股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

おかあさんの木

2015年12月19日 10時49分57秒 | 映画評論ア行
製作年:2015年
製作国:日本
日本公開:2015年6月6日
監督:磯村一路
出演:鈴木京香,志田未来,三浦貴大,田辺誠一,奈良岡朋子
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昭和初期、長野県の田舎の村。7人の息子を生んだミツだったが、若くして夫・謙次郎が心臓発作により他界。息子たちは立派に成長するも次々と出征し、ミツはそのたびに畑に桐の木を植えていた。謙次郎の同僚だった昌平やその娘・サユリらに気遣われながら、ミツは木に語り掛け、息子の帰りを待っていた。
小学校の国語教科書に長期にわたり掲載された大川悦生の児童文学を基に、7人の子供を戦地に送り出した母の愛を描いたヒューマンドラマ。貧しいながらも子供たちを育て、戦地へ行った彼らを待つ母親を、『血と骨』などの鈴木京香が演じる。メガホンを取るのは、『解夏』『がんばっていきまっしょい』などの磯村一路。共演には、三浦貴大、志田未来、田辺誠一、奈良岡朋子らが名を連ねる。母と子供の関係性や周囲の人々との交流、どんなつらい時代にも強く生きる登場人物たちの姿が感動を呼ぶ。

教科書にも掲載された児童文学を基に描かれた親子の物語。7人の子供を戦地へと送り出した母親のお話です。こういう事が実際に戦時中に起きていたと思うと、御国ためにと戦地に息子を送る母親の辛さは計り知れないことだろう。7人もの子供を授かりながらも、今では考えられないことです。内容はととても分かりやすくて、子供の目線から、親の目線からきちんと描かれていて、戦争について考えさせられます。息子が1人、戦地に向かうとミツは庭に桐の木の苗を植え、まるで息子に語りかけるように苗を育てていきます。子供を取られることが、いかに辛い事か…。五郎が出発する際、足にしがみついて離れようとしなかったミツの姿に切なくなりました。自分の子供に「生きて欲しい。生きて幸せになって欲しい」と思うことは非国民なのだろうか?命まで捧げた子供たちは遺骨さえ回収されず、家族の元に届けられるのは紙切れ一枚。こんな事が当たり前のように起きていたなんて信じられません。こういう映画をもっと上映するべきだと思います。ストーリーはシンプルで淡々としていますが、心に残る作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント
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