アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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日米共同会見・「東京五輪支持は無責任」と外国人記者

2021年04月18日 | 日米安保・軍事同盟と政治・社会

    

 日米首脳会談後の17日午前6時5分(日本時間)から行われた菅義偉首相とバイデン大統領の共同記者会見は、東京五輪(オリ・パラ)に対する日本の政府とメディアの異常さを露呈しました。

 最初に発言したバイデン氏は、「東京五輪」については何も触れませんでした。これに対し菅氏は、「この夏の東京五輪」を「世界の団結の象徴」だとし、「バイデン大統領から支持を改めて表明してもらった」と強調しました。

 バイデン氏の冷めた姿勢に対し、「復興の証」から「コロナに打ち勝った証」、そして今度は「世界の団結の象徴」と次々にスローガンを変えるご都合主義で五輪開催にしがみつく菅氏の姿勢は際立っていました。

 菅氏だけではありません。記者からの質問は外国メディアが2社、日本は産経新聞と共同通信の2社でした。産経の記者は「台湾」「ウィグル」に関連して菅氏から反中国の言質を引き出そうとするものでした。そして共同の記者は、バイデン氏が「東京五輪を支持する」と表明したとする菅氏に対し、「選手団派遣はどうか」と「支持」の内容を確認するものでした。

 これに対し菅氏は、「世界の団結の象徴」「支持をえた」と繰り返すだけで、選手団の派遣を含めバイデン氏が具体的にどのような「支持」を表明したのかは答えませんでした。

 一方、外国メディアはどうか。ロイター通信の記者は、バイデン氏に対し、「(コロナ対策の)公衆衛生の状況からして、東京五輪への支持は無責任ではないか」とただしたのです。これが世界の常識的な見方ではないでしょうか。政権の発表を鵜呑みにするのでなく、批判的視点から質問・追及する姿勢は日本のメディアと対照的でした。
 バイデン氏はこの質問にはまったく答えませんでした。

 日本ではNHKが17日未明から生中継で首脳会談・共同会見のもようを流し、「バイデン大統領が東京五輪を支持」と述べた菅氏の発言を繰り返し報じました。

 コロナ禍の中、日米軍事同盟の強化とリンクさせて東京五輪をあくまでも強行しようとしている菅政権とそれに追随する日本のメディア。それがいかに国際的常識からかけ離れた異常なことであるかを改めて露呈した共同会見でした。

「日曜日記」は来週書きます。

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