パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

セーラー服と機関銃・卒業★★.5

2016年04月05日 | アクション映画ーサ行
1981年に薬師丸ひろ子主演で大ヒットした「セーラー服と機関銃」の原作者・赤川次郎がその後日譚として手がけた『セーラー服と機関銃・その後 -卒業-』を、売り出し中のアイドル橋本環奈主演で映画化。共演は長谷川博己、安藤政信、武田鉄矢ほか。監督は「婚前特急」「夫婦フーフー日記」の前田弘二。
あらすじ:一度は弱小ヤクザ“目高組”の組長をやるハメになった星泉。高校3年生の今は組も解散し、商店街にある“メダカカフェ”の店長となって平穏な日々を送っていた。そんな中、巷では浜口組を傘下におさめたホリウチ組が暗躍し、泉の街が破壊されようとしていた。任侠道にもとるホリウチ組のやり口に反発する浜口組の幹部・月永に思いがけず協力を求められ、再びヤクザの世界へと足を踏み入れるハメになった泉だったが…。
<感想>どうしても薬師丸ひろ子主演映画としてヒットしたのが頭から離れない。その続篇ということで、ヒロインの星泉に抜擢されたのが橋本環奈である。なんかピンとこないが、その後というので観賞して観た。高校3年生の泉は、商店街には手を出さないという協定を、敵対する浜口組と結び、目高組を解散させた。

現在は、メダカカフェの店長となって高校生に、ということは、薬師丸ひろ子ちゃんは、中学生だったっていうことなの。ある日、一人の女子高生が「モデル事務所が登録料金をぼったくっている」と悩みを打ち明けにやって来た。そこへ、危険ドラッグによって同級生が死亡するという事件に直面し、再び機関銃を手にすることになる。
困っている人を見ると、目高組の組員たちはダマっていない。泉は違法なモデル事務所だけでなく、危険ドラッグが街に蔓延している事実をしる。

泉は敵対する暴力団の浜口組幹部である月永(長谷川博巳)と組んで、事件の黒幕の正体を探ることに。だが、元ヤクザという偏見から泉たちは商店街から締め出されてしまう。
今時に、この話で往年の角川映画を真似したところで、・・・なんて思っていたが、視点の付け方が明確であり、小ぶりながらも「カ・イ・カ・ン」を伴う良質な感じに仕立てたところは見事であります。
ですが、しょぼい設定と強引な、無理やり的な敵集団の描き方にはゲンナリしました。冒頭が夢オチのような派手なシーンで、ワクワクしたのに、物語が進むにつれてガックリとしてきて、最悪になる。女子高生を食い物にするモデル事務所、軽薄な市長候補、ヤクザがらみの都市開発企業の薄っぺらさには、観ているこちらもバカにされている気分になってくる。

悪役の安藤忠信もしょぼいし、浜口組幹部の長谷川博己もキャラクターが弱いのだ。しかも武田鉄矢以下星泉の仲間もいかにも弱いので、殴り込みは切れ味にかくし、80年代の武田鉄矢の復活は、好きな人にはいいだろうが、そうでない人にはクライマックスのダメ押しも含めてとにかく映画が薄っぺらくなって見えた。

それでも、下半身ががっちりしていた昭和体型の、薬師丸ひろ子に比べて、華奢な感じの今回のヒロイン橋本環奈。是枝監督の「奇跡」や「暗殺教室」などの出演経験がある彼女だが、本格的な主演の演技は今回が初めてなのだ。
それが、ひと夏のロケ撮影でたくましいプロの女優になっていた。者型りの後半では、銃を手に戦うシーンはこれまでに見せた事のない、凛々しい表情となっていた。80年代の角川映画をオマージュしたような、ラストの卒業シーンは是非ともチェックしたいし、最後の主題歌も橋本環奈が歌っている。

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