5年前、私がピクシーの監督就任に抵抗を覚えた一番の理由が“この時”を迎えなければいけないことでした。解任という最悪の事態だけは免れたとはいえ、クラブのレジェンドであり最大の功労者でもあるピクシーに別れを告げるのはどんな形であれ辛いもの。一方で昨シーズンから顕著になっていたチームの閉塞感、停滞感、そして監督としてその手腕に限界が見えていたことを思えば、クラブ側としても至極当然の判断をしたものと理解できるだけに複雑な心境です。
聞けば前節の試合終了後、選手全員を出迎え握手をかわしたとのこと。もしかしたらピクシー自身もこの日がやってくることをある程度予測していたのかもしれません。できるものならばもう一花咲かせて、それこそサー・アレックス・ファーガソン氏のように最高の幕引きで去って行ってほしかったのですが、ピクシーが会見で答えているように「これも人生」ということなんでしょう。
巷では既に次期監督候補の名前が挙がっているようですが、今はただ再び名古屋の地に妖精が降り立つ日が来ることを信じて、愛するピクシーの監督としての姿を、そしてピクシーが率いるチームを目と心に焼き付けたいと思います・・・。