つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

鳥海青児 4号 夕のベニス

2021年05月22日 | 鳥海青児
今日の名古屋は晴れました!  ので、、おかげさまでお客様もご来店くださいました。


今回新しくご紹介いたします作品のうち、皆様のご興味の「順」を考えますと、次は鳥海青児の作品を取り上げるべきか?と考えました。





鳥海青児の作品については、いつも「これより上のレベルの作品にはそうそう出会わないだろうから、扱わせていただくのをこれで最後になるだろう」と2人で話し合うのです。

けれど、やはり時々ポツンと目の前に現れてしまう。そして求めてしまいます。








それは一つに私たち2人の誤解があるからかもしれないと今日気づきました。




鳥海青児の作品の特徴はそのマチエールにあると言われています。

簡単に言うと、ゴツゴツとした絵肌がこの画家の作品の持ち味だということです。

長くこの仕事をさせていただき、出会った鳥海作品は多くあります。初期作品から晩年の制作まで、また内容もピカドール、花、風景。。と色々です。けれど、私たちは特別鳥海のこのゴツゴツ感を好んできたわけではありません。






今日この画集を見ていると、鳥海自身の言葉を幾つか見つけることができました。

「マチエールを狙って描いているわけではない、マチエールは『色』を求めた結果だ」というのですね。


なるほど〜色かぁ〜





鳥海青児の作品は初期の作品に人気があり、価格も上がります。

その理由を、日本人の好むルオー調の作品であるからかもしれないと佐橋も申しますが、やはり、それは色のバランスに理由があるように私には感じられます。


特に、ベニス風景には生活感のある暗い色調に、時々の赤や青がとても美しく、効果的に映えます。





特に、この鳥海の作品は今まで扱わせていただいた作品の中でも群を抜いて魅力的です。

一つに縦構図であるということ。そして、白とは決して言えませんが、黄色味がかったハイライトが所どころに効いていること。

板という画材の面白みが、4号の小さな画面の中に十分に生かされています。


ニスの関係でどうしても画像におさめにくくなってしまいますが、鳥海作品のご紹介は今回この程度でお許しいただこうと存じます。

また後日、店内の色々な場所に飾ることができますときに、画像をご紹介いたします。



鳥海青児  板・油彩 「夕のベニス」 33.1×23.8㎝(約4号) 東京美術倶楽部鑑定書











コメント
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