股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

母と暮せば

2015年12月23日 00時52分50秒 | 映画評論ハ行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年12月12日
監督:山田洋次
出演:吉永小百合,二宮和也,黒木華,浅野忠信,加藤健一,広岡由里子,本田望結,小林稔侍,橋爪功
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1948年8月9日、長崎で助産師をしている伸子のところに、3年前に原爆で失ったはずの息子の浩二がふらりと姿を見せる。あまりのことにぼうぜんとする母を尻目に、すでに死んでいる息子はその後もちょくちょく顔を出すようになる。当時医者を目指していた浩二には、将来を約束した恋人の町子がいたが…。
「父と暮せば」などの戯曲で有名な井上ひさしの遺志を名匠山田洋次監督が受け継ぎ、原爆で亡くなった家族が亡霊となって舞い戻る姿を描く人間ドラマ。原爆で壊滅的な被害を受けた長崎を舞台に、この世とあの世の人間が織り成す不思議な物語を映し出す。母親を名女優吉永小百合が演じ、息子を『プラチナデータ』などの二宮和也が好演。ほのぼのとした中にも戦争の爪痕を感じる展開に涙腺が緩む。

戦後70年ですね。長崎に投下された原爆によって亡くなった息子が亡霊になって母親の前に現れる、山田洋次監督が初めてファンタジーに挑戦した作品です。冒頭の原爆投下のシーンは戦争を知らない自分でも恐ろしさを感じました。母が息子を想う気持ち、そして息子が母を心配する気持ち。食べる物も無い貧しかったあの時代だから、いま以上に家族を心配する気持ちは強かったと思います。家族全員を亡くしても、決して悲しみを人に見せずに生きる伸子の姿がとても良かったです。親子愛をとても丁寧に描いている印象ですが、盛り上がりに欠けるというか淡々とし過ぎているというか…。最初から最後まで伸子と浩二のエピソードがほとんどなので、さすがに2時間続くと飽きてします。浩二の恋人だった町子をもう少し物語に絡ませれば良かったと思います。浩二が町子の前にも姿を見せれば多少は盛り上がったのかな。結末もハリウッドが昔から使っているようなオチだし宗教みたいで気持ち悪かった。エンドロールの大合唱も違和感が…。本田望結もわざとらしい泣き演技も引っかかったし…。戦争について考えさせられる作品だし、「なんで私は生き残ってしまったのだろう…」と苦悩する伸子や町子も良かったのだけど何故か泣けなかったんだよなぁ。婚約者に死なれて、挨拶に行った日に婚約者の母親も死んで、同僚の母親からは酷い事を言われた町子が可哀そう過ぎる!浩二にしても、伸子が上海のおじさんから受け取っていた物資を「そんなの受け取るな!」なんて、よく言えたもんだなと思いました。あの時代は、闇ルートであっても食料とか貴重だったと思う。浩二は死んでるから関係ないけど、母親の伸子の健康を考えればそんな事は言えないはず。もしかしてその食料をもらい続けてたら伸子は死なずにすんだ…!?ホントに浩二が死神みたいじゃん(笑)

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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