夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『ジャンヌ・デュ・バリー』映画を見ました

2024-02-10 22:40:56 | 映画やテレビや音楽のこと
「今日は…べ…ルサイユはたいへんな人ですこと!」

『ベルばら』ファンならば誰もが知っているこの言葉。
同じルイ15世の公妾でも、ポンパドール夫人がわりと好意的に描かれるのに比べて、デュ・バリー夫人のイメージはあまり良くありません。
そんな彼女を主人公にした映画を見てきました☺️
ヴェルサイユ宮殿でロケをしたそうなので、見たいよね。
ストーリーがどうのこうのではなくて、ヴェルサイユ宮殿や当時を再現した衣装(シャネルが製作したそうです✨)や調度を見たいのです✨


⚜『ジャンヌ・デュ・バリー ルイ15世最期の愛人』

映画としては正統的な歴史絵巻でした。
音楽もバロック風だったりスケール感があったり、これぞ劇伴という雰囲気。

私生児として生まれたジャンヌは、館の主人を誘惑するようになり奉公先を追い出されたあげく、パリで高級娼婦になる。
デュ・バリー伯爵に引き取られ(身請けされ)、ルイ15世と対面する機会を得て、気に入られて公妾の座を得る。
ヴェルサイユの女主人として君臨するものの、ルイ15世の娘たちからは敵視される。
やがてマリー・アントワネットが嫁いできて、無視され続けるが、ようやく声をかけてもらえてホッとしたのもつかの間、ルイ15世が天然痘で倒れる。
看病していた病床を、国王の懺悔のために追われたジャンヌは修道院へと向かい、やがてルイ16世の御世が始まる……

と、『ベルばら』読者ならばストーリーは既知のことだけです。

しかし、ロケをしたヴェルサイユ宮殿の様子、有名な鏡の間だけではなくて、王の寝室や私室?、礼拝堂、食堂?、庭園など眼福でした✨
国王と閨を共にするための当時の慣習や、国王の起床からの朝の支度の様子も描かれていて珍しかったです。
それと、当時のファッション。
もちろん、衣装や鬘や小物は当時と同じ材質で作ってはいないだろうけれど、形状はきっとこうだったのかしらねーとこちらも眼福でした✨(語彙力不足💦)

で、冒頭の「今日はベルサイユはたいへんな人ですこと」ですが……
映画の中では、庭園でのシーンになっておりまして「今日は人が多いですわね」という感じ。
マリー・アントワネット役の方が可愛い。
もちろん、国王の娘たちから妨害されて一度声かけを失敗するシーンもありました☺️

海外の俳優さんについては無知なので何も書けませんが、ルイ15世が威厳だけではなく「最愛王」と呼ばれるのにふさわしい親しみやすさがあったこと、ルイ16世が長身(史実は180センチ近かったとか👀)で美男だったこと、ルイ15世の侍従?のラ・ボルト役の方の感情を殺した演技が好みでした。

ジャンヌについては、怖い物知らずでときには傲慢な感じがして、それは私の持つデュ・バリー夫人のイメージなのだけれども、知識欲があり弱い者には優しい部分も描かれていました。
そして、ルイ15世は人生の最期の時間をデュ・バリー夫人によって慰められ、デュ・バリー夫人は思惑や打算抜きで国王を愛したのだろうと思わせる物語でした。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あさきゆめみし②

2024-02-05 20:39:49 | 小説や漫画のこと
今回は宇治十帖にあたる11〜13巻についてつらつらと。

宇治十帖は物語の骨格はいたってシンプル。

乱暴に言ってしまうと、いろいろなエピソードののちに、浮舟という八の宮の庶出の姫を、匂宮と薫が奪い合う。
浮舟はふたりの貴公子からのアプローチに悩み抜いてついに死を決意し、しかし死にきれず出家する。


うーんと昔に円地文子先生の訳でようやく「夢浮橋」に辿り着いて、そして最後となったとき、「え?こんな中途半端な終わり方なの?」と驚いたのを覚えています。
『あさきゆめみし』初読の際にも、「源氏物語って呆気ないラストよねー」と感じ、浮舟については「物語の最後を飾るヒロインとしては地味だし個性がない」と切り捨ててしまっていました。

しかし、今回ようやく気づきました。
浮舟は薫にとって大君(浮舟の異母姉で故人)の形代でしかないのですね。
光源氏が紫の上を藤壺の宮の形代として見ていたのと同じ。
それでも光源氏はだんだんと紫の上を個人として認めましたが(しかし光源氏の一方的な自己満足であって紫の上の気持ちには思いが及ばない)、薫は浮舟を形代としてしか見ていなくて、大君よりも劣っている浮舟に苛立ったりまでしている。
一方で匂宮の言葉には、その場限りではあっても真実がある(匂宮の正妻は夕霧の六の姫だし、浮舟の異母姉の中君も大事にしているから、浮舟の立場はどこまでいっても弱い)。

冷静に考えると薫といっしょになれば安定した人生が送れて、苦労をかけた母を安心させられると言うことはわかる。
しかし、薫の浮舟に対する態度は、今で言うところのモラハラ気味でたぶん改まることはないのだろう。
それを浮舟は感じ取っていたのでしょう。

そして、死にきれなかった浮舟は出家して心の平穏を得て、その存在を知った薫にはもう会おうとしない。

というあたりで、長かった物語は終わります。

さて、紫の上はいくら光源氏に望んでも出家させてもらえなかった。
そして紫の上は自分の人生は何だったのか?と嘆く。

同じように形代にされた紫の上と浮舟。
一方は、幸せの絶頂を経験し世間からも重んじられたけれど、心の澱は溜まっていくばかりだった。
もう一方は、「数ならぬ身」であったけれど、身の処し方を自分で考えることが出来て、晴れやかな視野を持つことができた(出家することしか手段がなかったのはこの時代ゆえ仕方ないことでありましょう)。

『あさきゆめみし』を読み直し、イマドキの『源氏物語』の解説本にもちょっと触れて、はじめて「夢浮橋」で終わって良かったのだと納得したのでした。


『源氏物語』に登場する女君では誰が好きですか?
かつては、自分の立場をわきまえて性格も良さそうな花散里が好きでした。
しかしいつの頃からか、朝顔の姫君の生き方、考え方に惹かれるようになりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする