読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

森沢明夫「エミリの小さな包丁」~傷心のエミリを救ったのは、小さな包丁と無口な祖父の作った温かい料理だった☆~

2020-01-16 03:01:47 | 
森沢明夫「エミリの小さな包丁」読み終わりました。


森沢さんの作品は

いつも読み終わると温かい気持ちになります。


この作品もその通りでした


いつもいい気分でいられる極意


それを今回の作品でもいただきました



世界は変えられなくても、気分は変えられる



あ~本当にそうだなって納得



実際に森沢さんの作品で


私は心持を少し変えることが出来た



考え方ひとつで


こんなにも見える景色が違ってくることを知った




傷心のエミリもまた


同じように


おじいちゃんの言葉で変わっていく



職も住むところもなくしたエミリ



離婚した両親には頼れない


そんな時兄から「おじいちゃんのところへ行けば」


そう言われ


15年音信不通だった母方の祖父に連絡を取る


そっけないが


エミリを受け入れてくれることになった祖父



祖父の住む


小さな漁師町「龍浦」



特に何もない田舎町



そう思っていたエミリ



しかし!


そこにはたくさんの大切なものが



無口でそっけないおじいちゃんが


作ってくれる料理


それは


小さな包丁から生まれる


温かい料理だった



何も聞かず


ただ一緒にいて


一緒に囲む食卓



エミリは


初めて「家庭の味」を味わう



そして


小さな包丁はエミリに託される



おじいちゃんが大事にしている包丁



それをエミリへ



そこには



おじいちゃんの



愛情が詰まっていた




エミリの傷心の理由が明らかになってしまい


エミリが黒い噂に負けそうになったとき


おじいちゃんがエミリに言ってくれたこと




龍浦の「裏」って、どんな意味があると思う?


「浦」は心を意味する言葉なんだよ


古から日本人は、外洋に面した荒々しい海よりも、


穏やかな内湾の景色にこそ詫び寂びがあり、


美しいものとしてきたらしい。


概要は外側だから「表」で、内湾は「裏」。


つまり「裏」が「浦」となったのだ。


さらに日本人は


外見を「表」とし


内面を「うら」とした。」




「裏」を「心」に置き換えても意味が通じる


「うらやましい」は「心がやましい」


「裏切る」は「心を切る」


「裏読み」は、本当の「心を読む」ことを言う。



心=裏=浦=美しいもの


「心=美」となる



心が美しく保たれていること


その状態がいちばん自然で、気分がいい状態




その言葉で



エミリは気づく



いい気分でいるためには、心をきれいにしておくこと


なんだと。




「自分の存在価値と、自分の人生の価値は自分で決める」



そう言った祖父




エミリはこの町で


磨かれていく



お調子者の心平


恋心を抱いた直斗


女として憧れた京香



そして


不愛想だけど優しい鉄平やフミ



町の人たちとの付き合いで学んだもの



エミリは自分の失敗を受け入れることで


胸を張れるようになる



おじいちゃんの作る風鈴が


なぜあんな綺麗な音色なのか?



それは


おじいちゃんの心の音だから



風鈴の音とおじいちゃんの優しさが


エミリの背中を押してくれる



そして


受け継がれる小さな包丁



エミリが毎日磨き


料理を教わったその包丁



それには


エミリの知らなかった過去が隠れていた



サワラのマーマレード焼きに込められた母の思い



エミリ頑張れーっ



読んでいると声をかけたくなる。



私も頑張らなくちゃ!


そう思える作品でした










  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする