日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

早春 3月

2011-03-02 | 日常

Hunsui
北欧の風景のように見えた世田谷公園の噴水。

噴水は俳句で夏の季語であるが、小さなガラス玉のような水が無数に踊っているまわりでは春が光っていた。
どんよりとした空、薄日、風の冷たさ‥。
春の入り口はいつも不安定だ。
本当の春はまだ感じられない。
冬が好きだった私は今は春を待つ。

自然もかすかな春の息吹きを水の部分で感じとる。
       (略)
寔(まこと)に、春は他の何處よりも、水邊からはじまるのである。
 
      高橋睦郎『暦の王』Martius より