あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

あを雲の涯 (十七) 中島莞爾

2021年07月08日 07時25分45秒 | あを雲の涯 (獄中手記、遺書)


身はたとひ 水底の石となりぬとも
  何惜しからん 大君のため
はやり男の 走せゆく道は一すじに
  大和心と知る人ぞ知る
親子どり つよく生きゆけ 世の風は
  つめたく吹くも われは守らん
世の人は 知るや知らずや 如月に
  魁けて咲く 花の心を
惜しからず 永らへし身の 今日は早
  つくすつとめも 終りけるかな

昭和11年 ( 1936年 ) 7月12日
中島莞爾少尉の遺詠である



幽魂 永へに留まりて
君國を守護す

七月十二日
莞爾


中島莞爾  ナカジマ カンジ
陸軍工兵少尉
陸軍砲工学校(鉄道第二聯隊付)
大正元年10月9日生    昭和11年7月12日銃殺
陸士46期生 高橋太郎 安田優 と同期

『 想痕錄 』

二十五年の間不幸の子は、名をも棄て此の世を去ります。
徹頭徹尾、貧しく弱い者の味方となり、國の眞の姿をと力めた子は、
國の將來を想ひつつ血の涙を呑んで死に就きます。
日本の國を信ずるが故に何もかも棄てて起ち上りました。
私には御母上の痛い胸の中がよくわかります。
十九人の兄弟の念力は阿修羅になって國を守ります。
何卒、何卒、千万年の寿を全うせられます様、魂となって御守りをさせて頂きます。
七月十一日
母上様  莞爾

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