ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

泥棒に追い銭 アメリカに指示されるいわれはない 欧州のほうが正しい

2009年03月16日 | 時事問題
朝日新聞 2009年3月15日1時26分
「あらゆる行動」G20財務相会議一致 数値目標はなし
 【ホーシャム(ロンドン郊外)=山口博敬】主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議は14日午後(日本時間15日未明)、「経済成長が回復するまであらゆる必要な行動をとる用意がある」との共同声明を採択して閉幕した。財政による景気刺激を「成長と雇用に死活的に重要」と強調。ただ、米国が求めてきた景気対策の規模の数値目標は盛り込まなかった。
 米国は国内総生産(GDP)の2%の財政出動を各国に呼びかけていたが、数値目標に触れるのは見送った。まずは、すでに各国が表明した景気対策を早急に実施し、金融政策でも現在の金融緩和を必要な限り継続する。

日本はアメリカに追随 欧州はアメリカの指示には従わぬ アメリカのグローバル金融資本の失敗の尻拭いを、アメリカに指示されるいわれはない。

WBC 日本 キューバに快勝 とらぬ狸の皮算用を始めようか

2009年03月16日 | 時事問題
朝日新聞 2009年3月16日8時47分
日本、キューバに6-0で快勝 WBC
 野球の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は15日(日本時間16日)、第2ラウンド1組が米サンディエゴで開幕し、日本(1次ラウンドA組2位)はキューバ(同B組1位)に6―0で快勝した。 写真はチャプマン

 日本は3回、キューバ先発の164キロ左腕・チャプマンを攻略した。城島(マリナーズ)、岩村(レイズ)、片岡(西)の安打で1死満塁とし、相手の暴投で1点。さらに青木(ヤ)の右前適時打と村田(横)の左犠飛で計3点を先行した。日本は4回にも1死一、三塁からイチロー(マリナーズ)の二ゴロで1点。5回には内川(横)の中前安打で1点を加え、5―0とリードを広げた。9回にも村田の適時打でだめ押し。


環境問題 モード・バーロウ、トニー・クラーク著  「水戦争の世紀」  集英社新書

2009年03月16日 | 書評
水資源は共有財産であって商品ではない 第16回 最終回

第3部:水資源(共有財産)を守るため (2)

 先進国の社会はこれまで、無制限な成長モデルや大量消費経済のもとで進んできた。世銀やIMFを味方につけた多国籍水企業は淡水が商売になると見込んで利潤追求に走り始めた。多国籍水企業は利益が最優先するとばかりに、環境規制緩和や水質保全基準撤廃を求めてロビー活動を行い、政府にまで影響力を及ぼそうとしている。そこでこれらの動きに対してどういう論拠で反対するというのだろうか。著者らは反グローバリゼーション政治活動家であるから、政治的なスローガン(御題目)が並らぶことになる。
水に関する五つの倫理的な論拠を整理する。
1、水はコモンズ(共有財産)である。生命維持に無条件に重要である。
2、水はスチュワードシップ(資源管理)しなければならない。自然との共役関係。
3、水へのアクセスは平等である。格差なく分配されなければならない。
4、水は普遍性がある。お金で価値付けをしてはならない。
5、水は平和である。全人類が団結して取り組むべき課題である。

水資源を回復させる対話の出発点として、10原則を紹介する。
1、水は地球と全生物種のものである。
2、水はできるだけ元の場所から動かさない。
3、つねに水の保全を呼びかける。
4、汚染された水の再生を図る。
5、自然の集水域こそ、水を最もよく守ってくれる。
6、水は政府のあらゆるレベルで保護すべき公共神託財である。
7、クリーンな水へのアクセスは基本的人権である。
8、地域社会と住民こそ、水の最良の保護者である。
9、市民と政府は対等のパート-ナーとして水の保護にあたらなければならない。
10、経済のグローバリズム政策によって水の持続的発展は望めない。
今流行の安全保障という概念で整理すると、水の安全保障のための10か条
1、水のライフライン憲法を普及させる。
2、地域の水共同管理評議会を設立する。
3、水資源国家保護法を制定する。
4、水の商取引を禁止する。
5、脱ダム運動を支持する。
6、IMFと世銀に対抗する。
7、巨大水企業と対決する。
8、グローバルな公平性を呼びかける。
9、水コモンズ決議案を推進する。
10、世界水条約を支持する。
このようなお題目を並べてもどれだけ効果があるのかは知らないが、第3世界の権利擁護運動には役に立つのだろうか。このような運動をすることがどのような勢力の役に立っているのだろうか。反対勢力に利用されているだけではないだろうか。グローバリズムの世界資本の動きは常に注目しなければならないが、反グローバリズムの政治運動の真の狙い(第3の選択肢が不明なだけ)はどこにあるのかも、同時に慎重に考察してゆかなければ、片手落ちになりかねない。
(完)