Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

2009/3/15

2009-03-15 23:26:05 | 日常

奈良県吉野でのお茶会に招かれ行ってきました。

■ランチ
まずはランチから。チーズフォンデュ。
同席したのは仕事つながりの人達。初めてお会いする人もいれば、何度目かの人も。
話題はこどもの保育、遊び、学び、アフォーダンスなどなど。

こどもが自分を取り巻く世界については完全に一貫した理論を持っていることはよく知られていますが、幼児がはいはいしながらテーブルの足をつかんで「う~ん、う~ん」と唸っていた、という話はおもしろかった。どういうことかというと、、、そばにいた4歳児が「持てないよ、それは」とその幼児に忠告したところで分かったらしいのだけど、その幼児は目の前にあったそのテーブルの足を持ち上げようとしていたんだって(床に腹ばいになってる状態で、だよ)。テーブルの足をつかみ、それがそのまま「持ち上げられるもの」「取れるもの」というふうにその子には見えているので、足をつかみながら「どうして持ち上がらないんだろう?」の「う~ん、う~ん」の唸り声だったらしい。大人には「?」の光景も、4歳の子にはその子が何しようとしているのか分かっているのもすごいし、そういうふうに世界についての理論を持っているこども達っておもしろい。こどもの世界観ではつじつまが合っていることなんだろうね。


こんな青空。チーズフォンデュは美味しいパンのみならず、エビ、ほたて、菜の花、ブロッコリー、トマト、マッシュルーム、ソーセージ、にんじん、ホワイトアスパラetc... 大満足!

■お茶会初体験
その後、4時頃から茶室へ移動。それまでにぎにぎしかった雰囲気も、妙に静まり返る。茶室の密閉された空間は、外とのつながりを遮断した異次元空間となり、コミュニケーションの様相を自然に変えてくれる。何も言わずとも、環境が人間の気持ちやふるまいを変化させていく。場所の「力」は偉大なり。そもそも休日のホームパーティ(?)に呼ばれて、ランチを普通にダイニングで楽しんでから、それではそろそろお茶室へ移動しましょう、、、という2段階構成のおもてなしにやられていたのだけど。場所を変える、という演出自体に、ね。

吉野川ほとりに建つ4畳半の茶室。畳の上を着物がかすれる音や、誰かが動くたびに生まれる音、影、灯り、温度にさえ敏感になって、感性が研ぎすまされていくようでした。

静か。

一期一会のおもてなしは、すみずみまで行き届いた「思いやり」ですね。この日のために選んだお道具、お花、お菓子、茶器、お湯の温度などなど。「こんなもんでいいでしょ」ではなくて、その1つ1つに「あなたが大切です」メッセージを感じて、うれしくなる。

すごいなぁ、お茶会。大掛かりなインスタレーションの中に入り込んでなんだかとてつもなく贅沢な芸術を体感させていただいているよう。お茶室での話題は千利休の美的感覚におよび、無学なせいもあって余計に「へぇ~」と学ぶこと多し。すごいぞ。日本人の繊細な美的感受性について考えずにはいられない、そんなひと時でした。作法が芸術なんです。ふるまいが、アートなんですよ。

この日の体験で、お茶のことを日本人としてきちんと知っておくべき、と思いました。こんな贅沢な時間と、お茶を学ぶことについての興味と意欲を与えてもらえて本当に感謝です。千利休ではないけど古田織部のことを描いたマンガ「へうげもの」もおもしろいよと教えてもらったので、今度読んでみよーっと。

へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服)

山田 芳裕

講談社


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