音羽の丘に建つ薔薇とステンドグラスに囲まれた洋館は
戦後、総理大臣となった鳩山一郎によって1924年(大正13)に建てられた。
鳩山家といえば鳩山和夫、一郎、威一郎、由紀夫、邦夫と政治家が誕生した家系。
この邸宅で重要な政治案件を決める事もあった歴史の場でもある。
設計は大正・昭和を代表する建築家であり
一郎の親友でもあった岡田信一郎(1883~1932)
アーチが優美なロマネスク調の正面玄関。
玄関の扉からいきなり大理石の階段が。
登ったところが1階になっている。
鳩山邸には鳩のモチーフが多く使われている。
玄関の上にはイオニア式の柱と鳩がデザインされたステンドグラフが彩りを添えていた。
第一応接室。
大正ロマンが漂うシックな室内。
第2応接室からサンルームに出る間仕切りには
4カ所に花模様のステンドグラス。明るく開放的な雰囲気が素敵だった。
2階へ続く踊り場の有名なステンドグラス。
鳩が大空を飛ぶ雄大なデザイン。アメリカで修行した小川三知(さんち)の作。
2階大広間
陽射しがいっぱいに入り鏡の効果もあって明るい。
館にも鳩のモチーフ。
平和の象徴でもある鳩が洋館を守るように。
庭に出ると薔薇が見事に咲いていた。
一郎が愛したという「ピース」の薔薇。素晴らしい香りだった。
やはり薔薇も平和という名。
お互いの立場を理解し「友愛」の精神こそが和となると唱えた
一郎の理念もこの館から生まれた。
裏玄関にはシンプルながらトスカナ式の柱が古典的。
5月の緑がベージュの洋館との調和も美しく
歴史を刻みながら今も貴重な建築として残る鳩の館だった。
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