パピとママ映画のblog

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ホビット 竜に奪われた王国 ★★★★★

2014年03月03日 | アクション映画ーハ行
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの60年前を舞台にしたJ・R・R・トールキンの冒険小説を実写映画化した『ホビット』3部作の第2章。邪悪な竜に奪われたドワーフの王国を取り戻す旅に出たホビット族の青年ビルボ・バギンズら一行を待ち受ける過酷な運命を、壮大なスケールで描く。マーティン・フリーマン、イアン・マッケランら前作からの続投組に加え、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのオーランド・ブルームもレゴラス役で再登場。伝説の邪竜スマウグの声を、ベネディクト・カンバーバッチが担当する。

<感想>「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚を描く「ホビット」シリーズだが、1作目の「思いがけない冒険」(12)は、ややもすると不安なスタートだったように思えた。出だしの展開がスローすぎて、なにせドワーフの宴会が30分続くのだからして、3時間近くあるわりには、どこが山場なのかよく分からない映画だった。だが、今作の第2章は、そんな不安を吹き飛ばすくらいの会心作に仕上がっていた。前作とは大違いで、ここには理屈抜きのエンターテインメントがわんさか詰め込まれている。

物理の法則を無視して、快感のためだけにデザインされたアクションが満載なのである。はなれ山に向かうため、闇の森に踏み込んだビルボとドワーフ族のトーリンらは、エルフの道を辿るも、闇の森にかかった迷いの魔法に惑わされ、全員が大蜘蛛に捕まってしまう。一人道を探すため木の上に登っていたビルボは魔法の効果が弱く、エルフの剣で蜘蛛の糸を切って戦いドワーフたちを助ける。この巨大な蜘蛛との格闘シーンも、ワラワラと出て来るキモさにはさすがに参った。
それに、巨大な熊に変身できるビヨルン、あまりイケてないし出番が少ない。この監督の作る巨大モンスターが、ハマった時の破壊力は、やはり本当に凄まじいと思う。

「ロード・オブ・ザ・リング」の3部作のレゴラスを演じたオーランド・ブルームが復活し、弓矢、剣裁きなどで大活躍。愛するエルフのタウリエルが、ドワーフの男キーリに惚れているのを見て、三角関係ロマンスに悩む“萌えキャラ“担当になっているのも愉快である。

勇気ある男のホビット族のビルボの活躍は、あの”リング“で姿が消えるのを利用して、窮地に陥るドワーフの13人を助けるシーンが盛りだくさんある。中でもエルフに捕まったドワーフたちを、姿を消して牢屋の鍵を奪い助けだし、その後、酒樽にドワーフを入れて急流下りは最高ですから。川の両サイドから、ボルグ率いるオーク軍団が襲いかかってくるし、さらにはレゴラス率いるエルフも戦いに加わる。川を下る樽の中のドワーフ、滝に呑まれるしで、ビルボの機転で13人のドワーフが助かったのだ。

湖の町エスガロスを経て、目的地のはなれ山に辿り着いたトーリンとビルボたちは、秘密の入り口探しに右往左往する。そこでもビルボの機転で、鍵穴が見つかる。そして、一人偵察に向かったビルボが、ドワーフ族の宮殿の地下の財宝の山の中で眠っていた巨大な邪竜スマウグを起こしてしまう。

口先三寸でスマウグの追求をかわそうとするも、狡猾なスマウグはいたぶるようにビルボを追い詰めていく。指輪の力で逃げ出したビルボと合流したトーリンは、ドワーフならではの戦術でスマウグと闘う。地下にある精錬所で、火を起こして、これはわざと怒らせてスマウグに火を吐かせる。この場面も見ものですね。ドワーフの大きな黄金の像が、溶けて崩れてスマウグに降りかかる。

潜んでいるドラゴン、スマウグと対峙するシーンもその“リング”が大活躍して、悪魔のごとくに大暴れするシーンでは、文字通りに桁外れの破壊力と、スマウグの声を担当した、ベネディクト・カンバーバッチの貫録たるや、お腹のそこから響く声で大奮闘。低音の声を出し過ぎて吐血したとか、お大事に。ドワーフたちの復讐の手伝いを見事に成し遂げる。

忘れてならないのが、闇の森の入り口で一行と別れたガンダルフは、緑のラダガストと共に、世界に迫る危険の正体を探る旅に出る。幽鬼の墓で明らかになる敵の存在。確かめようと、遂に危険な山城に踏み込んだガンダルフは、魔法の結界を打ち破り、ネクロマンサー(死人遣い)の正体を知るが、同時に最大の危機に陥る。それは敵のワナであり、ガンダルフの最強の敵と対決することになる。魔法の杖で地面を叩き山城の中を行く、勇敢な灰色の魔法使いガンダルフ。演じたイアン・マッケランの元気なことといったらない。
これは、80年前に書いたトールキンの原作にはそんな話はない。でも、妙に遠慮しすぎてた1作目に比べると、このくらいの妄想には観客も大いに愉快に観賞できると言うもの。最後の終わり方が意外だったので、早く「五軍の戦い」が待ち遠しく、早く続きが見たいと思った。
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