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シリア流血阻止のため4か国サミットがイスタンブルで開催

2018年10月29日 | 国際
10月29日 トルコ、ロシア、ドイツ、フランスの首脳が、シリアの流血を早急に終わらせるための決定を発表しました。

 Hurriyet
左からドイツのメルケル首相、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領、フランスのマクロン大統領。イスタンブルで行われたシリア・サミットで


イスタンブルで開催されたシリア・サミット後、トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領とともに、共同記者会見を開き、シリア危機の持続的解決のために力を合わせて努力するよう国際社会に訴えました。

「われわれはシリア国民の正当な要求に従って、政治的解決を話し合った」と、エルドアン大統領は記者団に語りました。「われわれの目標は、休戦を完全なものにし、流血を止めることにある」と大統領は言い、4か国は国際レベルで、この問題について、さらに協力することで合意したと付言しました。

首脳らはまた、今年末までにシリアの憲法を設定するために、憲法委員会を結成することを要請しました。委員会は、2011年以来、破壊的な内戦がつづいてきたシリアに、包括的で公平な選挙への道を用意することになります。

アサドの今後
シリアのバシャル・アルアサドの未来に関して、エルドアン大統領はトルコのスタンスをくり返し、彼の今後は、何人かの“個人”でなく、シリア国民が決めるべきだと力説しました。エルドアン大統領は、サミットは“建設的”で“誠意ある”ものだったと述べ、シリアの人々の苦悩を緩和するために、人道主義的支援はつづけるということで合意したと言いました。

シリア市民と近隣諸国 ー とくにトルコ、レバノン、ヨルダンは、長い間、シリア危機から生じる苦しみの重荷を負わされてきたと、エルドアン大統領は言いました。トルコはシリア内戦が始まって以来、350万人のシリア人を受け入れていますが、これは難民受け入れ国として世界のトップです。シリア紛争が世界的脅威になった主な理由は、国際社会が適切に対応しなかったからだと、エルドアン大統領は言いました。

国際社会は無関心を止めるべきだ
エルドアン大統領は国際社会に、紛争に関して“無関心を止める”よう勧告し、政治的解決法を見つけ、シリアの状況を改善するための国際的支援を呼びかけました。

エルドアン大統領はまた、アスタナ平和プロセスに言及し、フランスとドイツがアスタナ平和プロセスに参加すれば、シリア問題解決のための共同作業がさらに進展するだろうと言いました。トルコとロシアとイランがまとめたアスタナ平和プロセスは、休戦を推進し、イドリブに非武装地帯を設立しました。エルドアン大統領は、アスタナプロセスの保障国のひとつであるイランには、イスタンブル・サミットの決定について説明すると言いました。

「シリア紛争に関するアスタナ平和プロセスは、国際社会への範として結成された」とエルドアン大統領は言いました。「われわれはシリア平和交渉に関して、国際レベルでの協力を強化することで合意した」

ユーフラテスの東の対テロ作戦
エルドン大統領はまた、北シリア国境沿いからテロリストを排除するためのトルコの努力に関して、ユーフラテス川の東での対テロ作戦のトルコの決意をくり返しました。「わが国はユーフラテスの東とシリア西部からの、トルコの治安に対する脅威を排除しつづける」と大統領は言い、2016年からのトルコのシリアへの越境作戦 ー 「ユーフラテスの盾作戦」と「オリーブの枝作戦」ー に言及しました。これら作戦はPKK/PYD/YPG/イスラム国(ISIL)のようなテロリスト集団をこのエリアから排除するのが目的でした。

カショギ氏事件
シリア・サミットで、エルドアン大統領は、別件として、3か国首脳と、サウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏殺害事件について話し合いました。エルドアン大統領は、10月2日、サウジ領事館に入った後、行方不明になったワシントン・ポストのコラムニスト殺害の捜査に関して、プーチン大統領、メルケル首相、マクロン大統領に“必要な情報”を提供しました。

サウジ当局は何日も否定しつづけた後、先週、カショギ氏が領事館内で殺害されたことを認めました。トルコ警察によれば、カショギ氏が消えた日、公務員を含む15人のサウジ人が2機の飛行機でイスタンブルに到着し、領事館に入りました。サウジ当局はこのケースで18人の容疑者を逮捕しました。トルコは容疑者らを裁判のためにトルコに引き渡すべきだと言っています。

ドイツのメルケル首相はこの件に関して“必要な対策”をとると誓い、フランスのマクロン大統領は対応として制裁を求めました。


南北キプロス首脳が検問所の新設で合意したが、平和交渉は進まず

分断された島キプロスの両首脳が、平和交渉が暗礁に乗り上げている中で、10月26日、南北を分ているライン沿いに検問所を増設することで合意し、協力の調印をしました。

 Hurriyet

トルコ・キプロスのムスタファ・アクンジュ大統領とギリシャ・キプロスのニコス・アナスタシアデス大統領は、6か月ぶりに顔を合わせましたが、昨年、挫折した平和交渉の再開の話は出ませんでした。両首脳は、10月26日朝、島の国連用地で行われた会談後、“率直に意見を交換した”と、共同声明で言いました。

アクンジュ大統領とアナスタスアデス大統領は、検問所を島の西部にひとつ、東部にひとつ、新たに設置することで合意しました。出入ポイントは11月12日にオープンされることになりました。2003年に最初のポイントが設置されるまで、何十年間も引き離されていた人々の相互交流がより容易になるでしょう。現在は、キプロスを南北に分けている180キロの休戦ライン沿いに、7つの検問所が点在し、国連の平和維持部隊がパトロールしています。

「いままで討議されてきたことをベースにして、双方に、平和と安定のために協力する意志がある」と、アナスタシアデス大統領は、会談後、大統領邸に帰って言いました。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、今週、安全保障理事会に出した報告書で、「キプロス問題が包括的に解決する見込みは“まだ残っている”。話し合いを再開する道を用意する」と語りました。

キプロス島は、ギリシャが引き起こしたクーデターが引き金となって、トルコが介入し、分断されたままです。2017年7月、国連主導でスイスで行なわれた平和交渉は決着を見ませんでした。

現在は、ギリシャ・キプロスが、島の沖合で、一方的に天然資ガスと石油の探索を始めたため、NATOの同盟国同士であるギリシャとトルコの緊張が高まっています。


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