パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

楽隊のうさぎ ★★★.5

2014年01月30日 | アクション映画ーカ行
引っ込み思案な中学生が吹奏楽部に入部したことから音楽の面白さに目覚める姿を描いた中沢けい原作の小説を、『ゲゲゲの女房』などの鈴木卓爾監督が映画化した青春ドラマ。主演の川崎航星をはじめ46人の生徒役には、舞台となった浜松市在住の子どもを中心に、オーディションにより抜てきした。宮崎将、井浦新、鈴木砂羽などが脇を固める。子どもたちの生き生きとした様子や、ライブ収録で撮影されたクライマックスの演奏会が印象的。
あらすじ:授業が終わったら、早く帰りたいと願う中学1年生の奥田克久(川崎航星)は、ある日、不思議なうさぎを追い掛けたことがきっかけで吹奏楽部に入部。吹奏楽部は練習時間が最も長いクラブだったが、克久は次第に音楽に夢中になっていく。そして定期演奏会に向けて練習に励んできた克久は、ついにその日を迎える。

<感想>街に出て時間が空いていたので鑑賞した。それが意外に良かった。オーディションで選ばれた46人の子供を起用して、中学生の吹奏楽部の部活動を中心に、友達とのいざこざや自分の中の葛藤に悩みながら、成長していく部員たちの姿を丁寧に描いています。

中でも、部活に関心のない主人公少年を吹奏楽部へと誘導する“うさぎ”の存在が謎で、この少年にしか見えないというのも意味ありげなのだが、このうさぎ以外は、かなり誠実でリアルな作品に仕上がっている。

それに中学生たちの表情がいい。この時期にしか見せない表情がうまく捉えられている。児童映画的な邪気のない物語の中で、素人の子供たちが映画の中の時間を、生き生きとして楽器を奏でる。そこから発せられる音に、個性が感じられことに幸せな気分になる。
それに、主人公の無口が尋常じゃなく、あの宮崎将が饒舌に見えるくらいである。もっとも女の子はみんな、お喋りで少年は彼女たちの言葉によって、未知の世界に引き出される感じでもある。

パシリをやらされている少年が、吹奏楽を通じて、自分の居場所、そして自分の声を見つけるまでの物語でもある。たっぷりと時間をかけて、自分の楽器のエキスパートになるのも大変なもの。地域の人たちも吹奏楽好きっていう細部が効いていてこれも良し。
子供たちも演奏を含めてそれぞれに好演しているのもいい。相手の音を良く聴いて、自分の音をどう響かせるかという先生の言葉に、なるほどと感心したり、親たちを殆ど介入させず、部活と子供たちの話だけに絞っているのも、観ていて気持ちが良かった。ラストの演奏にもワクワクですよ。
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