股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

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2016年04月10日 22時53分46秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2015年
製作国:アイルランド/カナダ
日本公開:2016年4月8日
監督:レニー・アブラハムソン
出演:ブリー・ラーソン,ジェイコブ・トレンブレイ,ジョーン・アレン,ショーン・ブリジャース
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施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャックと、母親ジョイ。彼女はオールド・ニックによって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。
エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK -フランク-』などのレニー・アブラハムソン監督が映画化。7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に適応していく過程を描く。主演は、『ショート・ターム』などのブリー・ラーソン。生まれて初めて外の世界に触れた息子の戸惑いを、子役のジェイコブ・トレンブレイがみずみずしく演じる。

7年間、密室で生まれた息子と共に監禁された女性の脱出と、その後の人生を描いた本作。ブリー・ラーソンはこの役で本年度アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得しました。そして息子を演じたジェイコブ・トレンブレイ君の演技も本当に素晴らしかった!
閉ざされた部屋での監禁生活の中でも希望を捨てずにいた親子。そして外の世界へ脱出を試みようとする勇気。命がけの脱出劇は緊張感がありました。脱出して保護された後も、親子の苦悩は続きます。7年間という空白の時間はそう簡単には取り戻すことはできない。ルームをから初めて外の世界に飛び出した少年ジャックは全てが新鮮であり恐怖でもある。そして母親ジョイにとっては世間からの視線、そして両親との関係さえも7年間で変わってしまっていた。「何故、子供だけでも外に出してあげようと思わなかったの?」とジョイに質問するインタビュアーには苛立ちを感じ、「あの部屋に戻りたい…」ジャックの言葉に衝撃を受けました。外の世界こそが幸せのはずなのに、もしかしたらあの部屋にいた方が幸せだったのかもしれない。ジャックとジョイの親子がどうやって部屋や過去と決別していくかに注目して観て欲しいです。前半では親子の脱出劇。そして後半は事件から立ち直ろうする家族の物語になっています。前半と後半で全く色が違うのがこの映画の面白いところ。7年間の隙間を埋めることが出来るのは人との絆であったり温かさなのかもしれない。どんなに時間がかかったとしても親子には幸せになってほしい。そう願わずにはいられませんでした。地味な部分はあるものの、最近日本でも似たような事件があったのでリアルなドキュメンタリーを観ているような感覚でした。とにかく勘が鋭い婦人警官に感謝です。

この作品の評価・・・・★★★★★★★★☆☆(満点は★10)
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