『 HARD & LOOSE 』 れいめい塾 津市久居

塾頭の『れいめい塾発 25時』
三重県津市久居にある学習塾『れいめい塾』の塾頭のブログです。

瞭の「約束の地」

2009年01月08日 21時08分18秒 | 大学受験

瞭(津高3年)が姿を見せる。
差し出したのは、駿台のセンター・プレの成績表。
ご満悦である。
「約束の地」・・・名古屋大学工学部・機械・航空で志望者の中で1位。
大晦日の時は喧騒のなかで少し話したていど。
久しぶりに世間話に興じる。

「あとは前日に風邪をひかんだらええねん」
俺と瞭、二人で笑い出す。
3年前の高校入試の前日、瞭のお母さんから連絡。
「先生、瞭が風邪をひいたらしくて体温が39度もあるんです。で、今ね、津高に落ちる!って泣いてるんですけど」
試験を翌日に控えた中3は最終チェックに余念がない。
塾を抜け出し、瞭の家へ。
泣き止んではいたが、今まで勉強していたことが無駄になる!なんぞと弱音がラップのように跳ね回る。
「体調さえ良かったら横綱相撲や。このくらいのハンディをつけやんと勝負はおもしろくない・・・そう、受験の神様が思たんやろな」
そんなことを言っては、なだめてすかしての数時間を過ごした。
その日の夜の受験生の送り出し・・・瞭だけは欠席。

「センター試験の採点を後輩に任せられるほどには点を取らな」 瞭がポツリ。
近くにいたさつき(津高2年)に俺が言う、「さつき、センター当日の夜に瞭先輩の国語採点したれや」
「本番の!」
「ああ」
「アカンアカン、国語はアカン・・・やっぱり数学と物理と化学あたりや」

なぜ、瞭が名古屋大学に固執するのか・・・。
この成績なら、十分に京都も狙える。
むしろ京都よりは東京のほうが楽だろう。
週末に久居に帰ってきて、塾で数学や物理・化学を教えたい・・・そんなかわいらしいことを、お母さんに言ったそうだ。
しかし、俺と瞭の付き合いは長い・・・8年だ。
だまされない・・・そんな健気なタマじゃねえ。
きっと「何か」ある・・・。

ただ、その「何か」、今んところはうっちゃっておこう。
なにしろセンター試験まであと9日なのだ。
受ける大学は名古屋大学のみ・・・そんな瞭の潔さが、驚嘆と歓喜とともに後輩に語りつがれるために、俺はさつきを連れて名古屋大学の合格発表会場に向かうつもりだ。

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祐臣の軌跡

2009年01月08日 16時43分21秒 | 卒業生

やっと冬休みが終わった。
センター試験は目前だが、今日ばかりはつかの間の外出・・・「かしわ家」初詣である。
奥さんと受験生のれい(仙人)とあいを連れて「かしわ家」のドアを開ける。
いつものように臼井(4期生・臼井自動車)がカウンターに座り、中日スポーツを読んでいる。
そしてテーブルにはユタカ(7期生・三重銀行)が鎮座。
カウンター越しに、越知の姉ちゃん「本当にお久しぶりで・・・」
休みが明けて、さっそく駆けつけたのに少しばかり厳しい挨拶。

臼井に尋ねる、「祐臣(13期生)の正月の成績はどうだった?」
「ええっとね、正月三が日は今イチやったけど後半から良くなったはずやけどな」
中日スポーツをめくり競艇欄に目を凝らす。
「あっ! 祐臣、昨日は勝っている」

祐臣の勉強に対する姿勢は13期生のなかではピカ一。
研ぎ澄まされた切れ味はなかったが、いい意味での愚直。
同じミスは2度と犯さない・・・ケアレスミスはほとんどない。
指導者からすれば最も安心できるタイプだった。
教室の後ろから見ると、勉強している皆の背中がある。
そんななか、祐臣はいつだってきれいな背中をしていた。
背中を見るとその生徒ができるかどうか大体分かる。
俺だけではない、ウチの塾で育った奴や医学部の学生たちも、後ろから眺めていると成績のいい生徒をほとんど当てる。
きれいな背中のなかでも、人を寄せ付けないオーラを出している生徒と、いつでも質問してもいいよオーラを出している生徒の2種類に分かれる。
13期生では前者が祐臣、そして後者は村瀬(オービック)だった。
二人とも横綱相撲で志望高校に進学した。
祐臣は津西へ、村瀬は津高へ。

祐臣が野球部キャプテンだった時代が、津西野球部の黄金時代だったんじゃないか?
春の大会では三重高に勝って東海大会に出場した。
そして迎えた最後の夏、準々決勝で再び三重高とぶつかる。
かつて、このときのことを祐臣は以下のように言った。
「春の大会では三重高の選手たち、津西に負けるはずがないって感じで、試合開始の整列もダラダラしてたんですよ。こっち見て笑顔なんかあったりして・・・そんな奴らを眺めながら、絶対に勝ってやろうって・・・そして勝った。その自信があったから皆、夏の試合も勝てるぞ!って試合に臨んだんです。ところが試合前にね、三重高のベンチの方を見ると、もう整列してるんですよ。それも真剣な顔で・・・。俺たちなんて、まだまだやって感じでベンチの周辺でウロウロしてたんですけどね。三重高の選手たちが整列して、真剣な眼差しで試合開始を待っている・・・こりゃ、今日はヤバイかなって・・・」
そして津西は準々決勝で敗れた。

そんな祐臣、塾で深夜まで勉強して家に帰ると、まずはテレビをつけたとか。
受験生のささやかな楽しみ。
深夜帯に放送していた番組が競艇。
高校入試に臨んでいた中3の頃には、すでに競艇選手への憧れを抱いていたという。
しかし、まずは野球があり、大好きな津西で野球をしたいという欲望のほうが勝った。
ところが高校最後の夏が終わり、大学受験の勉強を始めた頃、再び競艇への憧れがぶり返す。
祐臣の心の中でみるみる膨らんでいく。
この衝動こそが祐臣を競艇の世界に引きずり込むことになる・・・。

祐臣がキャプテンだった頃の津西の試合を見た野球少年たちが、大挙して津西進学を志すことになる。
去年の夏の地区大会のパンフレット・・・津西野球部は総勢70名を突破している。
いつしか県下で最も部員が多い野球部となった。
そんな大所帯・・・それは、三重高とシノギをけずったあの夏から始まったのだ。

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颯太と啓介

2009年01月08日 00時36分33秒 | 広告関連

塾ブログのランキング・・・2位まで行ったものの、やはり落ち始めると辛いもんやな。
所詮己は小市民・・・そう、自分を慰めていたら、またぞろアップ。
嬉しいねえ・・・再度、小市民のダブル・スコア。
良ければ左上のクリックをお願いします。


昨夜は松阪への週に一度のショートサーキット。
と言っても、ほんの数分前に戻ったばかりだが・・・。
帰りのルーティン・ワーク?コンビニでの立ち読み。
少年マガジンが6号。
宮田一郎、痛恨のダウン!
そしてセンター試験の足音は、芦ノ湖の赤い鳥居を越えたあたりか・・・。

里恵の国語の授業に中2の颯太が現れた。
大晦日以来、そして里恵の授業はいつ以来か・・・。

大晦日に颯太から突然の電話・・・今日の大晦日のパーティ、塾に行っていいですか?
その夜、久しぶりに姿を見せた颯太はどこにいればいいのか困っているようだった。
「こっち来て座れ」・・・そうは言ったものの、俺は矢継ぎ早に現れる出席者と談笑していた。
そんな時、全日本レスリング代表に選ばれた啓介(21期生・朝明高校2年)が飛鳥(21期生・立命館宇治高2年)と姿を見せた。
ふと気づいた・・・啓介と颯太の共通項だ。
かつて啓介も、なかなか学校へ行けない日々があった。
そして颯太、2学期はほとんど学校に行っていない。
俺が週に一度のペースで颯太の家に出張授業、中学のカリキュラムを無視して数学を教えた。
始めた頃は学校へ行ってないために一時関数から、そしていつしか三角関数へと進んでいた。
そして現代文、新書の「悩む力」を二人で読み進める読書会なんぞをやっていた。

俺は啓介に言った、「啓介、中3の頃に眠剤でなかなか朝が起きれない時があったよな」
「ええ、あの頃は毎日のように中学校の先生、それに先生が起こしに来てくれましたよね」
「こいつも同じような症状なんやろな、眠剤飲んでるからなかなか起きれんくって学校へ行けへんねん」
颯太が学校へ行けない事情は他にもあった。
人と話すのが疲れるのだ。
人のテンションに合わせるのが苦痛なのだ。
啓介が颯太に向かって言った、「なんかだるくって、起きたくってもなかなか起きれへんやろ」
「ええ」と颯太。
「啓介、そんな時はどうすりゃいいんや。オマエもいつの間にか、日常生活に戻っていったやん」
「そうっすね、・・・朝起きたらね、したいことを決めるんですよ」
「なるほどな・・・で、オマエは何をしようとしたんや」
「俺って身体動かすの好きでしょ、だからまず起きたら絶対に筋トレをやろうって決めたんっすよ。違うか・・・筋トレやるために絶対に起きようって」
そして啓介、今日初めて会った塾の3年後輩、颯太に向かって言った、「だからさ、オマエも朝起きて絶対にすることを決めるんや」
「・・・」 思案気の颯太。
「基本英文20文の暗記でどや?」と俺。
「いや・・・それはちょっと」 即座に打ち消す颯太、硬かった表情がいつしか緩んでいる。

昨夜の颯太の突然の登場・・・あの大晦日の夜に感謝すべきだろう。
塾の21期生と24期生・・・初顔合わせの二人の邂逅。
啓介が颯太にいろいろと話しかけてくれた。
そして、その紡ぎの先に昨夜の登場があったわけだ。
そんな久しぶりの登場に、22期生の亜里(津高1年)が中学生の教室にやって来て声をかけたと言う。
毎週土曜日に実施しているセンター試験現代文の授業への誘(いざな)いだ。
具体的にはどんな会話が二人の間で交わされたのか・・・俺は知らない。
俺は高3と仙人対象の英語の授業中だ。
しかし、この数ヶ月間をずっと家から出ずに過ごしてきた颯太にとって、これは大きな一歩だ。
ちなみに中2の颯太がセンター試験の現代文を解けるのか?
昨夜の里恵の授業の問題は去年の高田高校入試問題。
中3に混じって試験を受けた颯太の得点・・・50点満点で32点、基礎はできている。
かつて友人関係で悩んでいた亜里もまた、中2から高校生に混じってセンター試験対策の現代文の授業に出ていた。
そして、今の高3、名古屋大学志望の瞭(津高3年)や大阪大学志望の慎也(津高3年)の肝を心底震撼せしめた。
今は中2の玄太の孤軍奮闘。
亜里や香保(松阪高校1年)と干戈(かんか)を交えている。
つまりは現代文、年齢は一切関係ない。
最低限の資質・・・今を悩む奴。
周りの状況が読めない馬鹿には、いつまで経っても現代文の扉は開かない。

颯太の堅い扉に鍵を差し込んだ啓介・・・今は遥か遠いアメリカの空の下。
日米決戦の趨勢やいかに!
こら、啓介!早く戦果を報告せんかい!

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