股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

あん

2016年04月15日 18時51分42秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:日本/フランス/ドイツ
日本公開:2015年5月30日
監督:河瀬直美
出演:樹木希林,永瀬正敏,内田伽羅,市原悦子,水野美紀,太賀,兼松若人,浅田美代子
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刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り…。
『殯(もがり)の森』などの河瀬直美が樹木希林を主演に迎え、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に紡ぐ人間ドラマ。樹木が演じるおいしい粒あんを作る謎多き女性と、どら焼き店の店主や店を訪れる女子中学生の人間模様が描かれる。原作は、詩人や作家、ミュージシャンとして活動するドリアン助川。映像作品で常に観客を魅了する樹木の円熟した演技に期待が高まる。

元ハンセン病患者の老婆と、心に傷を負った人々の姿を描いた本作。一軒のどら焼き屋で出会った人たちが、それぞれの苦悩を抱えながらも前を向いて必死に生きようとする姿がとても感動的でした。恥ずかしながらハンセン病に対して何も知識が無かったものですから、とても勉強になりました。重い感染症と言われ続け、差別を受け、隔離までされた患者さんたちの気持ちを考えると苦しくなります。世間から邪魔者扱いされながらも、人生を一生懸命に生きようとする千太郎や徳江さんに勇気をもらいました。生きることの意味。重苦しい映画ではあるけれど、最後は少しの希望も感じられる作品。ラストシーンの千太郎の「どら焼き、いかがですか~」と言う姿は、活き活きしていました。樹木希林と永瀬正敏の演技が素晴らしかったなぁ。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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