山口恵以子「食堂のおばちゃん8 あなたとオムライス」読み終わりました。
あなたは誰かと食べた食の思い出はありますか?
私はいろいろありすぎます
その味はもちろん
一緒に食べた大切な人との思い出も
食で思い出すことがあります。
今回のお話は
そんな自分自身のことも振り返らせるような
食の思い出が出てきますよ
年齢を重ねると、食べ物は想い出と分かちがたく
結びついてゆく。それを食べた時の出来事や人の顔が次々と蘇ってくる。
そう、池波正太郎も言っていたようです。
それを二三が自分も実感するようになったと語る。
はじめ食堂の常連の「後藤」が語る
妻との思い出のオムライス
あまり語らない後藤がその思い出を語る。
そして・・
後藤はその思い出とともに旅立つ
誰と食べたかによって
その食べ物が高級でなくても
最高の味になる
私も昔はそれに気づかずにいた。
齢を重ねるごとに分かってくること
そういうことってあるよね。
著者の山口さんもきっとそういうご自分の思いが
この小説にも反映されているのでは?
そんなことを思い親しみがわきます
そして
今回今まさにみんなが戦っている
新型コロナウイルス
これについても小説中に出てきます。
一子の言葉が胸にしみます。
落ちるだけ落ちたら上がるしかない。
絶対に良くなっていく。
年齢を重ねた人の重みのある言葉
勇気と希望をもらいました
日々進化していくはじめ食堂
万里の腕も確実に上がっていて
今や多国籍料理店になりつつあるはじめ食堂
でも心意気は昔と変わらない。
いつもお客さんのため心血を注ぐ
そしていつも変わらぬ笑顔で迎えてくれる二三・一子・万里
温かくて優しい料理たち
今回はメキシコ料理も登場します
そして
常連の康平と瑠美が・・
巻末には小説中に出てきた料理のレシピ付き
大根と貝柱のサラダ
なつかしいなぁ~
私が大切な人に作った料理なんだよねぇ~。
また作ってみよう
あなたは誰と何を食べた思い出がありますか?
そんな思い出に浸るきっかけになってくれる
心温まる1冊です
続きがまた楽しみ