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轢き逃げ 最高の最悪な日★★★・5

2019年05月15日 | アクション映画ーハ行

「TAP THE LAST SHOW」で監督デビューを飾った水谷豊が、今度は脚本も自ら手がけて撮り上げた長編第2作。一つの轢き逃げ事件を巡り、現場から逃走してしまった加害者の葛藤と恐怖、突然最愛の娘を奪われた被害者家族の悲しみと怒りを、二転三転する真相の行方とともに描き出す。主演は「アノソラノアオ」の中山麻聖、共演に石田法嗣、小林涼子、檀ふみ、岸部一徳。また水谷豊自身も被害者の父親役で出演。

あらすじ:大手ゼネコンに勤める若きエリート・宗方秀一は、白河早苗との結婚式を3日後に控え、その打ち合わせへと車で向かっていた。式の司会を務める親友で同僚の森田輝が助手席に座る中、急ぐあまり不慣れな抜け道で若い女性をはねてしまう。しかし周囲に誰もいなかったことから、秀一と輝はその場を立ち去り、そのまま打ち合わせへと向かってしまう。警察の捜査に怯えながらも、結婚式の準備を進めていく秀一だったが…。一方、突然の轢き逃げ事件で一人娘を失い、悲しみに暮れる時山光央と妻の千鶴子。ある日、遺品の返却に訪れた2人組の刑事、柳公三郎と前田俊から“娘さんの携帯電話が見あたらない”との報告を受けるのだったが…。

<感想>俳優・水谷豊が、自ら脚本も手掛けた監督第二作目である。轢き逃げ事故を起こしてしまった親友二人と、事故の被害者家族の人間模様を、若手俳優たちを起用して描いた作品。繊細な人物描写にこだわった水谷監督の演出が見事でした。映画の設定ある地方都市だが、実際は18年春にほぼ神戸市内で撮影されたもの。

冒頭シーンから友人の森田輝が遅刻をしてきて、主人公の宗方秀一が運転するブルーのジープに乗り、ややスピードを上げて走り出す。結婚式を3日前に控えており、結婚式場での最後の打ち合わせという事らしいが、遅刻を気にしている運転手は、裏道を行こうと一方通行の狭い道をスピートを挙げて登ってゆく。目の前に女性が出て来て、轢いてしまったのだ。茫然としながらも、自分が人身事故を起こしてしまったことに、これからの人生が真っ暗になってしまうと考える男。

本当だったら、どんなことがあろうと、一度車から降りて轢いてしまった人を見て救急車を呼び、警察へ電話を入れるべきである。それから、保険会社へ電話するなり、そして、待ち合わせをしている女性にも遅れることを知らせるべきだと思います。主人公・中山麻聖が、結婚式を目前に控えながらもひき逃げ事件を起こしてしまう秀一役を、石田法嗣がその親友・輝役。物語の鍵を握る加害者側2人は、オーディションで抜てきされた。さらに小林涼子が秀一の妻・早苗役に扮している。

ところが、この2人の男性は、後ろを前を、周辺をチラ見して誰もいないかを調べて、逃げるのですからね。これは絶対にやってはいけないことであり、いくら結婚式を控えているからといっても、事故を起こした責任としては、人間としての責任を取るべきです。ですから、びくびくしながらも上手く逃げおうせたと思っている、加害者の主人公宗方秀一のこれからの人生は、お先真っ暗状態なんですから。家へ戻り車を見て塗料を指で塗り、バンパーのナンバープレートが曲がっているのを治す。

この男に良心の呵責はないのか。同乗者の遅刻男・森田輝は、小心者らしく怖れおののいて、大丈夫さと空元気。そして、TVのニュース番組では、早速轢き逃げ事故のニュースを取り上げていた。

次の日会社へ行くと、2人は喫煙室へ行き、これからどうするかを話し合うつもりだったが、社員の仲間たちは、副社長の娘と結婚する玉の輿の宗方秀一を虐める人たちもいるのだ。これでは、この二人が轢き逃げ事故のことを知らぬふりするのが当然のような感じもするでもない。

友達の森田輝が、郵便受けに脅迫めいた張り紙が送られてきたことにびくつき、秀一の所にも同じ脅迫が来ていた。しかし、後2日で結婚式だし、その後は新婚旅行へ行ってしまう秀一に対して、どうにかして轢き逃げ事故のことを上手く処理できないか相談する輝。二人で、夜の海岸へ行き、裸ではしゃぎまわる。この風景は何か意味があるのか。何かの伏線とみたのだが。

やっと被害者宅の様子が映し出され、一人娘を轢き逃げ事故で亡くした夫婦の姿が。父親は、娘の幼いころのビデオを涙を浮かべて、酒を飲みながら見ている。そして寝てしまうのだった。父親に水谷豊さん、檀ふみがその妻・千鶴子役で共演している。

それが、突然犯人が捕まってしまうという早急な展開。岸部一徳さん扮する刑事に、犯人の一人である同乗者の森田輝が白状するには、秀一とは子供のころからの仲良しで、いつも頭のいいイケメンの秀一の金魚のフンのごとく、後ろにぴったりくっ付いていた輝。自分が出来ないことを、いつも羨ましく嫉妬をしていたと言う。

友人の.嫉妬による悪戯の仕込みは要らないのでは、「それじゃ、被害者女性があまりにも報われなさ過ぎて可哀想だ」と思われた。父親に土下座をして謝る森田輝。

脚本も執筆した水谷豊さんがこだわったのは、犯人探しではなく登場人物の“心の軌跡”だ。否応なく運命に翻ろうされる人々が、いかにして悲劇の先にある“人生の答え”にたどり着くのかを追っていく。

父親が亡き娘のために素人探偵よろしく真実に迫ろうとする姿に、内容的にはビックリする展開なんですね。被害者の父親役の水谷豊が、目星をつけた森田輝のアパートに、強盗みたいにベランダから侵入して、部屋の中を物色する。娘が付き合っていたと思われる男の白いジーンズと、野球帽がクローゼットの中から出て来て、それに娘のケータイ電話も出て来る。そこへ森田輝が帰って来て、父親と揉み合いながらベランダから下へ転落するのだ。被害者である父親が、終盤で犯罪を犯しても逮捕されてないのが不思議でした。

しかし、不満だったのが、加害者が簡単に逮捕され、サスペンスの要素も少なかったし、それに友人の轢き逃げ工作は嫉妬によるものだったので、何だか支離滅裂な映画化と思えば、ラストシーンでの救いを感じたあのシーンがあってよかった。

 

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