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コーランを選択科目にする教育法案が反論渦巻く国会を通過

2012年03月31日 | 国内
3月31日 長く論議の的になっていた法案が、国会の反対派と街頭の反対デモの中、議会を通過しました。
新法案は教育システムを基礎から見なおし、中学・高校でコーランを選択コースとして導入するというものです。

 Hurriyet
国会で法案の通過を拍手で歓迎する与党・公正発展党(AKP)の議員たち

政権政党・AKPは、反対派議員と街頭の反対デモをものともせず、強引にこの新法案を通過させました。
オメル・ディンチェル教育相は、国民と国家を統一する“歴史的第一歩”として声を上げ、AKPの議員たちが拍手で応じました。

3月30日、最大野党・共和人民党(CHP)の議員たちは、この法案を討論中、席を立ち、議場は緊張しました。
反対派議員たちは議場を去るまえに、「堕落したAKPを告発する」「世俗主義こそ民主主義を守るものだ」と書いたバナーを掲げました。

学生たちからその意志に反してコーランを取り上げることはだれにもできないと、エルドアン首相は言いました。
「わが国民は選択コースとしてコーランと預言者の生涯を学ぶことを望んでいる。なぜ反対派はそれを邪魔するのか?」

法案に反対するデモの参加者が警察に逮捕されたことについて、「不法な集会を阻止するのは警察の仕事だ」と、首相はデモを取りしまった警察を弁護しました。

・・・私もこの法案に絶対反対で~す。

少数民族語のコースに若者の関心は薄い

クルド語、アルメニア語、アラビア語など、トルコの少数民族語を教えるコースの受講生が減っているそうです。
自分のオリジンや母語に関心が薄くなっているためだと、語学コースの経営者は言っています。

 Hurriyet

「アナトリア研究文化協会」のアルタン・アチュクディリ会長は「受講生が少ないのは、若い人たちが自分のオリジンや母語に関心が薄くなっているためでしょう。
自分のルーツはラズ(黒海地方の人)だと知っているが、その証拠も言語も知らない人を想像してみてください。日々の生活に関係ない言語をわざわざ学ぼうとは思わないでしょう」と言っています。

同協会は2年前、イスタンブール、アンカラ、アンタキヤに、アルメニア語、クルド語、ザザ語(クルド語の方言)など多くの言語を教えるコースをオープンしました。

・・・少数民族の文化や言語を守ろうという動きがある中で、現実には若い少数民族の母語ばなれが起こっているのは、皮肉というより、自然な流れなのではないでしょうか。
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