後輩:しぇ、しぇ、しぇ、しぇ、しぇんぱーい!メリークリスマスイーブ!!
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:ついに、ついに、ついに俺達の名古屋グランパスがやってくれましたー!!!
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:Jリーグ発足から18年、ピクシーが監督就任会見で「やるといったらやる」と宣言してから3年目、待ちに待った悲願のリーグ初優勝でーす!!!!
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:しかも1シーズン制採用以降史上最速での優勝ですよ!!!!!
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:最終成績も23勝3分8敗と堂々たるもので、見事最多勝利記録と最多勝ち点タイ記録を達成しました。
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:おまけにケネディが17ゴールをあげて得点王に輝いてますし・・・
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:2007年11月のサカダイのインタビューでピクシーが答えていたとおり、「神が地上に降り立ち、すべてがドラマティックに変わり、勝利の喜びを一緒に味わい、微笑を浮かべ、名古屋を誇りに思える1年」となりましたよ!!
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:ここまで本当にいろいろあって長かったですけど、俺達グラサポもこの日が来ることを信じてサポートし続けた甲斐があったってもんです。
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:先輩も目が黒いうちに名古屋の優勝を見届けることができてホント良かったですね。
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:先輩、どうしたんすか?
しぇんぱい:・・・・・。
後輩:もしかしてまた泣いてんすかぁ?
しぇんぱい:泣いてねえよ、いつものようにお前がしゃべらせないんだろうが・・・それに「また」ってどういう意味だよ。
後輩:だって先輩、優勝が決まった瞬間あの平塚競技場のゴール裏で人目もはばからず男泣きして、その姿を見た息子さん達がビックリしてたって話じゃないすかぁ。
しぇんぱい:だから泣いてないって。
後輩:えー、そうなんすかぁ。なんかがっかりだなぁ・・・俺としては積年の思いがある先輩に思う存分歓喜の涙に浸ってほしかったんですけど。
しぇんぱい:というか泣けなかったんだよな・・・。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:勝てば優勝っていう状況じゃなかったんで、なんか喜ぶタイミングを逃しちゃってさ。
後輩:・・・・・たしかに終了したはいいけど実際に鹿島の進行状況がはっきりしなくて、名古屋の選手達がピッチになだれ込んでいくのを見て優勝を確信したって人も多かったみたいですよね。
しぇんぱい:ただ、あの直志が高木義成に抱きかかえられて号泣してる姿を見た時はさすがにこみあげてくるものがあったけどな。
後輩:在籍の長い直志や楢崎はまた格別だったでしょうね。
しぇんぱい:コーチのディドや飯島や伊藤にとってもな。
後輩:それにしても今シーズンの名古屋は本当に強かったですね。
しぇんぱい:というより勝負強かったな。
後輩:・・・・・浦和戦で清水に代わり首位にたって、以後は一度の陥落もなく優勝です。
しぇんぱい:名古屋のことだから浮上と陥落を繰り返しつつ最後は得失点差とかギリギリのところで決まるのかと思ってたら・・・
後輩:優勝を決めた時点で2位鹿島との勝ち点差は10、それも3試合を残しての余裕の優勝ですよ・・・。
しぇんぱい:今年、ホームでリーグ戦の負け試合を観せられたのは川崎、鹿島、FC東京のたった3回だもんな。
後輩:それより引分けが3試合というのが信じられないですよ。
しぇんぱい:なにせ“勝ちきれなさ”が最大の売りだったチームだけにな。
後輩:・・・・・ただ、リーグ戦再開前に俺達が期待してた美しいサッカーはあまり見られませんでしたよね。
しぇんぱい:総じて理想を封印した結果重視のサッカーだったよな。
後輩:しかも圧倒した強さを見せつけるというよりはとにかく負けないサッカーで、他チームのサポからは「つまんねえ」とか言われてたみたいですけど。
しぇんぱい:俺としてはお褒めの言葉と受け取りたいな。
後輩:はあ。
しぇんぱい:負けないサッカーなんてやろうと思っても出来なかったんだから。
後輩:たしかに。
しぇんぱい:むしろあの戦い方以外で名古屋の優勝はなかったんじゃないのか?
後輩:ピクシーはその点でもブレがなかったですよね。
しぇんぱい:心の中での葛藤はあったと思うけど、徹底して勝ちにこだわってたからな。
後輩:名古屋にとっては幸運も重なりましたよね。ワールドカップ後に主力選手が海外へ流出することもなく、カップ戦を敗退したことでリーグ戦に集中できたし、心配してた夏の過密日程にしても中2日は1試合だけ。なにより2位以下のライバルチームが面白いくらい勝手にずっこけてくれましたから。
しぇんぱい:まあ、優勝する時ってそういうもんだろ。
後輩:あとは優勝のための必須条件だったダニルソンがしっかり戦力となりましたね。
しぇんぱい:結果はともかくナビスコカップ予選で辛抱強く起用し続けたことがリーグ戦で活きたよな。
後輩:ただの惨敗では終わってなかったっていう・・・
しぇんぱい:惨敗自体は辛かったけどさ。
後輩:チームとしては中断期間中の古川でのトレーニングがターニングポイントとなりました。
しぇんぱい:体力面、戦術面で手応えをつかんだって選手達は口をそろえて言ってるな。
後輩:先輩が指摘してた試合に臨む意識も変わったんじゃないかと。
しぇんぱい:それがいきなり中断明けの大宮戦で結果として出たんだからチームが乗らないわけがないよ。
後輩:今までの、というか中断前までの名古屋なら引分けで上出来の試合でしたからね。ところで先輩は優勝を確信した試合ってあります?
しぇんぱい:俺は湘南戦が終わるまではとても確信なんかできなかったけどな。
後輩:やっぱりね・・・。
しぇんぱい:そういうお前はどうなんだよ。
後輩:大勝したアウェーの清水戦でしょ。
しぇんぱい:やっぱりね。
後輩:・・・・・あと、アウェーのFC東京戦の劇的勝利も大きかったなぁ。今までの名古屋なら引分けどころか確実に負けてましたから。
しぇんぱい:たしかにあの試合は今までの名古屋とは違うなっていうのは俺も感じたよ。
後輩:俺達的にMVPを選ぶとしたら・・・
しぇんぱい:闘莉王でいいんじゃないのか。
後輩:JリーグMVPに輝いた楢崎も外せませんよ。
しぇんぱい:でも、その楢崎をしてもできなかった働きをピッチ内外で見せてくれたという点で闘莉王の存在はやっぱり大きかったと思うぞ。
後輩:・・・・・今の言葉を開幕前の先輩に聞かせてあげたいですよ。
しぇんぱい:その点は俺も深く反省してるよ。
後輩:この時期避けて通れないニュースとしては杉本とマギヌンの退団が既に発表となってますが。
しぇんぱい:2選手共にこれまでのチームへの貢献度を考えると辛い決定だよな。
後輩:マギヌンの放出は意外でした。
しぇんぱい:マギヌンは確実に大幅アップが必要な年俸の問題もあるんだろうな。去年の契約更改もただ1人越年してたし。
後輩:・・・・・一方でダニルソンのレンタル延長が決まりました。
しぇんぱい:札幌さんには感謝あるのみだ。
後輩:あとは三菱養和SCの田中輝希に続いて福岡大の永井謙佑の加入が発表されてます。
しぇんぱい:まずは杉本の抜けた穴が埋まったということか。
後輩:当然、マギヌンに代わる選手の獲得も必要なわけですが。
しぇんぱい:流経大柏の吉田真紀人を含めていろいろ名前が出てるみたいだけど、それは今後の発表を楽しみに待とうじゃないか。
後輩:残念だったのはナビスコカップはもちろん、リーグ戦での若手の台頭が見られなかったことですか。
しぇんぱい:U-15の北川柊斗の活躍の方が目立ってたぞ。
後輩:・・・・・ただ、天皇杯では意地を見せてくれましたよ。
しぇんぱい:花井聖が決勝ゴールを決めた3回戦といい、アナザー・サイド・オブ・グランパスで戦った4回戦といい、どちらも若手選手に救われたよな。
後輩:特に4回戦は相手もベストメンバーじゃなかったことを差し引いても若手にとってはかなり自信になったんじゃないかと。
しぇんぱい:一昨年と同じく確実に総力戦となる来シーズンに活かしてほしいところだけど。
後輩:そんなこともあってか、先日、スペインのレアル・ソシエダとの提携が発表されていて、若手選手の派遣も考えているようで、まずは第一弾として新井と田口が決定してます。
しぇんぱい:シャビ・アロンソやコバチェビッチ、ニハトを擁して2位に躍進した02-03シーズンが思い出されるぞ。
後輩:“育成面で定評のある古豪”だそうで。
しぇんぱい:さすが久米GM、バイエルン・ミュンヘンとの提携でどや顔してるどこかのクラブとは目のつけどころが違うよ。
後輩:・・・・・浦和、今年はまた一段と斜陽を極めたシーズンでしたね。
しぇんぱい:でもお前、あれは決して他人事じゃないぜ。
後輩:はあ。
しぇんぱい:名古屋だって今の拡大路線がいつまでも続くわけじゃないんで、似たような時期が必ずやってくるということだけはくれぐれも忘れないようにしないとな。
後輩:ピクシーもいずれは名古屋を離れる日が来るわけで・・・
しぇんぱい:陰の功労者である久米GMもな。
後輩:次期日本代表監督就任を望む声も多いようですし。
しぇんぱい:たとえそれがなくてもゆくゆくは海外のクラブで指揮をとることになるんだろうな。
後輩:それがいつになるのかは分かりませんけど、名古屋にとって最大の試練になりそうですね。
しぇんぱい:それこそ真の強豪クラブかどうかが問われる時なんじゃないのかな。
後輩:・・・・・えー、で、明日の天皇杯準々決勝の鹿島戦ですけど。
しぇんぱい:一時的とはいえリーグ初優勝の達成感にどっぷりと浸ってしまっている名古屋に対して、鹿島はリーグ戦でACL出場を逃してるだけに試合にかけるモチベーションは高いんだろうな。
後輩:準々決勝までの4試合をホームで戦えた去年と違って明日は敵地での戦いとなりますし。
しぇんぱい:おまけにリーグ戦は2戦2敗だしな。
後輩:是非ともリベンジを果たしたいと言いたいところですが、名古屋はマギヌンの他にブルゾ、ケネディ、闘莉王、ダニルソンが怪我の治療のため既に帰国してます。
しぇんぱい:全治6ヶ月のブルゾはともかく、明らかにダブルクラウンをもくろむ来シーズンを見据えての措置だよな。
後輩:来年はアジアカップやコパ・アメリカがあって、ワールドカップイヤーだった今年以上に過密日程を強いられることになりますからね・・・。
しぇんぱい:2月末にはスーパーカップもあって向けてチームの始動も早いだろうし。
後輩:そんな理由もあって玉田も先日足首の手術を受けていて、明日は出場停止の三都主も入れると大量6人の主力級選手を欠いて臨むことになります。
しぇんぱい:いっそのこと残りの主力の出場も回避させて4回戦と同じメンバーで戦ってもらった方がいいんじゃないのか?
後輩:というか、こうなるともうそれに近いものにならざるを得ないんじゃないかと。
しぇんぱい:たしかにそうだな。
後輩:そんな名古屋に対してG大阪の監督には大会に対する意欲が感じられないとか言われてるみたいですけど。
しぇんぱい:その西野監督には久米GMが電話でリベンジを誓ってるぞ。
後輩:元旦の再現を期待したいところですが・・・
しぇんぱい:それよりまず明日の鹿島戦だろ。
後輩:じゃあ、4回戦の再現を期待します・・・。
しぇんぱい:あの新潟戦と同じく真摯な姿勢で試合に臨めば道は開かれる・・・かもな。
後輩:・・・・・ただ、鹿島も明らかに世代交代を迫られる時期に来ていてチーム状態は決して良くないですよね。
しぇんぱい:らしくない試合が多かったしな。
後輩:戦力的には大岩とマルキーニョス、ジウトンの退団が決まっていて、ブラジル人選手2人は既に帰国してます。
しぇんぱい:大岩も38歳か・・・。
後輩:明日はその大岩の引退セレモニーも行われるみたいです。
しぇんぱい:それが対名古屋戦というのもまた因果なものだ。これで“あの3人”の中で現役は平野孝だけか・・・。
後輩:・・・・・そんなこともありましたよね。
しぇんぱい:名古屋にしても鹿島にしても抱えてる負の要素を封印しつつ、とにかく獲得の可能性のあるタイトル対して選手達がどれだけ貪欲になれるかが鍵だな。
後輩:名古屋で期待したい選手はいます?
しぇんぱい:やっぱり杉本だろ。
後輩:ですね。
しぇんぱい:去年の準決勝みたいに何かやってくれそうじゃないか。
後輩:今年も優勝を決める玉田のゴールをアシストしてますし。
しぇんぱい:持ってるよな。
後輩:本田圭祐の影響もあって流行りましたよねぇ、それ。
しぇんぱい:杉本の場合は自分で言ったんじゃなくて、人から言われたんだから説得力があるぞ。
後輩:先輩自身は何か持ってるって感じたことあるんすか?
しぇんぱい:持ってるものねぇ・・・家のローンなら抱えてるけどな。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:愛する家族とか。
後輩:日ハムの斉藤佑樹じゃないんですから。
しぇんぱい:家族って "We are family."の家族だぞ。
後輩:だからその手の言葉は先輩には似合わないっス。
しぇんぱい:それならあるぞ、一つ極めつけのやつが・・・
後輩:なんです?
しぇんぱい:俺が前向きな発言をするとろくなことが無いっていうジンクス。
後輩:・・・・・。
しぇんぱい:なんだったら明日の鹿島戦について前向きなコメントをかましておこうか?
後輩:しなくていいです・・・。