パピとママ映画のblog

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幕末高校生 ★★★

2014年07月31日 | アクション映画ーハ行
『MW-ムウ-』などの玉木宏とテレビドラマ「失恋ショコラティエ」などの石原さとみが主演を務めたSF時代劇。幕末期の江戸にタイムスリップしてしまった高校教師とその生徒たちが、勝海舟や西郷隆盛などと対面しながら未来である現代へと戻ろうと奔走する。メガホンを取るのは、『体脂肪計タニタの社員食堂』などの李闘士男。『ザ・マジックアワー』などの佐藤浩市をはじめ、川口春奈、谷村美月、柄本明らバラエティーに富んだ顔ぶれが共演。奇想天外な物語に加え、幕末期を再現した美術も見もの。

あらすじ:1868年、幕末期の江戸。高校で歴史を教える若手教師の未香子と3人の教え子たち、恵理、雅也、慎太郎」が幕末へタイムスリップ。ところが、未香子と雅也は不審者として捕えられてしまう。
迫り来る新政府軍と幕府軍の戦闘を避けたいとする勝海舟(玉木宏)は、新政府軍参謀・西郷隆盛(佐藤浩市)に和平交渉の使者を送る。その返事が来ないことに気をもむ中、彼は幕府が捕らえた未来からやって来たと言い張る女教師・未香子(石原さとみ)と教え子・雅也の面倒を見ることに。
一方の未香子は自分たちと一緒に江戸時代へとタイムスリップしたほかの教え子を捜して未来に帰ろうとするが、目の当たりにしている出来事が史実と違うことに大きな不安を抱く。
そんな中、未香子は勝海舟と西郷隆盛の和平交渉の鍵を握る使者が存在していないことに気付く。歴史が正しい方向へ進まなければ、未香子たちの帰る未来もなくなってしまう。未香子たちは新政府軍の攻撃を回避し、正しい歴史に戻そうとするが、・・・。

<感想>現代から幕末の江戸へとタイムスリップ、という壮大なる仕掛けを用意した、時代劇と現代劇を融合して、理屈抜きに楽しめる時空超越エンターテインメントであります。その奇想天外なストーリー展開の楽しさはもちろん大きな魅力なのだが、幕末を生きる勝海舟たちと、現代からやってきた“未来人”である未香子たちのズレから生じるコミカルなやり取りも見どころの一つ。

しかしそのせいで、歴史が間違った方向に動きだし、新政府軍と幕府軍の戦いが始まろうとする中、無益な戦いを避けたいと願う勝海舟を玉木宏が、チャーミングに好演している。凛々しい歴史上の人物でありながら、蕎麦が大好きで、犬が大嫌いという、実は人間らしい欠点もある男として演じ上げている。
そんな彼の前に現れ、歴史を正しく導こうとする教師に石原さとみが扮して、まさかの事態をアタフタとしながらキュートなコメディアンヌぶりを披露。

生徒たちには、川口春奈、柄本時生、千葉雄大らが、勝海舟の妻には谷村美月、そして、幕府陸軍副総裁の柳田に柄本明、西郷隆盛に佐藤浩市と、蕎麦屋のオヤジに石橋漣司など、ベテラン俳優たちが脇を固めている。
柳田の爺さんの屋敷に現れた未来からの女子高生恵理に、何やら好意を抱く柳田爺さん、屋敷に匿って嬉しそうだ。千葉雄大扮する生徒は、1年前にタイムスリップしたらしいのだが、性格が陰険で暗いし、親が医者にしたいと医大を受験させようとしているのだが、本人は獣医になりたいらしいのだ。長屋暮らしで、お腹の大きな妻もいて浪人暮らしをしている。

タイムスリップと言う設定ならではの自由な発想の物語こそが、最大の面白さであり、勝海舟がルービックキューブに夢中になったり、川口春奈扮するギャルが江戸に紛れ込んだりの小ネタも楽しい。

そうした物語全体の魅力に加え、歴史的建造物での撮影シーンに、クライマックスの壮絶な玉木宏の殺陣シーンが、行われたのは、世界文化遺産に登録される京都の下鴨神社であり、薩摩藩邸で勝海舟と西郷が対峙する場面では、多くの国宝などを所蔵する西本願寺内で撮影されたというのだ。
こだわりのカメラワークや照明、さらには作品に込められたメッセージなど、見どころ満載であります。時代劇ファンはもちろんのこと、時代劇が苦手でも存分楽しめる新感覚の作品に仕上がっており、歴史上の人物と未来からの訪問者がタップを組んで奔走する展開に、ハラハラ、ドキドキさせられます。ですが、この手の映画は何度も上映されているし、新鮮味があまり感じられません。タイムスリップものでは、ちょっと古いけれど、戦国時代にタイムスリップした草なぎくんと新垣姫の物語、「BALLAD/名もなき恋のうた」の方が面白かった気がしました。
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