜に起きた火災で、21日夜までに10人の入所者が亡くなった。入所者の名前はすべてわかっているが、親族に連絡が取れない人も多く、遺体が誰なのかを確認する作業が進んでいない。その遅れの背景には、入所者の孤独な境遇が浮かび上がる。
 「たまゆら」に15人の生活保護受給者を紹介した東京都墨田区。20日に同区の担当ケースワーカーが親族に連絡を取ったところ、ある親族から返ってきたのは怒声だったという。「何で電話したんだ。縁を切ったのに」。もともと身寄りのない人の場合は、連絡すら取れない。その後、親族への連絡は、署側に任せたという。

東京都の区役所福祉課は、生活保護老人の姥捨て山として格安施設を利用 
哀れ 生活保護と老人福祉の狭間 老人を捨てた家族は損害賠償を請求するなよ!

読書ノート 戦国時代の戦記文学

2009年03月22日 | 書評
大和田哲夫著 「甲陽軍鑑入門」 角川ソフィア文庫 第5回

「甲陽軍鑑」本編・末書の構成と内容 (3)

 「甲陽軍鑑」の補足書である末書は上下合わせて4卷で、その執筆者は本編と同じく高坂弾正が殆どを書いて、大蔵彦十郎と春日惣次郎の二人が書き継いだと考えられる。ただ大蔵彦十郎の名前が文章に見えないことから、春日惣次郎だけが関係していたのかもしれない。末書上巻は19章からなり、アトランダムなメモであって、時代順に編集されてはいない。「信玄公五つの御作法」では領国経営、家来抜擢法などが示されている。何事も謀は秘密で相談するのは家老職5名、聞かせるのは譜代大名の5名に限る、叉家来の忠節・功のある者には優遇し報いる、部下の云うことを鵜呑みにしないで何度も確認する事などが書いてある。「甲州流城取りの事」では、城を築く地形、縄張り、かざし、蔀という遮蔽物や馬だしのことが書かれている。

 末書下巻は本編の補足と云う性格が強い。下巻上は9目録17章で構成される。「信虎公、信玄公を憎む」とか「信玄公なされそこない」という信玄の失敗談もある。失策も隠さず記しておく態度も見られる。下巻中には9目録29章からなる。武人のあるべき姿を「弓矢かたぎ」に論述している。飯富兵部を成敗した理由として、父信虎の4家老(甘利、板垣、小山田、飯富)のうち飯富を除く3人は討ち死にして残ったのは飯富のみと云う状況で、おごりと主である信玄へのけじめが不明瞭になったことであろう。信玄にとって父以来の家老飯富が煙たくなったのである。「弓矢かたぎ」には上杉謙信、織田信長、武田勝頼、武田信玄らを取り上げて評論した。下巻下は9目録62章からなる。ここには武田の軍法のメモが書かれ、武田流兵法の教科書として格好の卷である。戦さの時の侍の階級の定めなどである。
(続く)


医療問題 「現場からの医療改革レポート」  Japan Mail Media

2009年03月22日 | 書評
絶望の中の希望ー医師は「医療崩壊」の現状をネットに訴える 第48回

読者投稿欄:周産期医療について(2008年11月16日) 産業医科大学 八幡勝也 ほか 匿名者 


1.産業医科大学産業生態科学研究所作業病態学 八幡勝也
 周産期医療体制にとって地域医療連携が重要な事は云うまでもないが、地域の特性に応じた体制は全く異なるものである。現場は生きているので行政が作成した救急確認システムは無力になりやすい。そこで提案であるが、大都市では医療機関向けの救急コールセンターを設置し、携帯メールで対応可能な医療機関を探す方法である。つまり現場の医療機関が自ら対応可能な個別の医療機関を差gス時間の無駄が防げるし、正確な医療情報が把握できる。
2.匿名希望
 産婦人科病院医師からの投稿である。現場の医師には患者を選ぶ自由はないので、最近問題点が俎上に載せられたのは喜ばしい。マスコミのネガティーブイメージのあおりは自粛してほしいが、産科学会の理事に女性がいないのは、ジェンダーバイアスでまずい事だ。また医学部定員が増員されても教師が増員されていないので負担が増すばかりである。常勤事務職が激減したので、ドクターに負担がかかり書類作りに追われる毎日である。予算配慮と教員増員、教育への正当な評価をお願いしたい。
(続く)

自作漢詩 「春日垂釣」

2009年03月22日 | 漢詩・自由詩
晴江春水一悠     晴江春水 一に悠悠

論弁詩書百事     論弁詩書 百事休す

花下草氈惟酒盞     花下草氈に 惟だ酒盞 

碧流垂糸獨漁     碧流に糸を垂る 獨漁の舟

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(赤い字は韻:十一尤 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)