
エクスプロラトリアムでは引き続きマーブルウォールがこども達を楽しませています。マーブルウォールとは、ビー玉(marble=ビー玉)をころがすための様々な装置や通り道をつくった壁のこと。マーブルマシン (marble machine) とか、マーブルラン (marble run) とか色々言い方があります。置いてある資材を使って、こども達が好きなようにつくります。やってみると本当におもしろい。ビー玉が思うように転がらない、落ちてしまったり、思っても見なかった動きをしたり。トライアル&エラーの繰り返しです。というより、仮説→実験→実験→実験→検証のくりかえし。単なる遊び場に見えるけれど、こども達はけっこう長いことここに居座って集中してやっています。

父と娘でかなり真剣に協同作業。私たちの間でよく話題にあがるのが、親子でワークショップやアクティビティに参加すると、こどもの学びを親が取ってしまうこと。お父さんお母さんが夢中になるあまり、こどもがゆっくり考えて自分でやってみるという機会を待っていられないことがあるんですね。でもこのパパさん、とてもさりげなく娘さんにすべてをやらせていて素敵でした。

フィールドトリップで来た小学生達も慌ただしい中(フィールドトリップだと一日でたくさんの展示を見なければならないというルールがあるため)けっこう時間を使ってここに参加していました。思ったようにできなくて途中で投げ出してしまう子もいれば、3人がかりで素敵なマーブルマシンに仕立て上げるグループも。出来上がった後に「写真とって!」と先生に頼みにいく姿はかわいらしい。
「こんな場をつくってくれてありがとう!」
「息子はこれが大好きなんだよ」
「また来るよ」
ここにいるとこんなふうに声をかけられることしばしば。誰でも気軽に参加できて、「あ、できそう!」という最初の手がかりが割と早い段階で得られて、ビー玉が思った通りに転がったり跳ねたり回転したりすると「よっしゃ!」とチカラがわいてきたり周りから拍手されたり、凝ろうとすればいくらでも凝ることのできるこのマーブルウォール。シンプルだけどこういう場がもっともっとあったらいいのに、と思います。
材料はホームセンターで調達できるものばかり。わざわざミュージアムに来なくても、家の中や学校の教室でもカンタンにつくれそうです。この壁、毎日、毎日、変化します。それがとってもおもしろいです。そして、今私たちのチームではこのマーブルウォールをさらにブラッシュアップさせるため試行錯誤がつづいています。それはまた後ほど。


