周知のとおり名古屋の2024シーズンはホームの豊スタにて鹿島と金曜ナイトゲームでスタート。未定だった第2節の対戦相手はJ1初昇格の町田で、名古屋と鳥栖のみがホーム開幕2連戦となっています。9/15のアウェーFC東京戦は芝の状態が不評の国立で開催、恒例の「鯱の大祭典」が行われるであろう8月は5試合のうち3試合がホームゲームとなっています。また、第37節のホーム最終戦は昨年と同様にラリージャパンとの兼ね合いで他会場で行われる可能性も出てきそうです。
新体制発表会で長谷川監督も指摘していたように4月以降は水曜開催がかなり多く組まれていて、ここにルヴァンカップと天皇杯も加わることにより今シーズンは多くの月でタイトな日程となります。当然のことながらどのクラブも選手起用等で腐心することになりますが、そのぶん控え及び若手選手達の出場機会も増えるわけで、有望な選手を揃えたと自負する名古屋ならば逆にアドバンテージにしたいところでしょう。
尚、前日には大会方式が変更となるルヴァンカップの組み合わせも発表。既知のとおりJリーグ全60クラブが参加、1stラウンド、プレーオフラウンド、プライムラウンドの全てがノックアウト方式となり、下位リーグもしくは昨年のリーグ戦下位クラブのホームゲームで行われることとなっております。一発勝負の1stラウンドで大宮、岐阜、横浜FC、岡山、宮崎と同じ枝に入った名古屋は2回戦からの出場となり共にJ3の大宮と岐阜の勝者と4/17に対戦。クバが残留した大宮なのか、2/10のPSMが前哨戦となる岐阜なのか、3/6に行われる1回戦の試合結果を待つことになります。
不安定だった前日から一転して快晴の天候に恵まれた今回の新体制発表会は、名古屋市教育センターから昨年のファン感でも使用された小西社長お気に入りのエントリオに変更して開催。その小西社長は冒頭の挨拶の最後で新ユニフォームをフライング発表して進行役のYO!YO!YOSUKE氏を大いに戸惑わせておりました。
例年どおり山口GMも登壇しクラブ方針と新戦力を紹介し充実ぶりをアピールすると、後を受けた長谷川監督も「優勝しかない」と言い切っております。また、オフィシャルサポートソングは引き続きQaijffが担当し新曲は開幕戦でお披露目されるとのこと。毎年掲げられていたチームスローガンの発表がなかったのは、ファミリーステートメントが込められた新エンブレムと、それをコンセプトにしてデザインされたユニフォームが全てを表現しているということなのでしょうか。
新加入13選手の紹介の後にはA代表に帯同中の貴田を除く選手全員が元気な姿で登場。気になる新戦力の背番号はハチャンレ3、井上4、椎橋8、パトリック10、山岸11、三國20、中山27、小野41、山中66、倍井17、鈴木32、榊原28、ピサノ35に決定。現有戦力では吉田が5番に変更、久保が直輝の25番を受け継ぎ成瀬が馴染み深い26番で復帰を果たしております。一桁番号を背負うことになった吉田と井上にはクラブからの期待の大きさを感じます。また、アカデミーダイレクターとサブダイレクターにそれぞれ山口GMと中村直志氏が就任。U-18では長年に渡って監督を務めてきた古賀聡氏が退任となり代わって長谷川監督の右腕となっていた三木隆司氏を起用し、さらにトップチームとの連携を深めていくようです。
チームは15日にキャンプ地の沖縄に向けて立ち、当日から早速トレーニングが始まります。この日、長谷川監督がコメントしていたように得点力アップという課題の他に守備の再構築というミッションが加わることとなった今年のキャンプはそのぶん中身の濃い内容となりそうです。練習試合も組まれている沖縄キャンプはもちろんですが、帰名後のトレーニングやプレシーズンマッチも含めて充実したものとなるよう期待し、全選手が怪我等で離脱することなく、チームとして自信を持った状態で開幕を迎えられるよう願っております・・・。
これはクラブによる意図的な演出なのでしょうか・・・全てのファミリーがやきもきしながら待っていたユンカーの完全移籍での正式加入が、一連の補強の大トリを務めるような形でようやく発表となりました。リーグ戦33試合出場16ゴールと期待通りの成績を残し今シーズンも欠かせない戦力となっていただけに、ファミリーはもちろん、獲得にこぎつけたクラブ首脳陣や長谷川監督もさぞかし安堵していることと思います。
一昨年より向上したものの総得点は41と依然としてタイトル獲得に至らない成績に終わった名古屋にとって得点力アップは引き続き最大の課題です。当然のことながら得点源として確実に計算の出来るユンカーの活躍は必要となるし、おそらく今シーズンも100%期待していいでしょう。ただ、それだけでは昨シーズンの二の舞になるのは明らかで、永井や酒井、貴田、山岸、パトリックはもちろん、中盤の和泉や森島らのゴール量産も必要となります。開幕までのトレーニングで戦術を含めて連携を深めていただき、万全のチーム状態で開幕戦を迎えたいものです。
尚、ユンカーと同様にチーム残留の一報を待ちわびていたミッチをはじめ重廣、酒井、ターレス、三井、貴田の6選手の契約更新も同日に発表。契約更新が済んだ選手と新戦力9人にトップ昇格の鈴木陽人とピサノアレクサンドレ、大卒ルーキーの倍井謙と榊原杏太を加えた計32人の選手が13日のチーム始動と翌日の新体制発表会に臨むこととなりました。
現在開催中のACLでは〇和と同グループとなっていたKリーグの強豪・浦項スティーラーズから29歳の主力DFを獲得。大卒で加入した仁川での活躍が認められて2018年から所属している浦項でもレギュラーを任され、今シーズンもリーグ戦ほぼすべてで先発しております。ちなみに名古屋が2021年にACLで浦項と対戦した際は兵役のため別のクラブに所属していたとのことです。
可能な範囲で収集した情報ではミスが少なく手堅い選手で展開力もあり、陽也のようなスピードやアジリティはないものの、韓国人選手特有の強靭なフィジカルと高さを活かした守備やセットプレーは期待していいようです。一方で警告が若干多い選手とのことで、Jリーグの判定基準や生活環境を含めたピッチ内外において慣れるまではもしかしたら苦労するのかもしれません。
浦項ではキャプテンを任されることも多いそうで、丸山や中谷のような修羅場をくぐった経験を持つDFを失った名古屋にはうってつけの選手ではないでしょうか。是非とも日本でも成功できるよう願いつつ、アジアNO.1のチャンスを捨てて新たなチャレンジを選択してくれたハ・チャンレ選手を歓迎したいと思います。
月間グラン2月号で中谷から才能を絶賛されていた陽也の海外初挑戦の舞台はベルギー1部リーグに決定。買取オプション付きのレンタル移籍とのことで、6月末までの半年間で自身の実力をアピールし証明することが必要となります。本命だった強豪クラブとは金銭面で合意に至らなかったようですが、現在最下位で苦しむチームで彼らを悔しがらせるような活躍を見せて、さらに高いレベルのリーグにステップアップしていきたいところでしょう。
トップ昇格を果たした2019年からの4年間ではレギュラーと縁の無い日々も経験し、それでも腐らずに続けた努力の甲斐あってここまでたどり着いた陽也。早い段階で海外に旅立っていった吉田や菅原とは違って、それなりに苦労も重ねたなかでの夢の実現には同じアカデミー出身の後輩達の良い手本となるしモチベーションも与えてくれそうです。彼らにさらに大きな夢と希望を与えるためにも半年後の陽也がチームでどんな立ち位置にいるのかが興味深いし楽しみです。
福岡の某選手との交渉決裂を受けて獲得を目指していた元京都のブラジル人FWの加入がようやく発表となりました。日本では川崎を皮切りにこれまでに計5クラブでプレー、特に2014年に加入したG大阪時代の活躍は目覚ましいもので、彼のJ1での経験と実績に疑いの余地は全くございません。
京都でプレーした昨シーズンもリーグ戦32試合に出場、先発は10試合にとどまっていますが得点は10ゴールと相変わらず決定力を発揮しております。36歳という年齢もあってシーズンフル出場はさすがに難しいとは思いますが、スーパーサブ不在で苦しんだ名古屋にとって時に先発も可能な即戦力FWの加入は心強い限りです。
日本代表入りのための帰化に向けて日本語を習得中というのはご存じのとおりでコミュニケーションにもほぼ問題はなく、名古屋の地でもすぐに馴染んでくれるでしょう。G大阪で共闘した長谷川監督のもとで昨年以上の活躍をしていただければと思います。
昨年末に石田凌太郎が栃木、東ジョンが相模原から琉球、甲田英將が東京Vから水戸、今月6日には豊田晃大が長野から盛岡への育成型期限付き移籍が粛々と決定。4選手共に移籍期間は来年1月31日までとなっていて、チームがよほどの緊急事態に陥らない限り名古屋への復帰は来シーズン以降となりました。
相模原では出場機会がなかった東と、長野で出場ゼロに終わっている豊田は引き続き新天地でも出場を叶えるべくアピールをしたいところです。大怪我で長期離脱を余儀なくされた甲田も東京VがJ1昇格が考慮されたのかJ2の舞台でシーズンを通してプレーすることが目標となります。一昨年緊急復帰を果たすも再びチームを離れた石田は夏の移籍後16試合に出場、その内9試合で先発するなど戦力となったことで栃木へ残留となったようです。
また、昨シーズンは山形と水戸で計17試合に出場した成瀬竣平の育成型期限付き移籍満了も7日に発表されていて、戦力として名古屋に復帰するのか武者修行が続行されるのか今後の動向が注目されます。
多くのファミリーにとって今オフで最も失望を覚える発表ではないでしょうか。クラブに請われて昨夏に復帰を果たすも出場11試合、ノーゴールと期待に応えることが出来ず去就が注目されていた直輝ですが、オランダで負った怪我の影響なのか、はたまた戦術にフィットしていないのか、個人的には彼のプレーに以前のような思い切りの良さが消えていた印象でした。
現有戦力に加えてここまで獲得発表された名古屋の新戦力を見るにつけ、彼にとっても昨年以上にレギュラー争ものいが激しくなるのは必至です。一部報道で海外再チャレンジも伝えられるなかで下されたこの判断がクラブ側のものなのか直輝のものなのかは分かりませんが、いずれにしても復帰後先発2試合に終わった事実を考慮しての結果だったのかもしれません。
過去の因縁はもちろん、特に昨年の一件を考えれば「暴力」の定義を理解出来ない社長が居座るクラブとの一戦は、今シーズンも間違いなくホーム、アウェー問わず異様な状況の中で行われるはずです。当然のことながら直輝に対しても容赦のないブーイングを浴びせるファミリーもいるでしょう。そんな光景を見たくない私としては名古屋戦以外で活躍していただくことをただただ願うばかりです・・・。
年明け最初の補強として懸案だったCBのポジションに今オフ2人目となる選手獲得を発表、名古屋にまた一人地元愛知県出身の選手が加入することとなりました。三國と詩音、若く将来性のある彼ら2人が順調に成長してくれれば、タイトル獲得だけでなく理想的な世代交代も期待できそうです。
中、高校時代を名古屋アカデミーで過ごし専修大経由で昨シーズン甲府に加入したばかりのルーキーながら、開幕2戦目からレギュラーを任されリーグ戦30試合に先発出場。9月に開幕したACLではプロ初ゴールも決めていてグループリーグ1位突破に貢献しております。大学4年次には主将も任されていたそうで名古屋でもゆくゆくは守備陣をけん引してくれるような存在となってほしいものです。
今シーズンに臨むにあたって唯一の気がかりは今月12日までACLを含めてフル稼働したことによる心身のコンディションでしょうか。今オフは地元愛知でできるかぎりリフレッシュに努めていただいて、年明けには万全な状態でチームに合流できるよう願っております。