Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

学校カウンセラー孤立と失望の理由 6/3 (金)

2005-06-04 11:50:57 | リュウガクジダイ
先週ちょっとだけ臨床心理士さんがスクールカウンセラーをするということについて「おかしいと思う」というような意見を書きましたが、タイミングよく今週号のAERA(2005年6月6日号)という雑誌に『スクールカウンセラー孤立と失望の理由』という記事が載っているらしいです。

AERAの記事、実際に読んだわけじゃないけれど「孤立と失望」というあたりからして、先生方とうまくやれなくて相談室にひきこもっている若いカウンセラーさんの姿や、待遇が依然不安定(文科省のスクールカウンセラー事業は平成17年でとりあえず終了)なので失望しているだとか、なんとなくそんな記事なんだろうなぁという予測。

私の意見では、学校現場に特化した訓練を受けていないのに、臨床心理とカウンセリングという看板だけ掲げて学校という組織に単身で乗り込んでいくのは無理があると思います。もし、日本の学校でスクールカウンセラーというポジションを定着させようとするならば、大学院でのカリキュラムを臨床心理士養成のそれとは別に、もっと教育現場に特化した訓練を受けられるようなカリキュラムに作り変えるべきだと思います。

とはいえ、もしも日本のスクールカウンセラーさんがアメリカのカウンセラーのように進路指導プログラムや、ドラッグ・アルコール予防プログラム、あるいは落ちこぼれ救済のためのスタディスキルグループや教師や保護者へのコンサルテーションなど始めてしまうと、それはそれで先生方の仕事の領域に踏み込むことになり問題が生じてしまうのだろうな。また、院を出たての若手カウンセラーさんだと学校社会では軽んじられるかもしれないし。でもそういうことをしようとせずに、ただ相談室で子どもを待っているだけでは、孤立していると言われても仕方ない。

なぜカウンセラーが地域の総合教育センターや教育相談所にいるだけでなく、学校という現場に送られるのか、そのあたりから存在意義を考え直す必要があると思います。その上で本当に“学校現場に”カウンセラーが必要なのか考えてみるべきです。必要だとするならば、学校現場で働くカウンセラーに、あの臨床心理士資格認定の大学院のカリキュラムがそのニーズに合っているのか見直してみると良いと思います。