つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

手作りの封筒に思うこと

2018年11月27日 | 日記・エッセイ・コラム


昨日、こんなお土産を頂戴致しました。

当店の大津絵をお求め頂いたご縁に始まり、今では私のお便りの趣味に1番のご理解、またそれを支えてくださる大切なお客様がお持ちくださいました。

時々私はこのお客様に、美術館さんから頂いた展覧会のポスターをお渡しすることがあります。

すると「こんなに良い紙にこんなに高い技術で印刷をされたポスターを捨ててしまうのは勿体ない」とおっしゃられて、素敵な絵葉書や封筒をお作りくださるのです。


今回は愛知県美術館さんで開かれた長沢蘆雪のポスターを1番気に入ってくださり、そのポスターで大きな封筒をお作りくださいました。そして、わざわざ和歌山県からお取り寄せくださった蘆雪に因んだお菓子とともにお届けくださったのです。


お菓子は立派な最中でした。


封筒は



裏はこうなっています。







他にもマチスや安井、有元のポスター、綺麗なカレンダーの図柄を切り取って、こんなに沢山の封筒や絵葉書をお作りくださいました。



私はこういう物を眺めたり、使わせて頂くのが大好きです。


このお客様は長く国語の先生を務められ、60代後半に入られてからは教師を目指される大学生の皆さんにそのご経験をお伝えになったとお聞きしています。



篆刻も大変お上手で、雑誌に投稿されていらした短い文章ともに先日「線香花火」という小冊子も発行されました。


その冊子をお送りくださった封筒に入っていたご挨拶に次の短い文章がありました。

タイトルを「線香花火」としました。
広辞苑の「一時的で、すぐに勢いのなくなるもののたとえ」という説明もそのまま自分に当てはまり、笑えます。










手花火の終わりをなほも手離さず 庄山章信



自ら火を灯しては、その手花火の終わりを味わい、哀しむ。


人はその繰り返しの中に一生を終えていくようにさえ感じます。


こうして優しい、温かなお心でお作り頂いた封筒やハガキに、私の拙い文章を添えて皆様にお届けできれば良いと思っています。

少し先になるかもしれませんが、「あぁ、この封筒は。。」とお分かりいただけましたら、幸せです。
















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