日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

評論 「ジャン・マレー」 ジャン・コクトー

2010-05-15 | Jean Cocteau

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「Jean Marais per Jean Cocteau」
1951年 フランス カルマン・レヴィ社 発行

ジャン・コクトーが創造する芸術の理想的存在として欠くことのできないジャン・マレーをコクトーが語った書。

俳優としてのマレーはもとより、絵を描くマレー、母や愛犬ムルークのことを含めて、
コクトーがマレーに敬意を払い、暖かいまなざしで接している様子が伝わってくる。
そこから読みとれるマレーは役者としてのさらへの希求があり、同時にコクトーの芸術論、人生論も語られている。 

ここに書かれているコクトーの言葉はマレーにも語ったことであろう。Basketmarais
同じ創造の道をめざす二人の間で交わされた会話から生まれる価値観は、簡単に他者が理解できるものではない。
それは双方が同じ位置に立っているからこそ、その価値観を高められるものであることを
コクトーもマレーも十分に理解している。

参考文献◆「ジャン・マレエ」 田島梢(訳) 出帆社


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