雨上がりの湿気が残る道すがら、香りを放って咲いていた薔薇。
今にもくずれそうな切ない薔薇。
淡いピンクのはなびらを幾重にも重ねて。
シャビーシック、あるいは頽廃的な。
出来上がったブーケのような表情。
山梨県の富士本栖湖リゾート会場で見られる芝桜。
快晴でくっきりと見える富士山とともにピンクに広がる芝桜を昨日見に行った。
ピンクの濃淡に白や紫の色も混ざり絨毯の模様のよう。
咲き具合は七分咲きで、来週あたりが満開なのだとか。
東京のソメイヨシノは散ってしまったけれど
まだ枝垂桜はきれいに咲いている。
(左)大田区大森 (右)港区高輪
ソメイヨシノの吹雪のあとも地に向かってこぼれるように咲く枝垂桜。
この花もまた幽玄。可憐にして艶なるフローラ。
東京の桜は少しずつ散り始めていて
名残りを惜しむ気持ちよりも、花びらのほうが早く風に散ってしまう。
1年のうちで10日あるかないかの短い間、人を酔わせて散ってゆく桜。
恵比寿で
中野区の公園で
昨日は東京でも雪が降り、一面の銀世界は夜も綺麗だった。
朝になってまだベランダにあった雪。
ラケナリアの房とオレンジ色のラナンキュラスを添えてみた。
少し風があるけれど晴れた午前中はさほど寒さを感じない。
でも春を感じたくてフラワーショップへ行ってみた。
球根のままのムスカリが可愛らしくて3本購入。
桜が咲くころになると、あちこちの地面から耳飾りのように咲き出すのが待ち遠しい。
季節は進む。昼をすぎると陽射しは秋の色が濃くなり
フラワーショップにもボルドー色やオレンジ色の花が並ぶ。
季節の花と実を集めて。
使用した花材
クリスマスブッシュ、ダリア、ビバーナムティヌス、アカシア、ヒバ、カズラ。
前から見たかったネモフィラの丘へ行った。
昨日、品川を6時45分発の電車で行ったが、ゴールデンウイーク中で着いたら丘は大混雑。
全景を撮っても行列が入ってしまい
人のいないショットを撮るのが一苦労。
ブルーカーペットと呼ばれるネモフィラが青空と一体となって。
ネモフィラの和名は「瑠璃唐草」。
「青い目の赤ちゃん」と呼ばれ、又「小さい森を愛する」という意味もあるのだそう。
ギリシャ神話のネモフィラ
美しい娘に恋をした青年が彼女と結婚できるなら命を捧げても良いと神に誓う。
青年の願いは叶い、2人は結婚するが神は夫の誓いどおり彼を地獄へ連れていってしまう。
夫に会いたくて地獄の入り口で泣き続ける娘。
神はそんな彼女を1輪のネモフィラに変えた。
群生する青い小さな花ネモフィラ。
風にゆれる姿はいとおしく可憐な表情をしていた。
園内のカフェで飲んだネモフィラの紅茶。
春の花、ラナンキュラスの種類も数年前から多様な姿を見せている。
花びらがクルクルと絞り込んだ「モロッコセティ」。
異様な感じもするけれど
それだけにイメージが広がりやすい魅力を放つ。
使用した花材
モロッコセティ、バンダ、オンシジューム、バオモユリ、バラ、モルセラ、えんどう豆、
地域によって異なるが、この辺りはそろそろ桜が散り始めた。
少女が散るひとひらの花びらを追って手につかむ。それも春の風景。
濃淡の色の美しさ。神の手によって彩られたような。
散った桜が池の隅に身を寄せるように。
夢見草という別名を持つ桜。
短い間にこれほど人々を熱狂させる花もない。
桜は霞になり、ヴェールになり、人を吸い込む洞となって
つかのま、人々を春の酔いに誘う。
朝はゆうべからの雨で気温も低め。灰色の空に細かな雨。
でもこんな時は花をあしらい気分を新たにしたい。
少ない花材でも何気なく目に入った時に花がある幸せ。
使用した花材
チューリップ(パロット)、スートピー、おきな草、スキミア、グリーンマム
眠っていた植物が咲き出し、目を楽しませる季節になった。
フラワーショップに出始め、見ると元気が出るような気がするミモザ。
木はまだ満開にはなっていないけれど
あと少しで、風に揺れ輝くミモザを見ることが出来る。
イタリアでは3月8日は「ミモザの日」で
男性が女性に日頃の感謝を込めてミモザを贈るのだとか。
日本でもミモザにちなんだイベントがあちこちであるそう。
今日は風が吹き荒れたが昨日はおだやに晴れた日曜日。
公園へ梅を見に出かけた。
青空の下、良い香りがただよい皆がゆったりと歩いていた。
愛らしくも凛とした梅の表情(白加賀)
花は小さくも鮮やかな紅梅(緋の司)