読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

増山実「甘夏とオリオン」~女の甘夏が落語で男を見せられるか?師匠に教わった無知は罪~

2021-06-14 03:28:10 | 

増山実「甘夏とオリオン」読み終わりました。



オリオン座を知らない事は

落語には関係ないのでは?


そういう甘夏を

師匠は


「ドアホ!」


と怒鳴りつける。



無知は罪


そういう。


そして


「甘夏、おまえは女や。女が男を演じて、男が見える。

 男に見えるんやない。男が見えるんや。そんな落語をやってみい」


甘夏の心に響いた師匠の言葉



それが甘夏を支えていった。



師匠がいなくなってからもずっと。



師匠が消えた



寄席に姿を現さず・・


その後行方知れずに。。



残された3人の弟子たちは途方に暮れる


一番弟子の「小夏」

二番弟子の「若夏」


そして


三番弟子の「甘夏」


3人はいつか帰るはずだと


夏之助師匠を待ち続ける。



男社会の落語に

女を受け付けない空気がある。


それを師匠がいなくなったことで

さらに強く感じる。


男が女を演じる


女が男を演じる


その違いは何なのか?



壁にぶち当たりながらも


懸命に女を超えようとする甘夏


その胸にはいつも師匠の言葉があった



師匠と一緒に見上げたあの日の夜空


そこに輝いていた


オリオン座



師匠がいた時以上に


その情景は強く心に刻まれていく



女に入れあげ落語の腕を上げた小夏


自分の境遇に蓋をしてきた若夏


それぞれが師匠の教えを胸に


成長していく



見ていると声援を送りたくなる



そして

生で落語を聞いているような気持ちになる



奥深い落語の世界を見た気がした。



後継者を育てていこうとする竹之丞の姿にも感動


長い年月をかけて

こうやって受け継がれていく。


素敵だなぁって思った



これから落語を聞くとき


この面白さの中には


たくさんの汗と涙の努力が詰まってるんだよなぁ


そう思うだろう。


どんな道もそれを極めるのは並大抵の努力ではない。


でも好きな事なら頑張れるんだよね。


オリオン座を見たら


甘夏を思い出すようになるのかな。



これからは








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