アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「安倍昭恵名誉校長」の驚くべき講演内容

2017年02月28日 | 安倍政権と民主主義

     

 安倍晋三首相の妻・昭恵氏は、森友学園(籠池泰典理事長=日本会議大阪運営委員)が4月に開校する予定の小学校(瑞穂の國小學院)の名誉校長に就任していましたが、国会やメディアの追及を受けて辞任しました(24日)。
 その昭恵氏が、名誉校長就任直後の2015年9月に、同学園が経営する塚本幼稚園(大阪市、籠池園長)で講演した映像(テレビ東京系列独占)があります。
 5分余のものですが、昭恵氏の講演部分と、そのあとにあいさつした籠池氏の話の一部を、映像から起こして紹介します(写真はいずれも同映像から)

 ◆安倍昭恵氏

 
籠池園長、副園長のほんとうに熱い熱い思いを何度も聞かせていただいて、この「瑞穂の國記念小學院」で何か私もお役に立てればいいなと…。

 こちらの教育方針はたいへん、主人(安倍首相)も素晴らしいというふうに思っていて、(籠池)先生からは「安倍晋三記念小学校」という名前にしたいと、当初は言っていただいていたのですけれど、主人が「総理大臣というのはいつもいつもいいわけではなくて、ときには批判にさらされているときもある。もし名前を付けていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい」と…。

 この幼稚園でやっていることはほんとうに素晴らしいのですけれど、それがこの幼稚園が終わってしまって普通の公立の学校に行くと、普通の公立の学校の教育を受ける。せっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものがまた(公立)学校に入った途端に揺らいでしまう。

 ◆籠池泰典氏

 
いま、安倍昭恵先生に「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長になっていただいたことを報告します。拍手してください。

 「瑞穂の國安倍晋三記念小學院」と銘打たせていただく予定でございましたけれど、いま名誉校長(昭恵氏)におっしゃっていただいた趣旨で、「瑞穂の國記念小學院」という名前におさまっております。

 瑞穂の國、日本の國を支えていく人材づくりを目指してまいりました。
 天皇陛下から申しますと、悪い人もいい人も赤子です。みな(天皇の)子どもなんですみなさん方の子どもさんは選ばれた子ともたちです

 短い抜粋ですが、重大なことがいくつも含まれています。
 ①昭恵氏は籠池氏と繰り返し接触し、新しい小学校の開設に自ら役に立ちたいと考えていた(たんなる名前貸しではない)。
 ②昭恵氏とともに安倍首相も籠池氏の「教育方針」を「素晴らしい」と賛美していた。
 ③「安倍晋三小学校」という名称を全面的に拒否したわけではなく、首相を「辞めてから」にしてほしいと伝えていた。
 ④昭恵氏は塚本幼稚園の教育を絶賛し、公立学校ではそこでできた「芯」が「揺らいでしまう」と、教育基本法に基づく公教育を否定していた。
 ⑤籠池氏の「教育方針」とは園児を「天皇の赤子」とみなし「瑞穂の國を支える人材」をつくること。

 塚本幼稚園は園児に「教育勅語」を日常的に唱和させるほか、運動会で「安倍首相がんばれ」「安保法制、国会通過よかったです」などと叫ばせていたことが問題になっています。
 「天皇の赤子」発言は、戦前の「教育勅語」を「教育」の中心に据えるという森友学園(籠池氏)の皇国史観をはっきり示しています。

 安倍首相と昭恵氏は、こうした籠池氏の「教育方針」を「素晴らしい」と絶賛していたのです。憲法(その教育版としての教育基本法)尊重擁護義務(憲法第99条)がある公人中の公人である首相、および首相夫人としての責任・資格があらためて問われます。

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