日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

善光寺 「ご開帳」 の最終日へ 長野市元善町

2015-06-02 | 神社仏閣

長野の善光寺で七年に一度の御開帳。その最終日(5月31日)に出かけてみた。
「御開帳」とは善光寺の秘仏である本尊の身代わりとして
本堂の前に「前立本尊(まえだちほんぞん)」が立ち、
お参りをするという儀式で多くの人々が参拝に訪れていた。

JR長野駅前に建つ「如是姫(にょぜひめ)像」
善光寺が誕生した由縁となった天竺(インド)の姫君で
像は善光寺に向かって蓮台に立ち、香華を手向けている。



本尊の身代わりとされる「回向柱(えこうばしら)」
白い紐は「善の綱」と呼ばれ、本堂の前立本尊の右手と結ばれているので
直接ご本尊に触れるのと同じ御利益を得られる。
健康でいられることの感謝と平和を願って私も手を触れてきた。



ご開帳の期間中、「御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)」の儀式がある。
長い列に私も並び、善光寺の宝印を頭に当てていただき極楽往生のご利益を得られるようにと願った。

そして「お数珠頂戴」
法要を勤める導師が数珠で頭を撫でてくれると功徳を授かるといわれる。
多くの人々が石畳に。
頭を下げる私に数珠が触れた感触は、
恵みの声とともに忘れがたい喜びだった。

善光寺の有名な「お戒壇めぐり」に又並んだ。
ご本尊の下(地下)をめぐり、仏様の分身である錠前に触れると極楽浄土が約束される。
暗闇の中を錠前までたどるという神聖な儀式なのだが
最初はまだ明るさがあるものの、すぐに闇の世界。
真っ暗闇の中を右手で壁や柱をつたい、錠前に触れることが出来た。
(本当に闇でした)

午後五時近く。
「お戒壇めぐり」の列に並んでいた時、
いよいよ本堂でご開帳になっていた前立本尊の厨子が閉じられる時がきた。
ちょうど本堂内に並んでいたので、その瞬間を報道陣の後ろだったが真近でみることが出来た。
そして僧侶たちの読経が始まった。

西日がさす堂内に響く「結願(けちがん)大法要」の読経は
全身が震えるほどの感動に見舞われる。
57日間のご開帳が無事に終わった感謝と平和を願う響き。
厨子が閉じられた瞬間、見守る多くの人から「あぁ」という声があがった。
午後5時12分だった。