股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

一命

2012年05月27日 13時38分21秒 | 映画評論ア行
製作年:2011年
製作国:日本
2011年10月15日公開
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵,瑛太,満島ひかり,役所広司,竹中直人

戦国の世は終わり、平和が訪れたかのようにみえた江戸時代初頭、徳川の治世。その下では大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で“狂言切腹”が流行していた。それは裕福な大名屋敷に押し掛け、庭先で切腹させてほしいと願い出ると、面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという都合のいいゆすりだった。そんなある日、名門・井伊家の門前に一人の侍が、切腹を願い出た。名は津雲半四郎。家老・斎藤勘解由は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女の、狂言切腹の顛末を語り始める。
あの三池崇史監督が“命を懸けて、何かを守る”男たちの姿を描いた本格派時代劇。歌舞伎界のプリンス・十一代目市川海老蔵が、初老の侍・津雲半次郎を演じている。実年齢とはかけ離れた役柄ながら、入魂の演技で観る者を作品の中へと引き込んでいく。その所作の美しさや殺陣のキレからは、梨園で生まれ育った彼ならではの老成した凄みが感じられる。その海老蔵と好対照をなすのが、若侍・千々岩求女を演じた瑛太だ。愛する者を守りきれない男の切なさを、若々しく表現している。

この作品がリメイクだったという事を知りませんでした。今回は三池監督らしい時代劇。グロいシーンも何カ所かあります。貧しい生活の中でも愛する人と共に歩むことを決意した2人の侍の物語。演技派の役者を揃えているので安心して観れます。死を覚悟した人間の姿をどの役者さん達も迫真の演技で演じていたと思います。竹光の切腹シーンは痛々し過ぎて目を覆いたくなりました。
武家社会というのは、こんなにも残酷だったのかと思うと昔の人は毎日を生きることが命懸けだったんだと感じます。そして武士のプライドは今の日本人とは比べ物にならないほど高いものだったのだと…。狂言切腹によって理不尽にも竹光で本当に切腹を命ぜられた求女。竹光で闘うことを選んだ半四郎。今の日本で薄れてきた“人情”というものをこの映画から伝わってきます。終始、静かな映画ですが後半にいくにつれて引き込まれていきました。

この作品の評価・・・・70点
コメント
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