パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション ★★★★★

2017年01月20日 | アクション映画ーマ行
傑作アクション・シリーズの30年ぶりとなる「マッドマックス 怒りのデス・ロード <ブラック&クローム>」。ジョージ・ミラー監督が2代目マックスにトム・ハーディを迎え、満を持して贈るハイテンション・バトル・アクション大作。資源も水も尽きかけ荒廃した未来を舞台に、独裁者ジョー率いる殺戮暴走軍団と、マックスが助太刀する反逆の女戦士フュリオサのノンストップ・チェイスが、アドレナリン全開のド迫力アクション&バイオレンスで描かれていく。共演はシャーリーズ・セロン、ヒュー・キース=バーン、ニコラス・ホルト、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー。

あらすじ:石油も水も尽きかけ荒廃した世界。愛する家族を守れなかったトラウマを抱え、本能だけで生き長らえている元警官、マックス。ある日、資源を独占し、一帯を支配する独裁者イモータン・ジョー率いるカルト的戦闘軍団に捕まり、彼らの“輸血袋”として利用される。そんな中、ジョーの右腕だった女戦士フュリオサが反旗を翻し、ジョーに囚われていた5人の妻を助け出すと、彼女たちを引き連れ逃亡を企てたのだった。裏切りに怒り狂うジョーは、大量の車両と武器を従え、容赦ない追跡を開始する。いまだ囚われの身のマックスもまた、この狂気の追跡劇に否応なく巻き込まれていくのだったが…。

<感想>もちろんモノクロの映像であります。モノクロ映像によってリアル感が半端なく、砂漠での追いかけっこだけなのだが、確かな臨場感がある。マッドマックスの世界というのは、世界の終末的な背景を持った神話の世界でもある。このシリーズでは一貫して車やオートバイ同士のバトルがモチーフになっているが、その背景として荒廃した世界で石油が貴重になっていることが重要である。今回は、それに加えて水も貴重な資源として扱われており、人間に必須な資源である水、車の必須のガソリン、その二つを支配することによって君臨するというのは、まさにジョージ・ミラー監督の世界観の究極だと思う。

支配者であるイモータン・ジョーには5人の妻がいる。だが実情は妻とは名ばかりの単に支配者の家系のために子作りの道具としてしか扱われていない。だから女戦士フュリオサが彼女たちを連れ出し、逃亡を図ったのも分かる。他にも母乳を与えるためだけの女たちもおり、ジョーの支配下では女たちは人間としての扱いを受けてはいないのだ。
モノクロ映像でも迫力満点であり、映画の活劇の原点から軸足が少しもぶれていないのがいい。なにしろ砂漠の上で繰り広げられる逃走と追跡のバトルは、そのまま昔観た「ベン・ハー」を思い出す。

悪の王国の軍団が出陣する時には、巨大な戦車の後部に並んだ大太鼓の列が打ち鳴らされ、その車両の先端には荒々しくエレキギターがかき鳴らされるという賑わいに心が躍り出す。
この映画の激しいアクションが、その重量感、鋼鉄の感触、ガソリンの匂いが、そのまま地鳴りと共に轟く音楽の連動隊として突進してくるのだ。もちろんそこには映画音楽が付くのだが、それは視覚系が脳内に鳴り響かせる音楽として認識しているにすぎないのだ。

すべては猛然たる砂煙を蹴散らしながら、疾走の中に展開している。音楽の協奏を始動するのは、戦車やトラック、人間の競争であり、そそり立つ竿にその先端から戦士が投げ下ろす槍爆弾、もんどりうって転がり回るハリネズミ状の車、暴走する巨大なタンクローリー、すべては高速でつっぱしる砂漠の上で無数の車がどよめきはじけながら踊り狂っているようだ。

耳をつんざくクローズアップから突然、空撮の超ロングへと切り替わる時、いきなり音楽が途切れるブレイクのような感覚があり、そこへ信号弾がふわっと赤と黄色の無音劇を繰り広げるのも、呆気にとられるほど美しい映像であった。

ヒーローのマックスと屈強な義手の女戦士フュリオサ、柔肌に薄い衣装をまとった女たちが善の側であり、残りの男たちはずべて悪役という図式が最高である。

特に女戦士フュリオサの存在感が半端ないのだ。それに、マックスを演じたトム・ハーディの不死身の男ぶりも最高であった。

2017年劇場鑑賞作品・・・14映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング/