パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

オン・ザ・ロード ★★★

2013年11月13日 | あ行の映画
1950年代のビート・ジェネレーションを代表する作家ジャック・ケルアックが、自身や友人たちをモデルに執筆した自伝的小説「路上」(57)を、「セントラル・ステーション」「モーターサイクル・ダイヤリーズ」のウォルター・サレス監督が映画化した青春ロードムービー。脚本は「モーターサイクル・ダイヤリーズ」でアカデミー賞にノミネートされたホセ・リベーラ、製作総指揮にフランシス・フォード・コッポラ。父親の死に打ちのめされた若き作家サル・パラダイスは、社会の常識やルールにとらわれない型破りな青年ディーン・モリアーティと出会い、ディーンの美しい妻メリールウにも心を奪われる。3人はともに広大なアメリカ大陸を旅し、さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しながら、人生の真実を見出していく。出演は「コントロール」のサム・ライリー、「トロン:レガシー」のギャレット・ヘドランド、「トワイライト・サーガ」のクリステン・スチュワート。

<感想>これも先週で終了とのことで、急いで観に行ったのだが記事を書くのが遅くなってしまった。1079年に映画化権を買い取って以来、何人もの監督と試みては実現できなかったフランシス・フォード・コッポラの念願の企画だそうです。セックス、ドラッグ、働かない?、無謀な暮らしぶりでR15になってるみたい。それでも、ジャズが背景に流れて彩られ、一人の男サルの人生の真実を求める青春群像劇といってもいい。
内容はロードムービーのようだが、父親を亡くし落ち込んでいた息子のサルが、友達の乱暴者だが心の奥底に繊細さを隠しているディーンという男に心酔する。主人公のサルにはどこか幼さが残るサム・ライリーが、破天荒なディーンには、ギャレット・ヘドランド。

そして、ディーンを取り巻く女性人が凄い。一応妻と呼んでいるが結婚はしていない。でもディーンとは常に一心同体であり彼を大好きな女・メリールには、クリステン・スチュワートが演じていて、今までとは違ってビッチなあばずれ女を演じている。それに妊娠して子供を二人産み妻となるキャロリン役に、キルステン・ダンストが逞しい母親を演じている。その他ににもエイミー・アダムスも出ている。

とにかく、サルという男よりもディーン・モリアーティのモデルになっているニール・キャサディの気味悪いカリスマ性とか、落ち着きのなさに比べて、演じているギャレット・ヘドランドの演技に鈍くささを感じた。キャサディの破滅的できらめく知性がないのは残念な気がした。それでも、主人公のサルよりは目立っていて、演技のし甲斐があると言うものだ。

最初から最後まで、移動だけが目的で、移動に憑りつかれた映画は、いやがおうにも移動の行為自体の代わり映えの無さが、どうにも飽きがくる。見ていてどうでもよくなってくるのだ。

おそらく悪夢の場面の凡庸さに、監督の本質が出ているようだが、全体にワビの雰囲気があってそれほど悪くはないのだが、後半で出て来る金を工面するための男、ヴィゴ・モーテンセンとディーンの性行為は、いかんせんお得感ということなのか。それに、スティーヴ・ブシュミとも、そっち系かいと思わせておいて、女性に入れ込むディーンの性のはけ口が凄まじく印象に残った。

もっとも、もう一人の友人、詩人の男はどうみても同性愛者で、ディーンが好きなのに言い出せない。
その悪友のセックスを横目で見ながら、おあずけを喰らったようなサル。主人公なのに、小説を書きたいと旅をしたのに、いったい何を学んだのか。年老いた母親を故郷に残して、日雇い労働をしながら金の工面をして、ほとんどといって小説の材料になる収穫はあったのだろうか。
それでも、自由を求めて広大なアメリカを縦断して、旅をした若者たちを描いたのがこれだ。
全体的に、あの時代の息吹き、旅の高揚感、若者たちの焦燥感など、まったく感じられない退屈な仕上がりである。同じ監督の「モーターサイクル・ダイヤリーズ」は、ゲバラの心情や瑞々しさがよく出ていたのに、なんか俳優に魅力がないのかミスキャストなのか、どうにも途中でダレてくるのだ。
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