当クラブについてはサッカーライターの宇都宮徹壱氏の著書でその存在や成り立ちを知る程度でしたが、昨年の天皇杯でJ1の2チームを相手にアップセットを演じてベスト16入りした際に、メディアで大きく取り上げられたことで名古屋に短期間ながら(’01~’02年)在籍した吉本岳史氏が監督と知り、以後気に留めるようになっておりました。
JFL所属5年目となった今シーズンは開幕から好調を維持しながら夏場に急失速して2位に終わり入れ替え戦にまわるも、Y.S.C.C.横浜を2試合トータル3-1でくだし四国で唯一のJリーグ空白地だった高知県で悲願のJ3昇格を決めております。親会社を持たないクラブゆえに、プロサッカークラブとして歩みだす今後もスポンサーや集客、設備面等でクリアしなければならない課題や困難が出てくるのかもしれませんが、吉本体制で臨むであろうJ3での成功を祈りつつ引き続き気にかけていきたいと思います。
「神の手ゴール」や「5人抜きドリブル」で万人に知られるアルゼンチン代表や永遠の心のクラブであるボカ・ジュニアーズでの活躍はもちろんですが、個人的にはクラブにセリエA初優勝をもたらしたSSCナポリ時代のマラドーナが最も印象深いです。3人の名前の頭文字を取ってマジカ(魔法)と呼ばれたジョルダーノやカレッカと共に見せたプレーは正に魔法のようでした。名古屋のファミリーとしてはユーゴスラビアがアルゼンチン相手にPK戦の末敗退した1990年イタリアW杯準々決勝で、試合後にPK失敗で悲嘆にくれるピクシーをマラドーナが肩を抱いて慰めるシーンも忘れられません。
薬物やアルコール依存、空気銃の乱射、謎の整形手術などピッチ外での破天荒かつ意味不明な言動はご存じのとおりで、選手としてだけでなく社会不適合者という点も含めて本当の意味での”天才”でした。私が敬愛する悪童・ロマーリオも彼の前では立派な優等生でございます。今後、マラドーナのような選手は二度と現れないと思うし、たとえ現れたとしてもおそらく時代が許さないでしょう。心からご冥福をお祈りいたします・・・。
Jリーグを含む各カテゴリーのリーグ戦と同様に天皇杯もまたコロナ禍によって変更を余儀なくされ計52チームによるノックアウト方式に縮小。決勝が新国立競技場で行われる記念すべき第100回大会がこのような事態になってしまったことは本当に残念でなりません。
J1クラブからはリーグ戦上位2チームのみ準々決勝から出場ということですが、現在の戦いぶりから察するに残念ながら名古屋の出場は考えにくく、さらにこの日仮にマルヤス岡崎が勝ち上がったとしても2回戦は岐阜で行われるため、泣いても笑っても瑞穂で開催される天皇杯はこれが見納めということで参戦した次第です。尚、今回は無料開放だったこともあり入場時のアルコール消毒と検温、マスク着用の他にスマホもしくは書面による来場者登録も実施されておりました。
近隣クラブの顔合わせで組まれたこの試合はマルヤス岡崎が同じJFL所属の鈴鹿を相手に開始6分で先制、その後ペナルティエリア内でのファウルで得たFKの流れから鈴鹿が同点とするも、マルヤス岡崎が相手の左サイドを攻略して勝ち越すという見ごたえのある展開となりました。
後半にはDFラインの裏へ抜け出し相手GKと1対1となった船谷圭祐がこの日2点目となるゴールを決め3-1に。終了間際には疲労の色が濃いなかで左サイドを崩され1点差に詰め寄られましたがその後は選手交代を有効に使いつつ逃げ切ったマルヤス岡崎が勝利。ちなみに今シーズン、杉本恵太に代わって名古屋枠で?加入した津田知宏はベンチスタートで出場もありませんでした。
鈴鹿アンリミテッド改め鈴鹿ポイントゲッターズについては全国リーグで初となる女性監督就任やその招へいまでのいきさつ、奇妙奇天烈なクラブ名で一時話題を提供しましたが、スペイン人の指揮官らしく自陣から丁寧にパスをつないでゴールを目指す攻撃的サッカーを標榜、この日の2点目はまさにそのスタイルで奪った理想的なゴールでした。
勝ち上がったマルヤス岡崎の2回戦の相手は東海社会人リーグ2部所属の長良クラブで9月23日に岐阜メモリアルセンター長良川競技場にて行われます。観戦可能かつ都合がつけば参戦も考えたいと思っています。
北村隆二監督や杉本恵太に続いて松本孝平が加入、さらに森山泰行が強化担当兼任で現役復帰し名古屋色を強めるマルヤスと、JFL史上初となる女性監督招へいで一時は全国規模で?話題になった鈴鹿との一戦に参戦。マルヤスには森山の他にも昨シーズンから茂庭、船谷、平井とJ1で活躍した選手が加入、在籍していて上位争い参入への本気度がうかがえます。
この日は私以外にもグラサポと思われる方々が多く来られていましたが、残念ながら森山、恵太ともにメンバー表に名前は無く、ベンチ入りした孝平も出番なしに終わっております。試合は開始早々に茂庭が負傷退場するなかで互いに攻めあぐねる展開が続き0-0で前半を終了、後半も流れが変わらない展開にスコアレスドローに終わるのかと思いきや、右サイドの突破からチャンスを作って先制したマルヤスがこの1点を守り切って勝利となりました。
鈴鹿はスペイン人監督ということで、お約束のようにパスサッカーを期待してしまいましたが、会場となった港サッカー場の芝の状態が(あいも変わらず)よろしくなかったこともあってこの日はロングボールを多用。その他の局面においても“らしいサッカー”はあまり見られませんでした。なにぶん指揮官が来日、就任してまだ3ヶ月ほどだけに、目指すサッカーが見られるようになるのは時間が必要なのかもしれません。一足先に昇格しているヴィアティン三重とのダービーマッチはいずれ機会があればぜひ観ておきたいと思っています。
早いもので1stステージも今節を含めて残り2戦となったJFL。福岡に参戦する時間や懐の余裕のない私は今シーズンから同リーグに参入しているヴィアティン三重を目当てにFCマルヤス岡崎のホームとして行われる豊田運動公園競技場へ。
三重県初のJリーグ入りを目標としJリーグ出身選手を3人擁しているヴィアティン三重は上位争いからは外れるも4勝4分5敗と健闘中。一試合で6得点を記録すること2回、得失点差+5という数字が同じ中位チームの中で際立っているように、はまった時の攻撃力がこのチーム一番の見どころといえそうです。
対するマルヤスは降格圏こそ脱しているものの、ここまで2勝4分7敗と今シーズンも苦戦を強いられております。怪我が理由なのかここ最近欠場が続いている杉本恵太君は残念ながらこの日も不在。マルヤスも三重もアウェーゲームとなった前節で勝利をあげていることもあり、目標こそ違えど両チーム共に今シーズン初の連勝を目指したいところ。
試合は前半からホームのマルヤスがボールを支配する時間が続き、受ける形となった三重が持ち前の攻撃力を発揮できないまま互いにこう着状態が続くという意外な?展開となりました。が、両チーム共に決め手を欠いたまま引分けという結果もちらつき始めた83分に、三重の右SBが敵陣深くまでドリブルで侵入し強烈なクロスボールを蹴り込むとこれがオウンゴールを誘発。残留に向けて勝ち点を一つでも積み上げたかったマルヤスが土壇場で涙をのむ結果となりました。
隣県ということもあってこの日は三重のファン、サポーターも多く駆けつけて清水を彷彿させるような?応援スタイルでチームの後押しをしておりましたが、その熱さやひたむきさやたたずまいは私がJリーグ参入以前のFC岐阜で見た風景そのもので懐かしさを感じた次第です。三重の1stステージ最終節の相手はMIOびわこ滋賀とのホームゲーム。是非とも3連勝で有終の美を飾り2ndステージでの飛躍につなげていただければと思います。
一方のマルヤスは水曜日に行われる天皇杯2回戦で鹿島と対戦予定。現状を見る限り敵地でのアップセットはさすがに難しいのかもしれませんが、クラブの将来の糧とするためにも悔いの残らないよう全力で戦っていただきたいものです。
昨年は同じJFLのヴェルスパ大分に所属、今シーズンからFCマルヤス岡崎に加入している杉本恵太君をお目当てに、聖地・瑞穂で行われたJFL1stステージ第6節の流経大戦に参戦。その恵太君はベンチ入りはしたものの出場機会は訪れず、残念ながらピッチに立つ姿を見ることはできませんでしたが、その代わりに?この日は生まれて初めて雷による試合中断というものを経験することとなりました・・・。
試合はここまでリーグ戦未勝利で下位に沈むマルヤスが23日に天皇杯2回戦進出を決めた勢いそのままに善戦を見せ、上位チーム相手に次々とゴールが決まり前半だけで3点をリードする意外な?展開に。後半は一転して両チームともに攻めあぐみこう着状態が続くなか、会場の上空はまだ明るかったものの黒い雲が近づき雷鳴も聞こえ始めたところで主審が試合の中断を指示。
直後に訪れた嵐のような風雨を避けるべく場内コンコースに避難して待つこと約1時間。再開後は雷雨による強風の影響で風下に立ったマルヤスが終始受けに回る苦しい展開となりましたが、集中した守備と相手の単調な攻撃にも助けられ失点だけは回避し、完封のおまけ付きでリーグ戦初勝利をおさめたのでした。
FC刈谷が降格した2009年以来8年ぶりとなったJFL観戦ですが、現在は元名古屋の矢部次郎が代表を務める奈良クラブの他にも、今シーズンから東海勢のヴィアティン三重やゴン中山、伊藤輝悦を擁するアスルクラロ沼津、岡田武史氏でおなじみのFC今治など個人的に興味深いチームも多々加入しているので、これを機にまた観戦していきたいと思っております。
ALL EAST 2-3 ALL WEST
昨年は悪夢の天皇杯2回戦と日程が重なって参戦できなかったメニコンカップ。残暑厳しい9月初旬の風物詩となったこの大会も早いもので今回で第20回を迎えることとなっております。
そんなこともあってか大会プログラムも今回は立派なクリアファイルに入り、お馴染みとなった中西哲生氏とゲストの磯村亮太とのトークの他にハーフタイムには中京大中京高のチアリーダーが登場して大会に花を添えるなど気合十分。時代を感じさせていた電光掲示板が改修された瑞穂ラグビー場もキックオフ時にはメイン、バック共に満席に近い状態となっておりました。
試合はALL WESTの先制点を皮切りに点の取り合いとなった前半に対して、後半は両チームとって重要な次の1点をめぐって攻防が繰り広げられるも無得点に終わる展開。結局、名古屋のFW金亮哉が前半ロスタイムに決めたゴールが決勝点となりALL WESTが勝利。先発起用に応えて結果を出した金君は見事敢闘賞に選ばれております。
名古屋からは他に3人が選出されていてDF小山彬、MF住田将は前半フル出場、GK水谷友哉は後半途中から出場しそれぞれのポジションで勝利に貢献。彼らを含め今回選出された選手達はこれに満足することなく各々掲げた目標に向かって今後も精進していただきたいと思います。
同じ日にトヨスポで行われた名古屋の練習試合を観戦するか迷いましたが、対戦相手のツエーゲン金沢は前日に天皇杯1回戦を戦っておりベストの陣容ではないと勝手に判断、我らグラサポとっては昨年の悪夢の記憶も新しい?港サッカー場にいってまいりました。
愛知県サッカー選手権大会決勝で愛知学院大を3-0で下し大会二連覇を果たした勢いそのままに、トヨタ蹴球団が試合開始早々に先制するとその後も追加点を決め前半だけで3得点。後半、立ち上がりは上田にペースを握られセットプレーからゴールを許すも、相手に退場者が出る幸運にも助けられ1点を追加、終わってみれば余裕さえ感じる試合運びでの快勝となりました。
天皇杯1回戦突破に加えてグランパスとの兄弟対決の夢がかなったことで監督、選手達のモチベーションは上がらないわけはなく、当然のことながらジャイアントキリングの実現を口にしているようですが、受けて立つ格好となる名古屋としても2年続けて同じ過ちを繰り返すことなど絶対に許されないはず。リーグ戦再開を一週間後に控えての一戦にどのようなスタンスで臨み、どのような内容でグラサポ全員が納得できる結果を出してくれるのかに注目したいです。
Jリーグが下した無観客試合という処分には大方の賛同を得ているようですが、この出来事によってとばっちりを被ることになってしまった清水の選手やサポーターの存在を考えると個人的にはかなりの違和感を覚えます。またクラブによる当該サポーター連中に対する処分にしても“無期限の活動停止”などではなく“永久追放”が妥当なのではないでしょうか。
最近になって問題視されるようになっているヘイトスピーチを見ても分かるように、あの手の言動というのは見聞きする者によって時に耳障り良く、居心地良く感じるもので、だからこそ余計に危険極まりないということを我々は常日頃から肝に銘じておかなければなりません。そしてどのクラブも「うちのサポーターにかぎって・・・」という甘い認識はあえて捨てていただき、同じような悪行をする輩が存在するかもしれないという想定はしておくべきでしょう。今回の不祥事とそれに対する処分を「クタバレ浦和」とか「ざまみろ浦和」などと他人事で済ますのではなく、Jリーグのファン、サポーター全体で重く受け止めることが必要だと思います。
ALL EAST 1-4(1-2) ALL WEST
大会当日の猛暑はもはやメニコンカップにつきものの一つ。炎天下のピッチ上でのトークが敬遠されたのか?今年はゲストに誰も呼ばれず中西哲夫氏だけ。また、昨年と同様にU-15日本代表に招集された選手が不参加となりました。名古屋からはMF笹沼孔明がただ一人選出、先発こそ外れたものの後半頭からCBで出場し無事無失点で試合を終えております。
試合は即席チームという状況ながら連携の良さで上回ったALL WESTが主導権を握る展開となり、G大阪と清水所属の選手の活躍で大量4得点と圧倒。対照的な出来だったのはALL EASTで、得点は目測を誤った相手GKに助けられた感のある1ゴールのみ。反撃に転じたかった後半も逆にロングボール頼みの攻撃が多くなるなど物足りない内容に終始。代表選手不在の影響が大きかったのはALL EASTの方だったのかもしれません。最優秀選手は井手口(G大阪)、敢闘賞は望月(清水)と山崎(G大阪)が受賞、ゴールを決めたALL WESTの選手が独占する大会となりました。